剣盾環境考察【シーズン1:前編】 | 俺はメタグロス

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【筆者の簡易的な自己紹介】

 

TN:ボル

現在マスターボール級2桁順位をうろうろ。最高実績は瞬間3位。(11/26)

 

 

 

【本題】

 

 

剣盾ではメタゲームを制した者が勝つ

 

剣盾環境は日々目まぐるしく変化している。

そこで、ここ半月の剣盾環境の激動の環境変化を、五日刻みでおおまかにおさらいする。

 

 

◆剣盾環境最初期(11/16~11/20)

 

・注目の新ポケモン

特性ごりむちゅうによる高火力と広い攻撃範囲を持ちアタッカーとして非常に強力なガラルヒヒダルマ、頑丈顎補正が乗る専用技エラ噛みによって超火力の水技で殴れるウオノラゴン、特性うのミサイルと堪えるのシナジーで高い対面性能を誇るウッウなどのアタッカーの他、

 

強力な再生回復技である力を吸い取るを覚え鬼火やステルスロックなど相手に負担をかける手段が豊富な輝石ガラルサニーゴ、タイプや特性とビルドアップ挑発等の習得技が噛み合い受けポケモンでありながら詰め性能に優れるアーマーガアなどの受けポケモンが注目される。

 

・ドラパルトとダイマックス

新ポケモンの中でもS142という圧倒的速さとドラゴン・ゴーストという受け辛い攻撃範囲を有したドラパルトの強さは抜きんでており環境初期から大流行。

ドラパルトの強さは素のスペックもさることながら新要素であるダイマックスとの相性の良さにある。

ダイホロウの追加効果がBダウンなので後出しから非常に受け辛く、更にダイマックスによってHPが2倍になることから撃ち合い性能が強化され、ダイドラグーンの追加効果のAダウンも相まり受けづらいポケモンでありながら高い対面性能を有している。

しかし、更にダイマックスと相性が良いポケモンが存在した。

 

・パーフェクトミミッキュ爆誕

ミミッキュの強さを支えていたZクリスタルがなくなった上に化けの皮の弱体化により襷型も成立しなくなり大きな弱体化を受けたミミッキュであったが、ダイマックスと非常に相性が良いことが発覚。

ダイマックスによる技威力の強化、HP上昇による撃ち合い性能の向上、ダイホロウの追加効果のBダウン、ダイフェアリーの追加効果のミストフィールド展開による状態異常のシャットアウト、これらの要素がゴースト・フェアリーというドラパルト以上に受け辛い攻撃範囲とHPを温存しつつ剣の舞を積める点と最高に噛み合うため、この頃から弱体化をものともしない圧倒的な強さを見せていた。

ダイマックスはミミッキュのための新要素と言わんばかりの相性の良さである。

 

・環境メタとして評価されたポケモン

環境最初期のこの頃はドラパルトとミミッキュの二強と呼んで良い環境であり、この二匹を中心にメタが考案されてゆく。

 

電磁波で足を奪ったり身代わり連打でダイマックスを枯らせられるオーロンゲ、高種族値でドラムアタックからの叩き落とすやウッドハンマーでドラパルトやミミッキュとのタイマンに強いゴリランダー。

 

ミミッキュに強く、剣の舞や角ドリルによる制圧力や崩し性能を持ち単なる環境メタの域には留まらない強さを持つドリュウズ。

 

電気技の一貫を切る選択肢が少ない中で最も採用率が高い地面タイプであるドリュウズに打点を持ち、鬼火やトリックによる妨害も出来るロトム。

 

物理型のドラパルト、ミミッキュ、ウオノラゴン、ウォッシュロトム等、挙げればキリがないほどに誤魔化せるポケモンが多いナットレイ。

 

この時期に注目されたポケモンはおおよそこのあたりであろう。

 

 

◆環境が動き始めた頃(11/21~11/25)

 

・ギャラドスの全盛期

自信過剰とダイジェットの相性の良さやパワーウィップの習得によりウォッシュロトムで受けられなくなったことによる攻撃性能の高さが注目を集めギャラドスが大流行。

 

