方言①「名古屋弁」 次回は「阿波弁」です
sphereのライヴ、先日は愛知公演でしたね。
行かれた皆様お疲れさまでした。
また、sphereの皆様もお疲れさまでした。
で、話題に上げるのは「方言」。
ワタクシの出身地、山口にも方言が存在します。
ですが、今回はsphereのメンバーに合わせて、
豊崎さんの出身・徳島と、戸松さんの出身・愛知について。
まずは愛知県。
愛知には、〝名古屋弁〟があります。
狭義として「名古屋市周辺での方言」、広義として「尾張弁」、「知多弁」を含むとされます。
ただし、「尾張」と「名古屋」はあまり変わらないが、名古屋弁とは若干の違いがあるといいます。これは名古屋が大都市であるという地域性により変化してきたものであるとされるそうです。
たしかに、大都市では言葉が徐々に変わっていきますよね。
ちなみに、愛知県東部地方では〝三河弁〟が使用されるようです。三河はアクセント・表現ともに異なる点が多いようです。
ですが、ここでは、名古屋弁。文化としては江戸時代に当時の新興都市である名古屋なり江戸なりで全国から流入した住民の方言が混交して成立したという東京弁と似た感じだそうな。
「ねこがにゃあとにゃあた(猫がにゃあと鳴いた)」という文では一つ目と二つ目の「にゃあ」は表記は同じでも別の音である。前者は共通語の「にゃあ」と同じであり、後者は「ねえ」と「なあ」の中間。
文字にするとわからんね(笑)。
【文法】
名古屋弁① 「がや」
(1)驚きを表す。独り言に近い。
(1a)眼前の状況に対して。
〔例〕雪が降っとるがや(雪が降っていることに対する驚きの表現)
(1b)何かをひらめいたり思い出したりしたとき。
〔例〕いかんいかん、忘れとったがや。
(2)聞き手の行動・能力・知識に対する驚きを表す。相手に聞かす意図があり、独り言ではない。
(2a)聞き手の有能さに感心したときに言う。
〔例〕すごいがや(すごいね、そんなこともできるんだ)
(2b)聞き手の無知・無能に対する驚き。こんなことも知らない(または分からない、できない、しようとしない)のかという驚きとともに物を言うときに使う。言外に認識・行動を改めろと命令する含意がある。
〔例〕ほんなもんいかんに決まっとるがや(駄目であることを相手が知らない様子なのに驚くと同時に常識だから覚えておけと命令する含意がある)
(3)〔誤用〕メディアでは単に名古屋弁ぽくするために使われることがある。
〔例〕名古屋だがや。
(3)に関しては、よく言われますね。「なんでもかんでも〝がや〟をつければいいもんではない。」って。
ちなみに、マスメディアで「ぎゃあ」も(3)の意味でつかわれるらしいですが、地元ではふざけて「変な名古屋弁」を使うとき以外には使わないようです。
名古屋弁② 「かや」「けぁも」「けゃあも」
「かいもし」の転訛。「かい」は疑問、「もし」は相手への呼びかけであるため、確認のニュアンスが込められる。
(1)疑いを持った驚きを表す。
〔例〕ほんとかや。
(2)朗報に接した場合の驚きを表す場合には「きゃあ」に変化する。
〔例〕(孫が大学受験に合格した報せを聞いて)そうけゃあ。よかったなも。
名古屋弁③ 「(か)しゃん」「(か)しらん」
(1)~だろうか。共通語の「~かしら」と同じ起源と思われるが、女性語ではない。
〔例〕これでええかしゃん(これでいいだろうか)
(2)自信のない部分をぼかす表現。
〔例〕何だしゃん言っとった(よく聞こえなかったけど何か言っていた) ※「か」を略するかどうかは単に話者の癖による。前の語が動詞・形容詞ならばそのまま「か」が抜けるだけだが、前が名詞・形容動詞ならば「か」の代わりに「だ」を入れなければならない。すなわち、「行くかしらん」「行くしらん」「○○かしらん」「○○だしらん」とは言えるが、「○○しらん」とは言えない。
【語彙】
①「えらい」
(1)疲労や病気で体に倦怠感がある。
(2)疲労が予想されるほどの重労働である。 主に体調の悪化の表現、自他へのねぎらいとして(例:えらかったねぇ)(山口弁でも同意義。)
②「きんとき」
イラガの幼虫。子どものうちはこれが方言ということ気づかない人が多い。
③「ケッタ」「ケッタマシン」
「自転車」のこと。後者は正式名称。原付とは違い、自転車に対しての名称。「ケッタマシーン」という人はエセの可能性有り。
④「こそばいい」「こそばゆい」
「くすぐったい」。・・・あれ?山口でも使っていた気がする。
⑤「こわす」
共通語の「壊す」の意味の他に「小額紙幣や貨幣に両替する」の意味がある。
⑥「たあけらしい」
馬鹿馬鹿しい。意味がない。
⑦「たあけ」「たわけ」
愚か者。「名古屋の熱血おばちゃん」ことカウンセラーの長田百合子(おさだ ゆりこ)さんがカウンセリングの際に引きこもりの少年に罵倒したことで、全国的に認知されるようになった。
⑧「でら」「どえらい」
「でら」は「どえらい」の略。「どえらい」と違って形容詞としての用法はなく副詞のみ。「どら」「でれ」と言う人もいる。〔例〕でら高い(とても高い)。『でぇりゃぁ』とも言う。 ・・・・この言葉はMay'nさんのブログにちょくちょく出てきますね
「どえらい」はすごい、すごく。「どえれぁ」と発音する人もいる。
⑨「どべ」
最下位、ビリ。親しみを込める場合や、年少の人に対して言うときは『どべちん』とも言う。
⑩「とろくさい」
(1)要領が悪い。
(2)馬鹿馬鹿しい、ふざけた。
⑪「名○○」
名古屋○○という意味合いを持っている。
(1)名駅(めいえき)・・・名古屋駅
(2)名大(めいだい)・・・名古屋大学。全国的には「明治大学」だが、名古屋弁地域では「明治大学」を「めいじ」と呼ぶらしい
(3)名鉄(めいてつ)・・・名古屋鉄道
May'nさんや平野綾さん、戸松遥さんなどが愛知出身ですね。
愛知の皆さん、間違っていたら教えてくださいね。