新鮮血観察 | ドクターヒロの健康・お悩み相談室

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一滴の血が教えてくれる健康情報

現代医療の現場で貧血や白血病などの血液疾患を診断するときには、固定標本、すなわち生きていない細胞にいろんな染色法を駆使して観察しますが、これからお話しするFBO(新鮮血観察=Fresh Blood Observation)では、違うやり方で血液を観察します。指先に小さな針を刺して採取した一滴の血液を固定・染色せずにそのまま生きた状態で観察するのです。
よくテレビの番組で、ドロドロ血液といった内容でとりあげられることもあるので、なんとなく想像がつく方も多いのではないでしょうか。もっとも番組のほとんどは不正確で偏重した内容となっているようで残念です。最近は血液を見せながらブレスレットを売る業者が摘発されたこともあり、血液を観察すること自体がインチキな行為であるかのように誤解されているようですが、検査は何事も正しい心がけと熟練の技能をもって行うことが原則です。
FBOは通常の検査方法ではわからない多くの情報を教えてくれるすぐれた検査方法で、単にドロドロ・サラサラを見るだけのものではありません。
血液は全身をくまなく循環し、細胞の活動に必要な酸素や栄養素を供給するとともに、二酸化炭素や老廃物を排泄器官に持ち帰ります。ですから血液が健全な状態であれば、その人の健康エネルギーも高い状態にあると考えていいのです。
血液は。血球と呼ばれる細胞成分と血漿と呼ばれる液体成分から成り立ちます。血球には、主に酸素や二酸化炭素の運搬を受け持つ赤血球や生体防御に大きな役割を担う白血球(顆粒球、単球、リンパ球など)、止血に役立つ血小板があり、血漿中には糖やタンパク質、電解質などの栄養素や、凝固因子、免疫グロブリンなどが存在します。
顕微鏡で観察したときに、赤血球がきれいな円盤形をして軟らかく、一個一個がバラバラに動いていて、血漿中に余計な浮遊物は見当たらないきれいな状態が理想的です。
ところが実際にFBOを行うと、多くの人の血液にいろんな変化が見られます。赤血球が本来の丸い円盤形ではなく変形してしまった状態や、鎖のようにつながった状態。すぐに膨張して消えてしまうこともあります。血漿中にきたない異物が浮遊していることも少なくありません。まるで雪が舞うように細かく動く粒子状のものやクモの巣のように見えるもの、カビのような浮遊物や目まぐるしく動き回るバクテリアのような遊走体まで、実にさまざまです。ときには顕微鏡の視野におさまりきらないほど大きな浮遊物を認めることもあります。
FBOの技能を習得するとこのような血液の所見から、体内毒素がきちんと浄化されているか、飲水量や栄誉バランスはうまく保たれているか、ストレスで精神がまいってはいないか、さらには癌体質になっていないか、といったことを推察できるようになります。<つづく>




顕微鏡から見た血液は、その人の健康状態をしっかり映し出します