カリ(コロンビア)~アルメニア~首都ボゴタ 2/23~3/1 452km | インベストメントライダーふるさんのブログ Investment rider Seiji Furuhashi travelling around the world by motorcycle

インベストメントライダーふるさんのブログ Investment rider Seiji Furuhashi travelling around the world by motorcycle

オートバイで世界を駆け回るインベストメントライダーを目指す個人投資家。
オートバイでのユーラシア大陸横断と南北アメリカ大陸縦断、アフリカ大陸とアラビア半島横断、東南アジア・インド・中近東を走行後、2024年4月オーストラリアツーリングのスタート。

2/23()カリ2泊目 市内観光

 

午前中ホテルから4km程離れた旧市街の中心地へウーバータクシーを利用して行った。ペルーのリマでもウーバータクシーを利用したが、通常のタクシーより料金が安い上、運転手の対応が良い。 日本ではウーバータクシーが解禁されていないようだが、解禁されれば既存のタクシーはサービス向上か料金値下げを余儀なくされるだろう。

 

この運転手からカリの市内ではヤマハの2サイクルエンジンを搭載したRXというオートバイを使ったひったくり強盗が多発していると聞く。「ヤマハのRXには注意せよ」が合言葉らしい。このオートバイ(日本ではかなり前のモデル)は小回りが利く上、速度が出ることに強盗が目を付け、利用していると言う。 

 

カリの旧市街は人口の割には小さい。また、歴史的建物が少ないような印象を受ける。ただ、街の中心を小川が流れ、公園として緑化されているあたりは、大都会にいながらにして、 落ち着いた感じを醸し出している。

(カリ市内の中心を流れる小川と公園)

 

(メインストリートに面するビルの壁の絵)

(比較的新しい教会)

 

街では黒人や褐色の肌の人々を多く見かける。ボリビア、ペルー、エクアドルに多いインディオ(原住民)の人たちはほとんど見かけない。亜熱帯のヤシの木の街路樹やバラエティーに富む人種の人たちを見ているとブラジルのサンパウロにいる感じだ。

 

投宿しているホテルの受付係をしている青年の出身の町、サンタンデール県のアラトカ(Alatoca)の図書館は日本の援助で建設されたという。この青年は親日的で当方の依頼には積極的に応じてくれた。 日本の対外援助に感謝したい。

 

コロンビアのファストフードは安くない。マクドナルドのハンバーガーは3,200ペソ(130円)、ビックマックは10,900ペソ(約440円)。 

 

労働者の賃金が日本の約1/61/5とするとハンバーガーは日本の600円程度、ビッグマックに至っては2,200円~2,600円程度と高価だ。実際大衆向けのレストランで8,000ペソ(約320円)~9,000ペソ(約360円)でしっかりした定食メニューが食べられる。

 

2/24() カリ~アルメニア(Armenia) 186km

 

カリからアルメニアへの道のりは山道を想定していたが、行程の7割は平坦な高速道路であった。 久しぶりに片側2車線の高速道路を時速100km以上で走行した。

 

重いオートバイだが、高速道路では威力を発揮する。コロンビアでは大型オートバイに乗っているライダーは見かけない。ほとんどが125ccクラスのオートバイだ。それでも二人乗りで高速道路をアクセル全開で疾走している。女性ライダーも多い。小型オートバイは身近な移動手段になっている。

 

カリの郊外から伸びる高速道路沿いには広大なサトウキビ畑が広がっていた。

刈り取ったサトウキビを運搬する長さ50m以上のトラックトレンを初めて見た。

トレーラーが5両連結されている。 これだけ広大なサトウキビ畑がある割には砂糖は主要輸出品目ではない。大量の砂糖がどこで消費されているのか不思議だ。

(サトウキビのプランテーション)

(サトウキビを運ぶ5両編成のトラックトレン)

 

道路脇のドライブインで休憩中にトヨタの旧式ランドクルーザーに乗った男が話しかけてきた。 大型オートバイが少ないので、大型オートバイでツーリングするライダーは目立つからである。大体の質問はオートバイの値段である。 ここでは大型オートバイの価格が日本の約23倍と言う。メーカーやモデルによっては乗用車以上の価格になるという。

 

アルメニア市は旧ソ連のアルメニアにちなんで命名したという。19世紀末にできた町のため、ほとんど歴史的な建物が無い。カテドラルも近代的デザインのコンクリート製である。

