私は『インプロは人生そのものだ』と思っています。
とはいえ、【インプロ】と聞いて、「あ~あれね!」とすぐにわかる方はまだまだ日本には少ないなあと思います。
インプロとは「即興」という単語「インプロビゼーション」の略。
応用インプロといって、ワークショップとしての側面と、即興でお芝居をするショーとしての側面があります。
私はお芝居のトレーニングでインプロワークショップを受講していました。
自分が受講しているときは気がつかなかったんですが、応用インプロ講師になってみると、インプロは、表現者のみに必要な感覚ではなく、すべての人に有効な感覚トレーニングなのではないか、と思うようになりました。
人生は実は、小さな選択の積み重ね。
無意識でやっていることも、実は自分自身で「選んで」いるのです。
つまり、人生は即興の連続なんです。
みんな、一人一人、自分の人生という即興劇の主役なんです。
その人生のトレーニングできるのが【インプロ】です。あなた自身で人生のハンドルが握ることができれば、人生はより豊かに、イキイキします。
インプロとの出会いは元々は、私が自分の勉強のために習い出したワークショップです。
俳優養成のために考案されたゲームの数々、なんと200種類以上。
20代後半の私は、相手役のセリフがちゃんと聞けずに悩んでおりました。
【コミュニケーションはキャッチボール】だと思うんですが、
当時の私は、投げっぱなしで受け取れない人だったんです。
これはまずい!とインプロのワークショップを受け出しました。
すると少しずつ、人の言葉が受け取れるようになってきました。
今でも投げるほうが得意ですが、でも20代の頃よりは受け取れることが多くなってきました。
ひょんなことから2008年ごろから、
声優になりたい若手さんに、インプロを伝える仕事をいただきました。
インプロのワークショップを受けた方ならご存知かと思いますが、
楽しく笑いながら、だんだんと心が解きほぐされていきます。
企業研修などの「アイスブレイク」などにもよくつかわれます。
そして何度かワークショップをやっていくうち、
「インプロは、子育て中のお母さんやお父さんにも有効なのではないか」と思うようになりました。
「相手をよく見て、相手の受けとりやすい、コミュニケーションボールを投げたり」
「コントロールを手放す感覚をつかんだり」
「イエスアンド感覚を作ったり」するワークが、
人を育てるというもっとも大変な仕事(子育て)に
とても役立つ感覚だと気付いたからです。
ちょうど私自身、自分が母親になったということもあり、
子どもと接するときにインプロ感覚を使ったり、
ママ友を集めて「ママ向けインプロワークショップ」を開催してみました。
これが好評で、
「子どもと遊ぶのが楽しくなりました」
「今まで子どもが失敗するのにイライラしていたけど、それは自分自身が失敗したくなかったのだと気がつきました。こどもの失敗に寛大になれました」
「自分自身が満たされたので、子供にやさしくできるようになlりました」
と嬉しい感想をいただいております。
インプロは人生のトレーニングの場。
思わず無意識で反応してしまう、自分自身の思い癖に気がつけます。
そして、気がつけば、意識的に「なりたい自分の選択」をすることができます。
インプロで笑いながらトレーニングして、
それをぜひ実生活で生かしていっていただければなあと思うのです。