『スタンフォードの自分を変える教室』総まとめ | やる気のある人のブログ

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【第一章】


まずやるべきこと、それは『自分の目標(課題)を設定』

・意志力→自制心、行動をコントロールする力
・望む力→自分の目標
・やる力→望む力を実現する力
・やらない力→衝動、欲求を抑制する力


3つの力は脳の前頭前皮質に存在する。
左脳に『やる力』右脳に『やらない力』下部に『望む力』

目標を達成するために望む力を妨げる理由を特定することが大切。


現代人の脳には思考、感情、行動のそれぞれをコントロールしようとする複数の自己がいる。
より高い次元の自己が力をもてるよう、自己認識と自己コントロールを強化する必要がある。

そのための行動の自己認識する。

物事の選択をした瞬間を振り替える→目標を達成するための選択、妨げる選択をいつしたのか、
冷静に分析することで、いい加減な選択の数を減らせる。

脳や自己コントロールは特定のジャンルを繰返し学んだり、考えることで鍛えることができる。
『やらない力』を鍛えるには誘惑のワナを家にしかけておく。

『やる力』を鍛えるには毎日クリアできる障害を設ける。

一番簡単な自己コントロール強化方法は瞑想。
意識を呼吸に集中し、他の事を考えそうになったら、また意識を呼吸に戻す。
この繰返しを行うことで日常生活でも、目標から離れそうな自分を軌道修正できる。



【第二章】


そもそも、なぜ誘惑にかられ、やりたくないことをやってしまうのか?

誘惑にかられた時の自分の内面に意識を向け、行動理由を明確に。
外的脅威にさらされた時、自分の身を守ろうとする。これを闘争・逃走本能という。
闘争・逃走本能エネルギーは全て体に向けられ、慎重な意志決定をするための脳の領域からエネルギーを奪う。
EX)会議で自分の想定外の質問をされた場合。

内なる脅威にさらされた時、エネルギーを脳に送り、人は落ち着いて衝動を抑えようとする。
これを休止・計画反応という。
休止・計画反応では冷静な判断をすることができる。

人はストレスを感じると交感神経が活性化し、心拍数が増加したままになり、心拍変動は低下する。
逆に、自制心をうまく発揮できた時には、副交感神経が活発になり、ストレスを和らげ衝動的な行動を抑える。
心拍数は減少するが、変動は上昇する。このような時には気持ちが静まり、落ち着く。
心拍変動=体内の意志力の保有量。
不安、怒り、憂うつなども全て心拍変動の低下や自己コントロールの弱さと関連している。

心拍変動増加は呼吸法でトレーニングできる。
一分間の内、呼吸回数を4~12回以下にする。
つまり、ゆっくり息を吸い、吐く。それだけ。
五分間のエクササイズを続けることで脳の灰白質と脳細胞の絶縁体である白質が増加していくのである。


『もし、自分が意志力を満タンにしたいなら、外に出てグリーンエクササイズをしろ!』

グリーンエクササイズとは
近くの公園に行く、犬の散歩、外でストレッチなど。


 六時間未満の睡眠=睡眠不足は軽度の酩酊状態となり、
前頭前皮質が機能障害を起こし、意志力を低下させてしまう。
『意志力低下を避けるために眠ろう』。


意志力を高めたければ、心身の状態を整えなければいけない。
つまり、ストレスを理解し、回復するために必要なものを自分に与える。
深呼吸を行い、体にリラクゼーション反応を起こす。
そして、自分がストレスを感じる瞬間を知り、対策をとる。


【第三章】


 人間の意志力には限りがあり、意志によって制御すればするほど、
意志力を消耗してしまい、別の誘惑に弱くなってしまう。

だが、意志力は鍛えることが可能。
その方法とは『普段はコントロールしていない、ささいなことをコントロールすること』。
EX)片付けていないクローゼットの中身を週別に分けて順序建てて整理してく。


そして、より効率をアップするために自分の設定した最大目標に近い、
『やる力(湯船に毎日つかるなど)』、『やらない力(お菓子を食べないなど)』、
『自己監視(体重を毎日測るなど)』の中から選択し、実行する。

一日のうちで自分の意志力がいつ、どのような場合に増減するのか把握することが重要。
そのパターンを理解し、スケジュールをうまく立てることができれば、
誘惑に負けそうになるのを回避できる。
そして、『やる力』のチャレンジに取り組むなら、最も意志力の強い時間に設定することが肝要。


意志力と糖分は密接な関係である。
つまり、意志力を消費して、不足している時に、
甘いもの(砂糖類で作られたもの)を摂取し、
血糖値が上がると、意志力は回復する。
しかし、『量は多くなくて』よい。
食べるものはナッツやシリアル、穀物、豆類など低血糖食がおすすめ。


 脳はエネルギーをお金のように使う。
貯蓄が十分にある時には使うが、残り少なくなると節約する。
その節約する一番最初が自己コントロール機能。
 そのため、脳のエネルギー=血糖値が少なくなると、
自己コントロールが効かなくなる。
また、空腹時にも同様のことが言える。

意志力の限界は気力で超えられる。
脳細胞は、自分のエネルギーの貯蓄消耗を避けるため、
一定のラインでアラーム、つまり意志力の低下を告げるが、
肉体疲労と同じで、実はまだ限界ではない。
そのため、気力さえあれば、その限界点を超えて、自己コントロールすることは可能。
脳細胞の指令に騙されないよう、自分の意志力の限界点を知ることも重要。
EX)トップアスリートの運動スキル


