※原作はコミックですが、音訳をきいての感想です

著書名
ヤンキー君と白杖ガール 1

著者
うおやま

<内容>
街を牛耳る最恐ヤンキー・黒川森生(18)と
盲学校高等部に通う「弱視」の赤座ユキコ(16)。
出会ってしまった運命のふたり――!

累計350万PV突破の話題作がついに単行本化!

描き下ろしおまけ漫画も収録。
(*Amazonの商品詳細より)


>感想>
めちゃ面白かった!(≧∇≦)笑った笑った~っ★
ワンコ系のヤンキー君のすったもんだに応援したくなるw

もしかしたら目が見えてる人には、何かしらの小さな抵抗感を感じて手に取りにくいかもしれませんが
ハートフル青春ラブコメにくすくす笑いたい人は、ぜひぜひ読んでみてください~。
かくいう私自身も読む前までは、福祉的な意味合いが強い、教科書的な読感で無難な内容なのかなぁ~?と思っていました。
ところがどっこい
望外に、ツッコミの冴えた、ほっこりいちゃいちゃラブコメでした♪
読んだ後も、思い出して笑っちゃった( ´艸`)

今でこそ漫画は読めない私ですが
(『犯人の犯沢さん』なら拡大すれば読めない事もないですが←白い背景に対して犯沢さん常に黒いからww)
昔は『×(ペケ)』や『高校天使』とか読んで笑ってました(年齢が浮き彫り)
もう漫画を読んで笑うことはないかもしれないって思ってましたけど
小説とはまた別の漫画特有の、あの読んで笑ったり胸きゅんする感覚を思い出させてくれました。

ヤンキー君こと
黒川君は町一番喧嘩が強く、小学生の時点で年上に勝つレベル!
高校を中退して一年がたち、点字ブロックの上にいたせいで、ヒロインちゃんの白杖にお尻を……という衝撃的な出会いから始まります。
このアクシデント、案外と現実にもあったりする。
昔、とある視覚障害者の集会で「ヤンキー座りしてたチンピラさんの股間(たぶん、股間の下の空間)を、白杖の先っぽでまさぐってしまった!」という体験談をきいたことあります(笑)
どうなったのか尋ねてみると
そのチンピラさんは「ゴルゥアァァアァ!?」と激怒しながら振り返ったそうですが、相手が全盲だとわかると「どこに行くんだ?」と移動の介助してくれたそうです。
根っからの粗暴な人じゃなくて良かったね!?(汗)

ヒロインちゃんは盲学校の高等部に通学してる女の子。
美少女という点をのぞけば、どこにでもいる普通の女の子。
この普通っぽさが、この作品の魅力の一つだと思います。
何か特技があるとかいうチートさはないので
目が見えてる人には「見えてても見えづらくても特別なことはない。みんな同じ人間なんだな」とわかってもらえるし、
目の悪い人が読むと、弱視女子あるあるのめじろおしwww
ヤンキー君への態度が、基本さばさばしてるので面白いです。
エピソードを重ねるにつれ、だんだん乙女な一面もまざってくるのでカワイイ。

二人の初めてのお出かけは映画館。
ヒロインちゃんは「きっと目が悪い女の子を連れてデートするしんどさがわかって、今回限りになる」と、どこか冷めてる。
よくあるパターンだと、ここで男の子は気配りが上手だったり、子どもの面倒をみる親御さんかのように世話を焼いたりするわけだけど。
ヤンキー君はあたふた。
だけど、ヒロインちゃんを楽しませたい一心であれこれ頑張る。
映画館エピソードもだけど、漫画全体を通して
ヤンキー君がヒロインちゃんと対等の位置にいることが読み取れて嬉しかったです。
なんかねぇ、彼女を楽しませたい彼氏、ではなくって、自分より劣ってる可哀そうな女の子の面倒みてる俺!みたいな関係性の恋愛って好きじゃないのです。
ヤンキー君は、ヒロインちゃんを一人の女の子として尊敬してると思うんだ。

映画館エピソードで爆笑したのは「音声ガイド」の件。
私も弱視なので、テレビ画面を観ながら、同時に解説音(昔でいう副音声)も流すんだけど
映像の絵面より音声ガイドの説明の方がインパクトでかいってこと、たまにあります(笑)
最近ではゲゲゲの鬼太郎です。
説明の仕方が、文学的でエモい時があるよ(笑)
演出に手の込んでるシーズン6の鬼太郎は、解説音の台本まで作品の一つになってるんだなぁと感激しました。

さてさて
黒川くんは黒川くんで苦労もある。
ヒロインちゃんの為に就活をするのだけど
ヤンキーだったのと、顔に喧嘩で出来た傷があるせいで
面接に堕ちてばかり。
どうして就活を始めたのか、もらったお給料で何を買いたいのか
そのプレゼント作戦は結果どういうことになったのか
二人の進展の一つ一つにリアリティある感情と、胸きゅんが仕組まれてて、毎回うふうふしちゃいました。

このプレゼント作戦あたりから登場するのが
ヒロインちゃんのお姉ちゃん。
障害者を家族にもつ人間サイドの、
正直な気持ちを吐露します。

いつも思うのですが
フィクションって大抵
一つの家族に対して、病気や障害を持つ人物は一人なんですよね~。
うちを含め、家族全員別々の難病!とかいう家庭は少なからず存在するので
病人が病人を世話する負担や、面白おかしいエピソードとかを描いた作品があってもいいのになぁと思います。

このコミックは二巻が出るようなので
とても楽しみです♪

原作の連載先のサイトについては
下記のツイートをご参照ください
(読み上げユーザーさんへ、ツイッターで画像を見るを二回くりかえしたとに、ツイートの本文が始まります)