 

小ぎれいな店舗が並ぶショッピング街はあるものの、やはり歴史的建物がある旧市街地区が無いと観光客はやってこない。 観光客らしき人はあまり見かけない。

 

投宿はHotel Centenario(一泊58,500=約2,400円)

(アルメニア市内のボリーバル広場と三角屋根のカテドラル)

 

(写真では奇麗に見えるが、実際は雑然とした市内中央部)

 

2/25() アルメニア~首都ボゴタ(Bogota) 266km

 

夜間は雨が降ったが日の出とともに雨が止む。山間部の町のため朝は肌寒い。

アルメニアの町から20km程はワインディングの上り坂だ。片側1車線の道路だが首都ボゴタに通じる道路とあって、貨物を乗せた大型トレーラーが多い。

 

荷物満載の大型トレーラーは箱根へ登るような急こう配の坂では一速ギアでのろのろ運転で進む。後続車の乗用車やオートバイはじれったく思い、追い越し禁止区域ながら、対向車が途絶えると追い越しをかける。

 

当方も追い越しにすっかり慣れてしまった。どんどん追い越ししていると警察官数名が見張っている区間があった。 大型トラックを追い越した直後に警察官に停止を命じられた。

 

追い越し禁止区間で前の車を追い越したので罰金だという。オートバイをクレーン車に載せて、近隣の町まで持って行くという。 罰金の支払いが確認できたらオートバイを返却するというのだ。 罰金は80万ペソ(3.2万円)だ。 ただし5日以内に罰金を納めれば半額で済むという。

 

このような場合、当方はスペイン語を使わず(分からないことにして)英語でとおす。 警察官達が英語が判らない。20分位やり取りしたが話が前に進まない。警察官も手に余り、最後には外国人ということで罰金無しで放免してもらった。当初は警察官から賄賂を要求されるかと警戒したが、そのような要求や示唆は無かった。

(写真では分かりずらいが、勾配がある坂道)

 

(追い越し禁止で危うく罰金だった。目の前で追い越す車がいたが、警察は見逃していた)

 

(雲海の中にあるボゴタへ向かう2車線道路)

 

イバーゲ(Ibague)から首都のボゴタ(Bogota)までは片側2車線の高速道路だった。ただし最高速度は80kmだ。舗装面がでこぼこしている上、カーブもあるので時速100kmでは危険だと感じたが、多くの人は時速100km以上で走っていた。 

 

投宿はCasa Sole45,000コロンビアペソ=約1,800円)

 

 

2/26()ボゴタ2泊目 パナマへのバイク輸送の打ち合わせ

 

前日投宿先で知り合った当地のライダーから地元の貨物輸送専門の航空会社Girag Cargoがボゴタからパナマへバイク空輸を取扱っているの情報を得たので、朝一番にGirag Cargoへ電話問い合わせをした。 しかしながら、同社からはボゴターパナマ間のバイク輸送は行なっていないとの回答を得た。

 

いい加減な情報だった。情報も取捨選択しないと時間の無駄になる。

ボゴタからパナマへのオートバイの空輸について一年前からコンタクトをとっているAircargo Pack社の事務所へ打ち合わのため出かける。同社の事務所はボゴタのエル・ドラド空港の貨物ターミナルにある。

 

同社は貨物専用のジェット機でオートバイの空輸を取扱っている。空輸代金は1,100米ドル(約12万円)だ。暫定的に4日後の32日にオートバイをボゴタからパナマへ空輸する打ち合わせをする。

 

コロンビアとパナマは陸続きだが、道路が無い。 密輸業者やゲリラが通る獣道しかないという。 道路を建設する計画もあったが、巨額な資金が必要との理由で宙に浮いたままだ。一説によるとパナマ政府は道路建設には乗る気ではないようだ。麻薬密輸の通過道になることを懸念しているようだ。

 

コンテナーを借り切り船に載せてカリブ海に面したカルタヘナ港からパナマ港へ輸送する方法もあるが、一人でコンテナーを借り切ると空輸より費用が高くつく。

 

インターネットで当方のパナマ行の航空券を格安航空会社(Viva Colombia)のフライトで予約する。ペルーでもインターネットで予約する航空券の代金をクレジットカードで支払おうとしたが、日本のクレジットカードでは機能しなかった。

 

