知ってる、知ってる。こんなことを書くと「公務員乙!」って言われることくらいさ
 
 

まぁでも仕方ないじゃない、正しいことは言わなきゃね
 
 
 
世の中には「公務員は悪い奴らだ」「いくら叩いてもいい」「公務員の給与は高すぎる」「税金で飯食ってるくせに偉そうにするな」などという人がいる
 
 
 
別に叩くのは構わない、ぼくも財務官僚とかボロクソに叩くし、地方公務員だってクソみたいなとこは多々ある。ただ、事実と異なる内容や、デタラメな意見で叩くのは違うだろうとも思うわけ
 
 
 
今回はそんな話
 
 
 

・公務員給与は高すぎる?
 
 

日本の公務員給与は世界一で高すぎる!と言われることがある。「公務員給与 世界一」とでも検索したらいっぱい出てくる
 

*わかりやすく表にするこんな感じ
 
 
えっ?高すぎ!」と思った人、あなたは脳みそが足りないから中学校から出直して来なさい
 
「えっ?データおかしくない?」と思った人、あなたは正しいので読み進めよう
 
 
 
いやいや、まず直感として「そこらの公務員が年収900万もあるか?」とか「他国と比較していくらなんでも乖離しすぎでは?」と思わなきゃダメよ。いくらなんでもこの数字は無理があるじゃん
 
 
年収900って単純計算したら月給75万だよ?そんなもらってるわけないじゃん。総務省が出している29年度データでは、地方公務員の平均給与月額は手当こみで363.5万円、国家公務員のそれは410.7万になってるし、東京都ですら30年度大卒新任の初任給は(地域手当こみで)月額21.9万円(年約264万)だから、平均900万なんてデタラメであることがわかる
 
 
そもそもこのデータは出典が、転職サイトがいきなりぶちあげた根拠なしの数字で、しかも現在は元記事が消されていて出典不明となっているものだ。各国の公務員平均給与は公開されてない情報が多く、正確な比較はそもそもできない。OECDでもデータを持ってないのに、なんでどこかの転職サイトさんはすんなり数字を持ち出せるのか?
 
 
要するに、この数字は完全なデマということがわかる。公務員を叩きたいからってバレバレの捏造データを使い続けるのは卑怯者のすることだし、そんなやつに統計や財政を語る資格なんてあろうはずもないよね
 
 
じゃあ正確な数字はどのへんか?というと、これは拾いものなんだけど、2012年度の人事院で海外比較をやった際の数字でアメリカやドイツの約6割という数字が出ている。ちなみに人口あたりの公務員数も先進国で最低数。「公務員数は多すぎる!」なんて言ってる人がいっぱいるけど、完全にデマに騙された可哀想な人だ
 

*社会実録データ図録さんから画像を拝借したが、これはOECDデータを基にしているので正確なもの。給与額は一人当たりではないので公務員数の多い北欧などはGDPに占める公務員給与額が増える。イメージとしては中央の斜めの直線より上に点があれば「先進国としては高めの公務員給与」で、下なら逆だと考えていい
 
 
こう言うと「それでも民間平均より公務員給与はずっと高い!」って粘る人がいるんだけどこれにもカラクリがある。民間企業平均はアルバイトやパートを含むけど、扶養条件のために年間130万円以下に抑えている人たちがいっぱいいる。その人たちが平均を大きく下げている一方で、公務員のデータは正規雇用しか含まない。これでは公務員の平均給与が大きくみえるのは当たり前すぎるよね
 
 
正規雇用のみを比較した人事院のデータをみればむしろ、公務員給与は民間平均を常に下回っている
 

 
というか、知らない人も多いけど公務員給与は民間平均を基準に、それに連動して高くも低くもないように設定される仕組みがあるので、民間平均に近くなるのは当たり前のこと
 
 
 
 
 
というわけで、日本に蔓延っている
 
「公務員は給与がすごく高い」
「公務員は民間よりはるかにもらっている」
「公務員の数が多すぎる」
 
がデタラメであることがわかったので、今後も公務員を叩きたい皆さんは、これらを理由に使わないようにしましょう。デタラメを前提にするのは卑怯だし、なにより頭が悪くみえるからね