日本サッカー"だけ"が抱える致命的な欠点が存在する《1/3》 | Jリーグを観に行こう!

日本サッカー"だけ"が抱える致命的な欠点が存在する《1/3》

日本サッカーがなぜ世界との差があるのか。

それはいろいろ言われていますが、これを解決しないことには始まりません。

逆説でいえば、これさえできれば日本サッカーは間違いなくワンランクアップする。
これが実現すれば、世界トップクラスにはなる。そんなことが実はあるのです。

それができれば、育成の下手さも、指導者のレベルも、審判のレベルも、ファンのレベルも、選手のレベルも
個の能力の育成も、勝負強い選手の育成も、フィジカルも、FWの決定力までも
今より格段にレベルアップするでしょう。


それは「あなたが、試合(公式戦)に出られる環境」です。


日本でスポーツ・部活動を経験された方ならわかるはずです。

控え・補欠だった経験がみなさんありますよね。

当然ながらそれだと試合に出られない。

部活3年目でやっと試合に出れる、こういう方が非常に多いと思います。

育成年代以外では、社会人などは自らチームを選ぶので、そこまで補欠だという問題は多くありませんが。


しかし、それは「日本だけ」だというのをご存知でしたか?


日本サッカーだけが、抱える致命的な欠点。

それは、『控え・補欠の異常な多さ』です。


日本サッカーの控えの割合は、確かなデータソースがないので、正確な数字はわかりませんが
おそらく、約70%~約80%ぐらいだろうと思われます。

部活の3年間で、基本的に試合に出る選手は、3年生。チームによって編成は様々でしょうが
そう考えると、単純計算で大体試合に出ているのは3分の1=約33~34%
つまりその他約66~67%は、控えで試合経験がない人ばかり。
さらに選手の数が多い強豪校となれば、ベンチにも入れないのは普通ですので、さらに控えの%は増加するでしょう。
ですので、日本の控えの割合70%~80%というのはそこまで外れていないと思われます。

ちなみに、セルジオ越後さんによれば、日本は控え人口が8割だと発言していました。


一方、サッカー強豪国である例えばスペインの場合1チームの人数は大体18人ぐらいで最大でも20人超ぐらいのようです。
それ以上だと2チームに分けるそうです。

つまり、スペインには部活はないのでクラブですがクラブに、

30人以上いれば、15人で2チームに分けこの2チームが、公式戦に参加します。
結果、多くの選手の試合出場のチャンスを得られ、多くの実戦を通して成長していくようです。

ちなみに、スペインは、控え人口が約20%~約25%だそうです。

日本70%スペイン20%。控えの割合がこんなに違うわけです。


日本でも練習試合などで実戦経験が、あると思われるかもしれませんが
スペインは、練習試合+公式戦リーグにBチーム(2軍)・Cチーム(3軍)・・が試合に出ているわけです。
さらにトーナメント主体の日本とは違いリーグ戦主体なので、チームが弱小でも

ある一定の試合数が確保されているということになります。

また怪我やコンディションなど1年間無事にメンバーを固定できるわけは当然ないので、

その中のさらに控えの人でも、途中出場も含めれば実戦の機会はやってきます。

つまり、日本のように2年・3年どころか、1年間一度も試合に出られないということすらないのです


そして、FIFAの統計で登録選手人口を見てみますと
日本はサッカー人口が、104万5150人。 スペインは65万3190人となっています。
一般の社会人のデータも入ってるので、あくまで参考データに過ぎませんが

こちらのデータを参考に、試合に出ている人の人口(非控え人口)を比較しますと
(日本は30%・スペインは80%で計算)


