思考盗聴
思考盗聴は、科学技術としては可能です。
第1段階として、リモートセンシング技術を応用して、離れた場所から脳波を計測します。
実はレーダー技術の応用ですね。離れた場所から脳波を計測するレーダー技術は、下記の特許文献に記述されています。
出願人: 東芝
発明の名称:脳内神経活動検出装置
出願番号: 特願2006-18634
公開番号: 特開2007-195779
出願日: 2006年1月27日
公開日: 2007年8月9日
東芝の装置は既存の装置の改良であり、改良前の装置は1970年代に既に開発されています。そもそもレーダーは軍事利用が著しい分野であり、1970年代の文献であっても、30年前後経過後に公表された可能性がつきまといます。
第2段階として、人工知能を使って脳波を解析して、思考を解読します。
スタンフォード大学グループは、脳波を計測して思考を解読しているのですが、論文を発表して既に20年近くが経過しています(文献1、2)。
現在、ブレイン・マシン・インターフェースという分野に発展しています。ところが、スタンフォード大学グループは、企業より遥かに遅れているのです。実は、NTTは人工知能を使って、脳波から思考を解読する技術について特許を取得しています。具体的には下記の通りです。
脳波トポグラフィーによる音節認識装置
出願人: 日本電信電話(NTT)
特許番号: 特許2515875号
登録日: 1996年4月30日
NTT特許に使われている人工知能は多層ニューラルネットワークであり、別名、パーセプトロンともいいます。
この人工知能は、入力層、中間層、出力層の3層構造であり、入力層は25ユニット、中間層は10ユニット、出力層は2ユニットになります。個々のユニットが人工ニューロンであり、人間の神経細胞がモデルになっています。
NTTと異なって、スタンフォード大学グループでは、多層ニューラルネットワークは使っていませんから、解読の精度は落ちるでしょうね。
ブレイン・マシン・インターフェースでは、企業が大学の研究を遥かに凌駕します。
毎年、5兆円も防衛予算があると、高価なレーダーも、高価な人工知能も購入できますし、
防衛秘密に指定することができます。上記の思考盗聴器は、レーダー技術で脳波を計測しています。
ところが、レーダー、特に軍用レーダーに使われている電波を検出するのは、極めて難しく、
暗号解読が必須となります。即ち、暗号が分からないときには、電波の検出もできないのです。
一部の業者が、電波の計測機器を被害者に販売していますが、このような計測機器で探知できるものではありません。例えば、AM放送していると分かっていると、AM変調に対応した受信機で受信して、放送が聞けますよね。軍用レーダーに対応した受信機がない限り、電波の検出すら不可能です。
文献
Proceedings of the National Academy ofSciences
December 23, 1997, vol. 94 no.26,14965-14969
Proceedings of the National Academy ofSciences
December 22, 1998, vol. 95 no.26,15861-15866
脚注
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