レッテル貼りに御用心  | 始まりはアドラー心理学

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より、楽しい日々を送るために、
より、ハッピーな人生を過ごすためには、
どうすればいいのでしょうか?
そのための方法論や実践論を考えています。
ちょっと難しい内容かも知れませんが、
みなさんのお役に立てるような情報を伝えていきたいと思います。

レッテル貼りという言葉は、皆さんも御存知だと思います。
簡単にいえば、物事を1つの型に填めて、
全体を一括りに判断するという事です。
例えば、他人に対して「真面目」、「几帳面」、「普通」、
「良い人」などと表するのも、レッテル貼りの内に入ります。
これらのワードは、皆さんも普通に使ってますよね??
従って、誰もががレッテル貼りの常習犯といえます。
また、自身も知らず知らずで、
他人から無数のレッテルを貼られている訳ですふせん

特定の人や物などに対して評価や判断をする時、

これらを他者に伝える時など、
レッテル貼りは実に便利な手段となります。
例えば、風変わりな印象の中年男性に対して、

「変なオジサンw」とレッテルを貼れば、
他人にとって実に解りやすくなるでしょう。
しかし、実際に会って見ると、
以外にもマナーや良識を弁えた紳士だった、
…なんていう事がよくあります紳士
また、既に挙げた「真面目」といわれる人物が、
実は女癖が悪く、浮気の常習犯だったりする例も、少なくありません。

そもそも、物事を白と黒で割り切る事など不可能です無理
個々の物事や人物は様々な要素の集合体であり、
たった1つのレッテルで判断出来るほど、単純ではありません。
そんな不可能な手法に頼ってばかりでは、
世の中は、まさに誤解や偏見だらけになってしまうでしょう。
いや、実際そうなっていますねあせる

レッテル貼りが偏見の温床になる事は、
誰でも気付いていると思います。
ならば、人々がレッテルを貼ったり、
それを当てにするのは、どうして何でしょうか??
ズバリ、考えるのが面倒くさいからですメンドイ
レッテル貼りは、心理学でいえば、判断ヒューリスティック
…という認知バイアスに当たります。
物事を型に填めて考えようとする心理傾向を表しますが、
恐らく該当しない人はいないでしょう。
ヒューリスティックとは、
深く考えずに解ったつもりになる状態を表します。
人間にとって「解ったうれしい」と思う事は大きな快楽です。
この快楽には依存性があります。
こうなると、ただ快楽を得るためだけを目的にして、
物事を何でも強引に解ったと思い込むようになるのです。
そんな人間にとって、レッテルは格好なツールとなります。
レッテルという型に填めて「解ったつもりにっこり」になれば、
いちいち頭を使って考える必要もなく、
簡単お手軽に快楽を味わう事が出来るのです。
これは、無意識で行われている事なので、
我々には気付きません。
気付かなければ、いつまでもレッテルに頼り続ける事になり、
何も考えずに決め付ける習慣が根付いてしまうでしょうガーン
このように何でも手軽に決め付けていると、
あたかも自身の判断力が優れていると勘違いするようになります。
実は短絡的な直感や思い付きに過ぎないのに
あたかも考えているかのように錯覚し、
自身の判断に絶対的な信頼を持つようになるのです。
これは、脳の健康(認知力)という面から見ても、
かなりヤバい状態といえますモヤ

人間は、物事に対して一度「解ったうれしい」と判断すると、
それに関しては二度と何も考えなくなります。
解った事による快楽で満足していまい、
「知りたい」という意欲が減退するのです。
しっかり考えた後ならば、それで良いでしょう。
しかし、レッテル貼りに頼ってしまうと
自身の頭では何も考えずに解った事になってしまいます。
解れば、その先も考える必要はありません。
考える必要がなければ、
何かを調べる事も、他人の意見を聞く事も
全てが無意味になってしまうでしょう。
まさに、思考停止というしかありませんねもやもや
何とも怖い話です。