試合に出てプレーしている選手の人口比較

※日本    約31万人

※スペイン  約52万人


となります。もうお分かりだと思います。

日本は競技人口において約40万人もの差があるスペインに対して

肝心の実際にプレーしている非控え人口では逆に約20万人も差をつけられ逆転されているわけです。


先ほども言ったように、社会人のデータが入ってるので、正確なデータではないんですが
非控え人口では、日本の方が少ないのは事実のようです。


結論から言って、これがそのまま日本と世界との差に直結しています。

競技人口を他国と比べて、「日本はもっと強くていいんじゃないか?」と思うことがあると思います。

他のスポーツでも同じようなことが言われていますが。

実際日本は競技人口でみれば十分世界のトップレベルです。(世界で8位ぐらい)

競技人口の割にという話の要因としては、実はこういう環境の違いがあるわけです。


◇競技人口とその国の強さにはやはり関係があります。

※話が脱線するので、それについての詳しい説明は記事本文最後の※欄に書きました。


スペインだけの話をしていたので世界の話をしますと

欧州は年齢別+チーム数で分けているところが多く、多くの人がサッカーを試合を通して親しめます。
さらにリーグ戦で平日に練習→週末の試合という文化が定着しています。
南米の場合は、地元クラブチームが下部組織に資金を投入しておりそこで、細かくチームを分けて強化をしていたり
そのほか無数に草サッカーチームが存在するので、そこで試合経験を積んだりしています。
そこで名を売れば地元のプロクラブチーム下部組織にスカウトもしくはテスト合格というルートがあります。

南米においては、非登録選手層であっても試合経験は養われやすい環境です。

貧困国では、こういう形が多いみたいです。


このように

日本のような補欠制度は、当たり前ではありません。

誰もが試合に参加できることが日本以外では当たり前なのです。


実力不足の選手への扱いは↓の様に違います。

日本

実力の劣るもの=試合に参加できない

世界

実力の劣るもの=レベルの低い試合に参加を強いられる


実力がないから、全く試合に参加できないというのはおかしな話で。

試合に参加するのはサッカーをする者に当然保証されるべき権利だともいえるでしょう。


長いので今回はこの辺にします。

今回はいかに、日本は世界と「あなたが試合に参加する環境」において違うかについて説明しましたが。

次回は肝心の、「なぜこの補欠問題が、世界との差に関係するのか」を説明します。

↓次回記事

日本サッカー"だけ"が抱える致命的な欠点が存在する《2/3》




※競技人口と強さについて


競技人口で、その国の強さがすぐに決まるわけではありませんが

影響がないというわけでは当然ありませんし、むしろ影響は少なからずあります。


実際にW杯優勝経験国で、100万人以下の競技人口(登録人口)はアルゼンチンとウルグアイだけです。

アルゼンチンは、登録人口こそ少ないんですが、非登録プレイヤー人口も合わせたて総競技人口では、

登録人口114万であるオランダよりも多いです。これは本文の例スペインも同じです(ソースはFIFA発表公式データ)

南米には独自のストリートサッカー文化があります。

ウルグアイは、こういってはなんですが優勝したのは大分昔ですし

今ウルグアイが強豪国の一角だと思ってる方は非常に少ないでしょう。


このように、世界で一番人気のあるスポーツであるサッカーのW杯で

優勝するような強豪国ではかならず、世界トップレベルの競技人口を持ち合わせています。

ですが競技人口が多いと、強豪国になれるかというと全くそうではありません。

アメリカや南アフリカそして日本が競技人口では、世界トップクラスではあるが強豪国ではないように。

それ+環境や国としてのサッカーへの本気度があってこそ、その競技人口の利点は生かされます。


サッカーでは、どこの国でもサッカーが一番人気であることが多くどこも本気なので

それ以外の差として、競技人口と環境が差を分けるわけです。


この3国でみれば、アメリカは本気度が足りず、南アフリカは環境と本気度、日本は環境と本気度に問題があります。

それにアメリカは競技人口が多いといっても、五輪から見る世界各国のスポーツ事情 でも説明しましたが

部活はシーズン制でかけ持ちが当たり前なので、その中で足腰が鍛えられるサッカーは非常に人気があるという側面があると思います。

つまりオフシーズンにサッカーをやってる人が多いのではないかと。

他にも年齢が子供に偏っていたり、女子では世界最強国ですから。