やはり、コロンビアでもインターネットで支払う場合には日本のクレジットカードでは機能しない。 仕方がないので、空港内の航空会社のチケットオフィースへ行きクレジットカード支払いの手続きをしたときにケチが付いた。

 

パナマまでの片道切符だけではパナマ政府が入国を認めないので、航空会社は片道切符を販売しないというのだ。 選択肢が無いので、ボゴタからパナマまでの往復切符を買うことにした。往復切符の料金は54.2万コロンビアペソ(約2.2万円)。片道チケットなら約1.4万円で済むはずだったが。

 

2/27() ボゴタ3泊目 コロンビア証券取引所とジェトロ訪問(真面目な経済の話)

 

自称インベストメントライダーとブログで名乗っているが、最近は投資調査から遠のいている。今日は真面目に投資関係の調査に費やす。

 

まず最初にビジネス街にあるコロンビア証券取引所を訪れた。もちろん事前のアポイントは無いが、簡単な面談時に応じてくれた。 面談に応じてくれたのは若手のタレック・ファラジ氏だった。 アラブ系の名前なので、出身を聞いてみるとレバノン系の移民だった。

 

当方が中近東のバーレンに仕事で駐在したことがあると言うと、同氏は親戚がバーレンにいると言いすっかり打ち解けた。やはり、共通話題があると初めてあった人でも打ち解けやすい。

 

コロンビア証券取引所は地方証券取引所3社が合併して2001年に発足した。株式69銘柄が上場されている。同国の証券取引所は太平洋同盟のメキシコ、チリ、ペルーの3ヶ国の証券取引所と共同プラットホームを有して、4ケ国の株式の売買が可能だ。 

 

南米ではブラジルが大国故、サンパウロ証券取引所に抗するため太平洋同盟が団結して魅力的な証券投資のインフラを作ったという。

(ボゴタの金融街)

 

(コロンビア証券取引所の入口)

 

同国の国際競争力がある産業は石油等の資源関係だと言う。原油は同国の輸出額の29%を占める最大の輸出商品だ。 農業関係も面白いようだ。 農業関連にどのような銘柄があるのか知らないが、切り花を輸出している。ちなみに日本市場のカーネーションの8割はコロンビア産だとジェトロのボゴタ事務所で聞いた。

 

南米8ヶ国を回ったが、コロンビアの道路事情、街の様子は南米でも上位だ。予備知識が無かったが、街の様子等を観察して魅力ある国だと思った。

 

ジェトロ・ボゴタ事務所でコロンビアの経済状況を聞くと、やはり当方が思っていたように魅力ある経済環境だ。 ブラジルに次ぐ南米第2番目の人口を擁し(約5千万人)、しかも人口は若い。29歳以下の国民が全人口の52%だという。

ブラジルより人口ボーナス期が長いという (人口が若いと国の経済の大きさを示す国内総生産の成長率が大きくなりやすい)。

 

観光産業も魅力的だ。 40年以上内戦状態にあった最大ゲリラ組織とは和平合意が成立済みだ。もっとも、他のゲリラ組織とは和平が成立していないが、政治的な安定が増せば、観光客も増加して観光産業が成長する可能性が高いだろう。

 

問題はインフラ整備のようだ。 例えば太平洋に面した港から首都のボゴタへ貨物を輸送する場合、道路状況が良くない山岳道路を2カ所通過せねばならない。当方もボゴタへ来る途中片側1車線の80kmに渡る山岳道路を通ったので、道路の拡充は必要だと実感した。

 

コロンビア・ペソの対米ドルの為替レートは原油価格との相関が高いようだ。これは産油国の通貨に共通する。 現在は原油価格が低迷しているため、コロンビアペソは米ドルに対して弱い(ドル高ペソ安)。 物価をドル建てで測ると南米でも物価が安いと感じる。 コロンビア・ペソが割安になっているからだろう。

 

インフレ率(物価上昇率)等のマクロ経済指標でも南米では優等生だ。2000年以降は一桁台の物価上昇率だ。過去十年間は2008年と2016年以外は5%以内に抑えられている。

 

政府は対外債務の拡大(外国からの借金)には慎重だという。ボゴタは人口800万人の大都会だが地下鉄や鉄道が無い。高架鉄道建設のための入札が今年予定されているようだが、日本からの円借款(借金)はしたくないようだと聞いた。円借款が無いと日系企業の入札にとっては厳しいが、政府の財政健全化へはプラスだ。

 

