再調整した際に、詳しく書き直しました。
ZZR-400 キャブOH その①/キャブレター取り外し
ZZR-400 キャブOH その②/キャブレター分解掃除 part1
ZZR-400 キャブOH その③/キャブレター分解掃除 part2
◆◇◆
こんにちは
mixi日記からの移植です。
ZZR-400(N1)、中古で購入後1ヶ月ほどで突然走らなくなりました。
色々と調べてみた結果、3番のオーバーフローと判明しました
というわけで!
キャブOHをすることになりました。
購入時はキャブセッティングが変わっていた痕跡があったので、
ノーマルセッティングに戻す作業です。
■ZZR解体
始める前の一枚
開始時間は9:00am頃です。
シートカウルを外したところ。
燃料ホースを抜いて、作業で使うガソリンをペットボトルに移します。
ガソリンタンクを外したところ。
タンクは下に燃料ホースがあるので、傷付けないようこんな風に置きます。
(普通に置くとガソリンが漏れることもあります)
エアクリーナーを降ろしたところ。
ここまでの作業時間は30分くらい。
何度もやって手馴れると、こんなもんです。
初めてのときは、ここまでの工程だけれ60~90分くらいかかってました。
スロットルワイヤーを抜いたところ。
分解したパーツ達。
作業時は、ガソリンサブタンクを使って給油します。
点滴みたいな感じ。
ここからキャブレターの調整作業に入ります。
■キャブ降ろし
キャブレターを降ろすためには、まずはキャブのフロート室に入っているガソリンを抜く必要があります。
これが結構馬鹿に出来ない量なので、ドレンと呼ばれるガソリンを抜く穴からしっかり抜いてやります。
こんな風にドレンにホースを付けてネジを緩めます。
ホースの行き先はペットボトル。
これを4つ繰り返します。
ドレンからガソリンを抜いたら、ワイヤー類やクーラントのホースなどを外し、いよいよキャブをエンジンから分離します。
実際、調整時には何度もキャブを降ろしますが、毎回「ドレンからガソリン抜いて→降ろして→調整→積んで→チェック」の作業を繰り返します。
キャブを降ろしたZZR本体。
降ろしたキャブレター。
キャブを降ろしたら、今度はキャブの分解調査です。
ここからが今回の作業のメインです
まずはトップを外して・・・
中はこんな風になっています。
右から順に
1.カバー
2.スプリング
3.シートバルブ
4.ジェットニードル
5.バルブ
という順です。
戻すときは外した逆順に組んでいけば(元の状態に戻せば)良いです。
ただ、シートバルブには「ちょうど良い」穴があいていて、思わずそこにジェットニードルを通したくなります(笑)
こんな感じ。
1.カバー
2.スプリング
3.ジェットニードル
4.シートバルブ
5.バルブ
という順です。
もう一度書きます。
上の組み合わせは間違いです。
この組み方すると、オーバーフローします。
※一度やりました(笑)
トップを組み終わったら、次は油面調整です。
■キャブ調整作業
油面調整の前に・・・
まずは前回の作業で適当に押し込んじゃったエアクリーナーホルダーとキャブの接合部分のガスケットを調整。
ガスケットが若干伸びてたので伸びてた分を1mmほど切り、シリコングリスでごまかしましたw
そしていよいよ油面調整。
キャブを反転。
こちらはエンジン側
フロートチャンバーを開けたところ。
キャブレターのフロート調整(油面調整)にはノギスという工具(正確には測定器)を使います。
ノギスなんて高校の時ぶりだw
使い方、意外に覚えてるもんだなー
プラスチック製の安物ですが、こんなのでも0.1mm単位で測れます。
(季節によって膨張・収縮するため金物に比べて精度は低いですが、フロート調整は誤差±2mmのマージンがあるので、こんなもんで充分です)
こんな風に測ります。
この写真では5mmほどズレてますね。
これが合わせた状態。
上手い角度で写真撮れませんでしたが、誤差 1mm以内に抑えています。
N1の緒元表では、油面は13mm±2とのことですが、ここにバラつきがあると低回転域で不安定になるので、可能な限りきちんと合わせます。
(ノギスを使うとはいえ、最終的には目視なので完全に合わせるのは難しいですが)
フロート調整が終わったら、次はパイロットスクリュー調整です。
ここをマイナスドライバーで調整します。
こんな感じ。
一旦完全に締めて、反時計回し(左回転)に戻します。
この戻しの回転数が仕様で決められています。
ここは2.5回転戻しに設定していましたが、N1の緒元に合わせて2回転戻しにしました。
ここまで終わったら仮組みして油面確認します。
こんな風に合わせ位置に線を書いて、4つ全部確認します。
結果はピッタリ
仕様通りに合わせられると気持ち良いですね~
■組み上げ~同調
キャブ調整が終わったので、バラした時と逆の順に組み上げていきます。
同調作業を行うので、まずはキャブにクーラントホースとスロットルワイヤー(引き/戻し)を接続して、インテークマニホールドに取り付けます。
この時点で、エンジン始動テスト。
無事にエンジン始動したら次の作業に入ります。
このスロットルワイヤーを引いて、キャブレターのバルブが引っかかりなく動くことを確認します。
エンジンかけている時は、回転数の上がり具合(吹け具合)も同時に確認します。
ここまで確認できたら一旦エンジン停止。
インテークマニホールドにあるバキュームプラグにホースを接続して「同調」という4気筒のタイミングを合わせる調整作業を行います。
同調作業には、こんなバキュームゲージという道具を使います。
バキュームゲージをつなげたところ。
キャブレターには同調用のネジは
a. 1~2番の間
b. 2~3番の間
c. 3~4番の間
の3つあり、「a→c→b」の順に開け閉めしてメーターの位置を合わせます。
最終的に4つのメーターの針が同じ位置を指し、スロットルオンで同じように動けば同調作業終了です。
同調作業でピタリと4つの針が合うと回転数が若干上がって安定します。
同調作業が終了したら、いよいよ組み上げ。
・スロットルの組み上げ
・エアクリーナー取り付け
・ガソリンタンク接続
・シートカウル取り付け
の順に接続して、終了。
作業終了。
結論は…完治!!
もともと、ZZR-400は4000rpm付近にトルクの谷がある症状がよく報告されているのですが、キャブ調整の結果、3000~5000rpmでスロットルをワイドに開けても素直にグイッと加速するようになりました。
そして気になる燃費。
満タン法で計測して、現時点では街乗り(&首都高)のみ数値が出ています。
※99%タンデムで、巡航回転数や加速時の回転数は一般道で4000~5000rpm付近、
首都高や長い直線道路で5000~8000rpm程度。
これで、約16km/ℓ
次は燃費向上計画に続きます。