僕の希望:エイズ末期の少年のスピーチ | ♥つゆ子のReal Africa Life♥

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TCE(Total Control of Epidemic/HIV・AIDSの啓発活動 in Africa)の活動を通して得た経験、感じた事、人との出会いを記していきたいと思います^^*



こんにちは、つゆ子です^^*

今日は、2000年に南アフリカのダーバンで行われた国際エイズ会議の開会セレモニーで、当時11歳の男の子が行ったスピーチを紹介したいと思います。







僕の希望

こんにちは。僕の名前はンコシ・ジョンソンです。僕は11歳で、末期のエイズ患者です。2歳の頃、HIVに感染した人々やエイズ患者の為のケア・センターで暮らし始めました。お母さんは、僕らがHIVに感染している事が知られて、住んでいる地域から追い出される事を、とても恐れていました。お母さんは僕が小学校に入学する前に死んでしまいました。お母さんの事がとても恋しいです。

 僕は、とっても体の調子が悪い時や、エイズの赤ちゃんや子供達の事を考える時、自分がエイズ患者である事がとても嫌になる事があります。政府は、妊娠しているHIV感染者のお母さん達が赤ちゃんにエイズウイルスを感染しないようにする為の薬をお母さん達にあげれば良いのにと思います。赤ちゃんはあっと言う間に死んでしまいます。お母さんに見捨てられて、僕達と一緒に暮らしていたミッキーという赤ちゃんがいました。彼はある日、息が出来なくなり、食べる事も出来なくなってしまい、病院に行く前に死んでしまいました。ミッキーは、とっても小さく可愛い赤ちゃんでした。もう赤ちゃんたちに死んで欲しくない。だから政府は薬をあげるべきだと思います。

 お母さんと赤ちゃんが愛情に包まれて、一緒に暮らす事が出来たら、お母さん達ももっと長生き出来ると僕は思っています。

 僕が大人になったら、世界中のもっともっと多くの人達に、エイズの真実について伝えたいと思っています。世界中の人達がエイズを予防出来るようになり、HIVと共に生きる人々やエイズ患者に対しても敬意を持って接して欲しいと思っています。HIVに感染している人に触れても、抱きしめても、キスしても、手を握っても感染しないのですから。

 僕たちの事をもっと愛して、そして受け入れて下さい。

 僕たちも普通の人間で、手もあり、足もあり、歩くことだって、話すことだって出来るし、みなさんと同じように欲しいものだってあるんです。僕たちの事を怖がらないでほしい。 僕たちもみんな同じ人間だから。

ンコシ・ジョンソン





このスピーチは、彼が行ったスピーチの抜粋です。

私が日頃HIV/AIDSについて勉強する時に使用している本に載せられていたものです。


初めてこのスピーチを読んだ時、涙が止まらなくなりました。

HIV/AIDSに対する子供の素直な気持ちがこのスピーチには詰まっていて、心を完全に掴まれたからです。


彼は、母子感染でHIVに感染していたので、生まれた時にはすでにHIV患者でした。

HIV/AIDSの偏見や誤解に立ち向かうために、彼は幼いころから様々なイベントでスピーチを行い、世界最年少のHIV/AIDS活動家として知られていました。

彼はこのスピーチを行った数カ月後に、12歳で亡くなりました。


彼の生まれ年は1989年。私とほぼ同世代です。

私が小学校に通い、好き勝手に生きていた時に、すでに彼はHIV/AIDS患者の生活をよりよくするために活動を行っていました。


国際会議で素晴らしスピーチを行い、世界的に有名になった彼にはさまざまな講演依頼が舞い込んできました。体調がすぐれないにも関わらず、アメリカに遠征し、講演会をこなしていたようです。本当に素晴らしい事だと思います。


生まれながらにHIVを持っていた子供で12歳まで生きた事は、(現在の記録では分かりませんが)当時では世界最高齢だったようです。




私はこの彼の想いや活動を知ってもらうために、このスピーチを(私が現在現地の中学生の為に作成している)教科書に掲載しようと思っています。


教科書の最初の方にこのスピーチを掲載することで、中学生の心を掴めるのではないかと思うからです。



また良いスピーチや記事を発見したら掲載します!!



Beijo


♥Tsuyuko♥