2/28(水)ボゴタ4泊目 市内観光と空輸のためのバイクの引き渡し

 

宿のスタッフにボゴタ市内のモンセラートの丘からの眺望が素晴らしいと教えてもらったので、行ってみることにした。

 

ボゴタ市は標高2,640mに位置するが、モンセラートの丘は市内より約500m高い標高3,150mに位置する。 丘の上には教会、飲食店、土産物店やトレッキングコースががあり、ケーブルカーとロープウェイで登れる。もちろん徒歩で上ることもできるが約2時間かかるようだ。

 

ケーブルカーでモンセラートの丘まで登り、丘の上からボゴタ市を見渡したが、スモッグのため市内の様子はぼんやりとしか見えない。遠方は白くなり見えない。スモッグがあるとは聞いていたが、こんなにひどいとは思わなかった。

(モンセラートの丘へ登るケーブルカー内部)

 

(モンセラートの丘からボゴタ市内を見渡す)

 

旧市街の中心であるボリバル広場周辺も散策した。カテドラル、国会議事堂、市庁舎と裁判所が四角い広場のそれぞれの辺に位置している。首都の中心部とあって立派な建物だ。

(旧市街中心のボリーバル広場前のカテドラル(左)と国会議事堂(右奥))

 

(ボリーバル広場に通じる歩行者専用ショッピング通り)

 

午後にはバイクをパナマへ空輸する輸送業者へバイクを持ち込む。圧縮空気のボンベ、 チェーンオイルのスプレー缶も空輸する荷物の中に入れっぱなしで大丈夫だという。

 

通関を済ませたあと警察による荷物の検査が控えている。 他国では警察官の荷物検査は一切なかった。 当日中の警察官の荷物検査は就業時間が終了したため出来ず、翌日朝一番で行うことになった。

 

税関は24時間体制で航空貨物の輸出入手続きを行なうが、警察は18:00までしか荷物の立会検査を行なわないという。翌日の午前8:30に立会検査を行うことになった。

 

南米大陸の走行距離は約21,500kmとユーラシア大陸横断(24,000km強)より少し少ないくらいだ。 日本を出国してからの走行距離は約4.6kmとなる。

 

3/1() ボゴタ5泊目 空港倉庫でバイクの立会検査 

 

前日終了しなかったパナマへ空輸するオートバイの輸出検査を行う。

約束の8:30になっても立会検査が始まる気配がない。南米タイムだから約束通りに進まないが、実際に立会検査を行ったのは10時近くになってからだ。

 

当方の他に韓国人ライダーがBMW1200ccのストリート系(舗装道路走行用のモデル)の大型バイクを持ち込んだ。ストリート系のR1200R26日に韓国からペルーのバルパライッソに到着後、二十数日間で南米を16,000km走破したという。45日間しか休暇が取れないので、毎日10時間以上走行しているというタフガイだ。ゴールは中米のホンジュラスだという。

 

ボゴタからパナマへの距離は数百キロしかないが、通関費用等の全ての費用込みの空輸代金は1,100米ドル(約12万円)だった。 ツーリング時の様にバイクに全ての荷物を搭載した状態で空輸するためバイクの梱包はしない。 パナマの空港に到着後すぐにバイクの引き取りが可能だ。

(空輸梱包はバイクをプラスチックフィルムで包むだけだった)

 

 

午後の時間が空いたため、コロンビアで最大の石油会社Ecopetrol社へダメもとで対投資家の窓口部署(インベスターズ リレーション)に面談を申し込んだ。しかし、やはりアポイント無しでは面談はかなわず、会社の受付で担当部署のメールアドレスをもらうのが精一杯だった。

(エコペトロール社本社。会社のロゴは操業現場に多く生息するイグアナだった)

 

コロンビアで気が付くことは、話をした全てがコロンビアの将来性を信じている。

 

当方が、駐車してあるスズキ製650ccエンジンのオフロード6白バイを見ているとコーヒーショップで休憩中の白バイの警察官が話しかけてきた。当方はバイクのライダーと言うと話しが盛り上がり、警察官の知人らしき人達も交わり1時間くらい話した。

 

警察官だが、経済や政治にに詳しく、コロンビアの国を富ませるには外国からの投資を誘致して産業を育ている必要があるという。 メキシコの成功例を見ているからだが、的を得た考え方だ。

 

 

(経済の話もした警察官は元民間会社で管理の仕事をを行ってたと言う)