例えば、自身に対して「ダメ人間ダメダメ」とレッテルを貼ったら、
どうなるでしょうか??
そう決め付けてしまえば、何をやるにも意欲が湧かず、
何も出来ない人間になってしまいます悲しい
つまり、これぞ本当のダメ人間ですべー
実際には、「何もしたくないぶー」という怠惰な願望を果たすため、
故意に自分をダメ扱いするケースもあります。
「どうせダメ人間だしえー」と思い込めば、
それを口実にダラダラ出来るからです。
これは半ば無意識にやってる事なので、
ほとんど本人に自覚はありません。
つまり、自ら無意識にレッテルを貼り、
自分を騙しながら自身に利益をもたらしている訳です。
この自身に対する無意識のレッテル貼りは、誰にでも起こり得るので
よくよく気を付けなくてはなりません。

もし、自分をダメと思っている方がおられるならば、
それが何の根拠もない妄想である事を以下に述べて置きます。
現実に、ダメな人間など、この世界には一人もいません。
個人には多種多様な特性があり、
誰だって平均以上の資質や能力が大量にあるのです。
それは、自身が自分を客観的に見て考えれば、いくらでも出てきます。
同様に、世間で「役立たずむっ」、「使えない奴静怒」、
…などといわれる人物であっても、良い部分は色々とあるのです。
そんな隠れた真実は、愚かなレッテル貼りによって
何も見えなくなってしまいます闇
よって、本当にレッテルが貼られているのは、
人物や物ではなく、むしろ自身の目といえるかも知れません。

レッテル貼りは、その影響が集団に及んだ時に
極めて大きな障害を招きます。
得てして、他人に対して貼られるレッテルは、酷いものばかりです。
中でも、「嘘吐き」、「エゴイスト」、
「犯罪者」、「精神異常者」などのワードは、
場合によっては名誉毀損にも成り兼ねませんNG
本当に嘘ばかりの人物であれば、
嘘吐きや詐欺師のレッテルを貼ってもいいでしょう。 
それが人々に害を加えるような存在であれば、
解りやすいようにラベリングするのは、社会のためになりますOK
怖いのは、特に落ち度のない人、何も悪くない人、
または、人々に有益な真実や価値観などに貼られるレッテルです。
レッテルを巧妙に貼れば、「善」を「悪」に、
「真実」を「嘘」に変えてしまう事も難しくありません。
これは、実に恐るべき事なのですこわい
もし、誰かが重大な真実を伝えても、
大衆から「嘘吐き」のレッテルを貼られたら
いとも簡単に葬り去られてしまいますちーん・・・
せっかく現れた大衆のヒーローを、

大衆そのものが潰してしまうのです団体煙

レッテル貼りは、特定の人物や団体を失脚させる際、
極めて手軽で便利な手法となるので、社会で広く利用されています。
中でも、政治家や起業家、芸能人などは格好の標的です。
実際には何の問題もない好人物であっても、
「バカ」、「国賊」、「偽善者」などとレッテルを貼るだけで、
世間の評判は確実に悪くなりますさげ
世の中には他人をディスりたい人間が山ほどいるので、
彼らを利用すれば、特定の個人を貶めるのは至って容易なのです。

現在、「嘘吐き」、「インチキ」、「精神異常」、「カルト」、
「陰謀論」などといわれている人物や組織が、
不当なレッテルを貼られている可能性も大いに有り得ます。
例えば、モリカケ問題で10ヶ月も収監された籠池夫妻は、
政権側に「詐欺師むっ」といわれていましたが、
それがレッテル貼りの可能性は極めて高いと思われます。
また、政権を支持する人々が、事件の詳細を伝えた新聞記事を
「捏造」、「陰謀論」といって批判していましたが、これも同様です。
個人的には、政権側の責任逃れにしか見えません。
何せ、モリカケ問題では、

既に5人の関係者が不審死(自殺)を遂げています衝撃
この辺りからも、何かしら裏で大きな力が働いている可能性は
けして否定出来ないでしょう。
よくよく籠池氏や役所の職員らの主張を聞くと、
嘘を吐いて政権を貶めているのではなく、
単なる内部告発にしか見えません。
これは、組織の不正(パワハラ)が暴露される様子によく似ています。
つまり、日産のカルロス・ゴーン会長、
ボクシングの山根会長らの告発と同じですゴーン

