以前、中室先生の「学力の経済学」で読んだ話。
とある大学の入試において、ギリギリ合格した学生と、ギリギリ不合格だった学生について、将来の年収を調べたところ、ほとんど差が見られなかったということです。つまり、図示するとこういうことになります。
一方、大学別の卒業生の年収を比べると、やはり偏差値の高い大学の方が総じて年収が高く、はっきりとした差があります。
これらを両方満たす考え方とは何か。こうなります。
何ということはない、合格不合格に関わらず、学力に応じて将来が変わる、というだけです。
大学ですらこの結果なので、高校ではもっとでしょう。
このことから、生徒たちに伝えたいことがたくさん引き出せます。
1.運悪く不合格になっても、ギリギリであれば、ちゃんとその勉強の成果は将来に役立つ。無駄ではない。
2.運良く合格しても、ギリギリであれば、将来的にはまったく油断できない。進学してからも気を抜かないこと。
3.勉強して合格圏に入ったところで勉強を止めてしまわないこと。ギリギリ合格ではなく余裕で合格を目指すこと。
4.どうせ不合格、という状態で勉強を諦めてしまわないこと。ギリギリ不合格まで持っていければそれだけで将来的には価値がある。
5.推薦などで合格が決まってしまった生徒は、ここで勉強を止めないこと。残りの期間でさらに上を目指すこと。
結局のところ、どの生徒であれ、結果を気にせず実力を上げることに集中しなさい。ということです。
将来的に価値があるのは、合格不合格という結果ではなく、どれだけ頑張れたか、学力を上げられたか、です。
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