ギャラドスの活躍によってダイジェットの強さが注目され、ダイマックス前提だと圧倒的な制圧力を誇るサンパワーリザードン、ミミッキュで止まらない型破りルチャブル、新規習得技の悪巧みとダイジェットが噛み合うスピンロトムの採用も見られるようになった。

 

・受けサイクルの台頭

物理型のドラパルトやミミッキュどちらも受けきれる混乱実(最大HPの1/3回復)を持たせたアーマーガアやクレベースが実績を挙げるなど、環境に蔓延るアタッカーを受けきることが出来る受けポケモンがこの頃から次第に増えてゆく。

 

流行しているギャラドスを受けられる他、環境初期に流行ったポケモンがロトムを除いて総じて物理寄りな点も相まりこの時期の受けポケモンの詰ませ性能は非常に高かった。

 

・ジュラルドン

トップメタであるドラパルト、ミミッキュ、ギャラドスに強めであること、ドヒドアーマーガアのような受けの並びに電気技が一貫していたこともありジュラルドンが評価されこの時期に爆発的に数を増やした。

 

・ドラパルトの型の多様化

対策が進んだことで龍舞ドラパルトは環境から消え、ミラーを意識したスカーフ型や鉢巻不意打ち型、ナットレイやアーマーガアを崩すために炎技を採用した無邪気両刀型、果ては耐久に振った弱点保険型が登場するなどこの時期からドラパルトの型が多様化していく。

 

・逆風が強くても活躍するポケモン達

種族値を下げられ、毒々も奪われ、ダイマックスとの撃ち合いに弱く自身もダイマックスとの相性が悪いギルガルドは環境に適応出来ず数を減らしたが、気合の襷を持った型の撃ち合い性能が評価され環境から消えるまでには至っていない。

同じくミミッキュに弱くダイジェットの起点になるローブシンも環境的な逆風が強いが、苦手なポケモン以外との撃ち合い性能の高さから一定の採用率を維持している。

 

・総評

ミミッキュを受ける手段が開拓されたこと、ドラパルトがミラーを意識して火力の高い型が減ったこと、強力な崩し枠が未開拓であったなどの理由から受けサイクルが最も強かった時期だと言える。

育成を終えたプレイヤーも増え始め、この時期を境に環境が目まぐるしく変化していく。

 

 

◆環境メタの激化(11/26~11/30)

 

・強力な崩し枠の登場

この時期から一気に数を増やしたのがサザンドラとトゲキッスである。
サザンドラは悪巧みを新規習得したことに加えてダイアークのDダウンも合わさり非常に崩し性能が高い。

同じくトゲキッスも悪巧みを覚え、広い攻撃範囲にエアスラッシュの六割怯みも合わさり非常に受け辛く、更に崩し枠でありながらダイジェットによる高い撃ち合い性能と抜き性能を持っている。

この二匹は単なる崩し枠としては留まらない強さを持つため爆発的に流行した。

 

この二匹が台頭した理由は流行していた受けサイクルを崩せるからであり、崩し枠の起点にされやすい受けポケモンは次第に数を減らし、受けサイクルは構築の組み換えを余儀なくされる。

 

・弱点保険バンギラス

崩し枠が増えたなら当然それを潰すための潰し枠も登場するのがメタゲームというものである。

トゲキッスとサザンドラが流行したことで、ダイマックスすることでダイフェアリーもダイスチルも二発耐えて返しの攻撃で倒すことが出来る弱点保険バンギラスが対策枠として注目を集める。

鋼技を採用してダイスチルを撃つことでミミッキュとのタイマンすら勝つことが出来る撃ち合い性能の高さから、単なる環境メタには留まらずこちらも爆発的に流行。

 

・環境メタとして注目されるポケモン達

この時期に目立って数を増やしたのがこの三匹である。

ドサイドンはトゲキッスやバンギラスに強く、剣の舞による崩しが可能で、ダイアースやダイロックで特殊耐久を強化出来る。

パルシェンは環境に多い物理ポケモンを起点にして切り返しが可能で、環境に受けポケモンが減ったことが追い風となっている。

パッチラゴンはロトムの一貫を切りつつ高火力の電気技を撃てる点が評価されて数を増やしているのではないだろうか。

 

