こんにちは。満川眼科医院です。
今回のテーマは、間欠性外斜視の訓練についてです。
以前、👉間欠性外斜視②にて訓練のことに少しだけ触れましたが、その中でも簡易に行える家庭訓練の1つを紹介したいと思います。
その名も、輻輳訓練(ふくそうくんれん)カード、と言います。
間欠性外斜視は、片眼の情報を見ようとしなくなる状態(抑制)の深さで斜視強さが決まると👉間欠性外斜視①で書きましたが、
この訓練では、脳の中の感覚を呼び戻すことと、目を内側に寄せる力(輻輳)を鍛えることを目的とします。
輻輳訓練カードの利点は、
とにかくどこでも行える簡便性であり、親御さんにも理解を頂きやすい単純な訓練です。
訓練と身構えた人には拍子抜けかもしれませんが、ただの三角に切った厚紙です。
この訓練は、中央にあるそれぞれの絵や●に視線を合わせて保持が出来ることと、中央の線が両目で見えることが重要になります。
どういうことか図で説明しましょう。
①正常な見え方はこんな感じですが、写真では表せないので、、、
片目ずつの見え方は次の通り
②右眼の見え方
③左眼の見え方
②、③を合わせると①みたいに見える、想像をしていただければと思います。。。
前回、☞立体視でもお話しましたが、
融像の圏外では物がダブって見えたり、または人によっては抑制がかかり片目が見えなくなったりします。
外斜視の状態にて抑制がかかると、片眼だけの見え方になるので②,③どちらかの見え方になるでしょう。
必ず右眼と左眼の両方が見ている状態、つまり線が●でクロスしている見え方を確認して下さい。
クロスして見えない場合は斜視になっている、抑制がかかっていることがほとんどです。
この時に必要なことは、
両眼で見えることが当たり前であること、つまりそれぞれの目はそれぞれの映像を見ることが出来る様に意識して下さい。
また親御さんは外斜視になっていないことを傍目から確認して下さい。
そうして良好な目の位置(眼位)を維持しつつ、正しい感覚を保つことが出来れば、この訓練は必要としません。抑制が浅ければすぐに感覚を思い出すことが出来るでしょう。
また、輻輳訓練カードの類似訓練として、ブロックストリング法があります。訓練方法は同じですが、長いヒモにカラーボールを付けて行いますので距離を遠くに設定することができます。
輻輳訓練カードはかなり近くを見ていますので網膜に映る映像が大きいですが、ブロックストリング法は距離が遠くなるので網膜に移る映像は小さくなります。
つまり、網膜の抑制の範囲がごく小さい場合にはヒモのクロスが見えないかもしれません。
輻輳訓練カードは出来たけどブロックストリング法は出来ないこともあるわけです。
また、目線の向きによっても抑制のかかりやすさが変わります。上向はかかりやすいが、下向きはかかりにくい、などがあります。
人によって異なる性質があるので、人それぞれに合った訓練を選ぶのも重要です。
眼の検診は平塚市、満川眼科医院へ。
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