最近ファイルウェブでIFI社のifi AC ipurifierという電源コンセントにさすだけで、電源がクリーンになるという嘘デタラメ品が問題とされています。
具体的には複数人から異常発熱で筐体まで焦げているレポートという悲惨なものです。
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実際にオーディオアンプが目の前で白煙を上げていたことがありました。
現在も営業しているサンバレーという真空管アンプ専門店がキット屋と名乗っていた頃、ロシアの6C33CプッシュプルアンプのSV-63という型番の商品が売られていて購入しました。
電源FUSEが飛んでしまうので、こちらの大橋という店主に問い合わせると、新しいFUSEが送られてきました。
アンペアまで覚えていませんが、オリジナルよりアンペアを上げたFUSEでした。
ところがこれも切れてしまう。
さらにアンペアを上げたFUSEが送られてきました。
そうして電源を入れて風呂に入って、部屋に戻ると、真空管アンプの出力トランスから煙が出ているではないですか!
触るとチンチンに熱くなっています。
つまりFUSEの値を上げて切れなくした分、異常電流が流れてもシャットダウンする部分がなくなって、異常発熱~発煙に至ったものでした。
もちろん、このアンプごと、同社のうちにあった製品はすべて店主の申し出によって回収されていきました。
こちらは、この店主自体が文系上がりで電気の専門家ではなく、唯一のもうひとりの技術スタッフも自作アンプを数台作った程度の人しかいなかったような。
6C33C真空管というのは極めて不安定な真空管です。
それをたしか固定バイアスで調整しようという設計ですから、真空管のばらつき次第で異常電流が流れてしまうのです。
すべてOEMで外部メーカーに放り投げたまま、肝心の安全設計までまったく内部でチェック出来ていなかった例でした。
その後、こちらの店主日記や公式サイトで安全設計に関する記述は見たことがありませんので、もう購入することもないでしょう。
余談ですが、ここのFMチューナーは数%もの歪み率で、TRIOの元チューナー設計者がこの問題を指摘したら、「こんなもんですわ!」で終わったそうです。
後でわかりましたが、感度命のラジカセやカーラジオ用のFM-AMラジオチップに真空管バッファーとニキシー管による周波数表示を付けただけの安直設計のものでした。
どれももう亡くなったアドバンス社の米田社長さんという方へのOEMでした。
なぜ詳しいかというと、故米田社長とサンバレーのセレクターを設計したからです。
そういえば今日ESOTERICのDACが修理してもよく故障したり、新製品のD-1Xが目の前で不具合を起こしてデジタル信号を認識しなかったのを目撃したので、会社代表にプロ用よりはるかに高い値段なのに、この安全、安定に欠けた設計や生産管理、サービス体制はないでしょうとメッセージを入れました。
プロ用なら例えば東京ドームのコンサート中に音が止まった、ノイズが出たというだけで損害賠償モノかと。
民生用オーディオは安全設計が甘いものがあるようです。
たまたま図書館に行ったら、元パナソニックで電気製品の安全設計に携わって、早期退職ののちに消費者庁の電気製品の安全専門委員になられた著者のこんな本を読み始めています。
設計者、自作オーディオファン、他作オーディオファン、オーディオ製品の安全性に関心がある方などにオススメします。