・総評

ダイスチルと弱点保険の強さが目立った時期と言える。

 

まず、現環境は物理ポケモンが幅を利かせる環境であるためダイスチルが非常に強い。

その中でも特にサザンドラとバンギラスはダイスチルによる恩恵が大きく、天敵であるミミッキュを対面から突破しうる性能を持つようになった。

HPの上昇によって一撃で倒されなくなった結果弱点保険が活かしやすくなった点については言うまでもないだろう。

 

ダイマックスによるHPの上昇とダイジェットによって撃ち合い性能と全抜き性能が強化され、更に弱点保険とも相性が良く数々のシステムを味方に付け超強化されたトゲキッスの強さは他のダイジェット枠を駆逐するレベルであり、剣盾環境最強ポケモンの一角と呼んでも過言ではない。

 

事実、トゲキッスの台頭と同時にギャラドスは早々と数を減らしている。


 

◆現在(12/1~)

 

トゲキッス、サザンドラ、バンギラスを中心に環境が動いている。

 

・アイアント

環境にミミッキュ、トゲキッス、サザンドラ、バンギラス等の中~低ポケモンが幅を利かせていたせいか、これらのポケモンに強く、受けの並びすら崩しうる攻撃範囲と火力を持った張り切りアイアントが結果を残し注目を集める。

ダイマックスを割かないと命中不安かつ、上から特殊技で殴られると簡単に倒される脆さはあるものの、その強さは本物であり上述のポケモンを採用する構築では対策が必要になるだろう。

 

・欠伸によるダイマックス対策

トゲキッス、サザンドラ、バンギラスなどは弱点保険を発動させなければこれらのポケモンで比較的受けやすく、後出しから欠伸で流すことが出来る。

 

ただし、カバルドンやヌオーを想定した特殊バンギラスも一定数存在する。(というより今は特殊のほうが主流かも?)

 

・"攻め"のアーマーガア

アーマーガアを見て選出されるドラパルトやバンギラスは大文字を持っていること、サザンドラやトゲキッス等の崩し枠に起点にされることから、ビルドアップ+身代わりor挑発を採用した詰め筋としてのアーマーガアが目立ってきた。

 

・サポート要員としてのドラパルトやロトム

鬼火や電磁波を採用したドラパルトやロトムは元々どちらも一定数は存在していたが、この時期から目立ってきた印象を受ける。

これらのポケモンで場作りを行いトゲキッスや攻めのアーマーガアに繋げる戦術は最近の環境でよく見られる。

 

・総評

アイアントの項で説明したように、現環境は遅いポケモンが多いので上から高火力を押し付けられるポケモンが強い。

また、トゲキッス、サザンドラ、バンギラスなどの受けるのも殴り勝つのも難しいポケモンが流行したことで、鬼火や欠伸などの補助技で流す対策が目立ってきた。

これらのポケモンとまともに撃ち合っても弱点保険を発動させてしまうため、撃ち合いを拒否する対策方法の流行が見えてくる。

 

 

 

【今後の環境の考察】

 

◆状態異常技の拒否

状態異常技によって撃ち合いを拒否する戦術が増えるなら、それを拒否する型が増えるのは当然の推移である。

身代わり持ちが増えるのは当然として…

 

まず、これらのポケモンがラムの実を持つようになる。

 

そして欠伸を拒否する崩しの枠としてブリムオン、エーフィ、タチフサグマは環境に刺さるようになるだろう。

 

特に、特性込みで高い物理耐久を持ち、火炎玉で状態異常技の一貫を切ることが出来て、黒い霧で能力上昇をリセット出来るミロカロスはこれから環境に増えていくのではないだろうか。

 

 

◆広範囲の高速アタッカー

現環境は全体的に遅いため上から殴れるポケモンがシンプルに強い。

取り巻きで上手く削って一貫を作る戦術が通りやすいのではと読んでいる。

 

広範囲高火力のスカーフヒヒダルマや、サザンドラを受けポケモンで受けたくない現状だとスカーフサザンドラはシンプルに強い。

 

個人的な注目株はこのポケモンである。

アイアントより速く、バンギラスやドラパルトに打点があり、不利対面では蜻蛉で逃げられる。