もし、自身が陰で為した悪事や犯罪を暴露された場合、
当人側は必死になって逃れようとするはずです。
明らかな証拠がない状況であれば、
追及する側に「嘘吐き」、「インチキ」、「頭おかしい」、
「陰謀論」などというレッテル貼りをすれば、
かなりの効果が見込めるでしょう。
それを、テレビが大々的に扱い、
権威ある人物が真剣に訴えれば、集団は簡単に従いますTV団体
もし、その犯罪内容や犯人像が
我々のイメージから大きく掛け離れていれば、
世間は「有り得ないふ」というでしょう。
もし、容疑者が「真面目で誠実な人格者良
というレッテルを貼られた人物であれば、
周囲は「あの人が犯人な訳がないむむ」と考えるはずです。
また、追及される悪事が尋常成らざる凶悪なものだとすれば、
多くの人が「有り得ない苦笑」、「そんな事する訳ないだろこなた?」、
などといって真に受けないはずなのです。

ちなみに陰謀論という言葉は、アメリカの諜報機関CIAが
政府にとって都合の悪い真実から大衆の目を反らす目的で作った
造語である事が明らかになっています。
そもそもの発端は、ケネディ大統領暗殺事件です。
巷では、政府が発表したオズワルドによる単独犯行ではなく、
国家権力によって秘密裏に暗殺されたという説が
今も大きな支持を受けています。
この「国家権力犯行説」に対して貼られたのが

「陰謀論」というレッテルの第一号なのです。
この時、陰謀論のレッテルを拡散したのはメディアでした新聞TV
従って、ケネディを殺したのは、政府機関や検察や司法、
メディアに対して大きな影響力を持つ連中である事が解ります。
大統領を殺して、その罪を揉み消す事が出来るなど、
どこの何様でしょうか??
「そんなバカな事がある訳ない静怒うーん」と思う人も少なくないはずです。
「どうせ、世間を騒がせたいバカの戯言だろふふん」、
…という人もいるでしょうね。
つまり、それが狙いなのです。
だからこそ、「陰謀論」というレッテルが作られた訳です。

今も、世の中には「陰謀論」とレッテルを貼られている情報が
山のようにあります。
「荒唐無稽」、「頭おかしい」、「何の根拠もない」、
…などのワードを付け加えたら、多くの人は
「信用するに値しないんー」、「見るまでもないふっ」と思い、
その場で全否定して終わりにしてしまうでしょう。
つまり、「解ったつもり」からの思考停止ですね。
それが本当に根も葉もない「陰謀論」であれば問題ないのですが、
もし、我々にとって重大な真実を伝えているものだったとすれば、
とてつもなく大きな損失に成り得ますやじるし

皆さんもレッテル貼りには気を付けてください。
レッテル貼りは、嘘を真実に思わせる目的、
また真実を嘘にして葬る目的で多く利用されます。
大概、レッテル貼りには明確な根拠がありません。
ただ、レッテルが持つイメージだけがクローズアップされ、
何の理由もなく一方的に断定されているだけの事が多いのです。
特に、レッテルばかりで構成されている情報には注意してください。
例えば、「あいつはバカで無能で何考えてるか解らないバカ」、
「極めて短絡的で常識外れで理解に苦しむ謎。」、
などという発言を聞いたら、簡単には信じない事です。
大体、頭ごなしに全否定するような発言をする時点で、
短絡的に物事を決め付けている事がよく解るでしょう。
また、このように強く批難するのは、
何か人に知られたくない真実があるからかも知れません。

以上は、他人や媒体から情報を得る際だけではなく、
お金を遣う時にも必要な視点となります。
特に商品に貼ってあるラベルや広告に記載されている文言などは、
まさにレッテル貼りの典型といえるものですはがき
例えば、「安い」、「お得」、「大人気」、「売れてます」、
…など様々ありますね。
これらを安易に信用すると、紛い物を掴まされたり、
要らない物を無駄に買ってしまうなど、
後で悔しい目に遭うかも知れません汗

社会には、レッテル貼り以外にも
気を付けるべき騙しの手法が色々と潜んでいます。
これらについては、他のテーマにて再び考えてみたいと思いますペン