『望む力』を創りだす。
意志力の限界を乗り越える方法として、自分の目標が達成した時のことを想像する、
つまり「望む力」を創りだす。
『この目標が達成したらどんないいことがあるのか』、『自分の他に誰が有益になるか』、
『チャレンジは今は大変でも、継続していくことでラクになっていく』、など想像する。
それこそが、元気が出ない時や誘惑に負けそうな時に強さを与えてくれる力。


【第四章】


人はいいことをするといい気分になり、衝動的になりやすい。
多くの場合、悪いことをしてもかまわないと思ってしまう。
このことを「モラル・ライセンシング」という。
このことは意志力に置き換えることができる。
例えば、『午前中に仕事が捗ったから、午後は少し怠けよう』、
『頑張ったんだから、ちょっとくらい自分にごほうびを』と自己正当化を行う。
そんなふうに自分を甘やかすことが失敗につながる。
自分自身への「言い訳=甘え」を認識し、目標達成の妨げを避ける。

何かよいことをしようとして、またはよいことをした気分になって、
正しさに対する判断が曖昧になってしまうと衝動的になってしまう。
人は正しいことはしたくないと思う。
『道徳上の問題』と『したくないこと』の区別をしないと、
モラル・ラインセンシングの認識から目標達成の足枷になってしまう。


意志力の問題には相反する欲求がからんでくる。
ひとつは長期的な利益、ひとつは目先の満足。
EX)大学合格を目指した学生が、参考書を買っただけで満足して、明日から勉強をはじめようと遊ぶ。

つい、目標に対する自分の進歩を正当化し、目先の満足にいってしまいがちだが、
その誘惑に負けないように賢い自分を選択しなければ目標達成はできない。
『進歩はあくまでも進歩』。目標を達成したわけではない。
目標達成のため進歩は今まで自分が努力してきた結果だと認識し、さらなる目標への力へと仕向ける。

では、具体的にどうすれば「進歩」でなく「努力する姿勢」と認識することができるのか?
「なぜ」誘惑に負けなかったのか、自己質問を行う。つまり、自分の目標の理由を思い出す。


《モラル・ラインセンシング効果のワナ》

①我々は先のことを考えるとき、やるべきことがあっても、
 楽観的に考えてしまい、今日やらず、後になればきっと時間も余力もあってできるはずだと思ってしまいがち。
 『今は怠けたっていい』と開き直るくらいなら、そもそも目標設定などしないほうがマシ。
 逆に選択を行うたびに『明日も同じ行動をする』と考える。
 すると、将来にわたってずっと影響を及ぼすことを認識するようになる。
EX) 『このチョコバー、食べちゃおうかな?』
 →『これから毎日毎日、午後になったらチョコバーを食べることになるけど、それでもいいのか?』

②自分が欲しいものは悪いものではないにちがいない、と思いたがる。
EX) メインディッシュにヘルシーなものを選んだ人の多くは、逆に太りやすい飲み物やデザートを注文する傾向がある。
 このことを健康のハロー(後光)効果とよぶ。ヘルシーなものを注文したせいでいい気分になり、

あとは適当に好きなものを頼んでしまっても正当化し、何とも思わない。
  ハロー効果は、お菓子の広告やエコ、募金など、キャッチフレーズという魔法の言葉に隠れて、
 我々の生活の至るところから手招きしてくる。
  また、エコ活動は罪悪感を鈍らせる。
 節電タイプの電球を使うのだからと、電気を大量に消費する住宅に住みたくなったりする。
 もし、人に地球にやさしい行動をしてほしいとのぞむなら、『私は環境問題に関心のある人間だ』という、
 アイデンティティーを抱かせるようにしよう。

我々は正しいことをしたいと自ら望む人間だと感じる必要がある。
本当は自分は悪いことがしたい人間だと考えていると、よいことをした自分に対してごほうびをあげたくなる。
そのような考え方では、自制心を発揮することは罰則のようになり、
自分をあまやかすことが、ごほうびになってしまう。
モラル・ラインセンシングのワナにはまらないようにするには、『ありのままの自分が最高の自分になることを望んでいる』だと、
そして、『自分自身の価値観に従って活きていきたい』のだと、しっかり自覚する必要がある。



【第五章】


脳は報酬が手に入りそうだと認識すると、ドーパミンを放出する。
ドーパミンは脳全体に指令を出し、注意力を集中してほしいものを手にいれようとする。
ドーパミンが放出された時に感じるのは幸福感でなく、興奮。
人は神経が研ぎ澄まされ、敏感になり、欲望で、頭がいっぱいになる。
しかし、ドーパミン放出により満足や喜びは得られない。
ドーパミンが放出されると、欲しくなったものをなにがなんでも手にいれなければすまなくなる。
ドーパミンの働きで注意力は全てそこへ向けられ、それを手にいれること、あるいは繰返し行うことしか考えられなくなってしまう。
つまり、『報酬の予感』を期待し行動してしまう。


現代社会ではテクノロジーによって産み出されたツール(インターネット、テレビゲーム、youtubeなど)によって『報酬の予感』日常生活のいたるところに潜んでおり、振り回されている。
EX) 『一点買えばもう一点無料』『Amazonの差額提示』『スーパーの試食サンプル』など。

自分の中の、『報酬の予感=ドーパミン放出の引き金』を探すことが大切。

ドーパミンが、急増すると目先の快楽がやたらと魅力的に見え、長期的にどのような影響が表れるかなど考えられなくなってしまう。
逆にやりたくないことをドーパミン化することで楽しく作業を進めることも可能。
目先に小さな報酬を設定し、作業をクリア出来たら手に入るようにする。
EX)これができたらテレビを10分見てもいい。

 

 ドーパミンには報酬への期待と、手に入るまでの不安からくるストレスの2つの効果がある。
食べ過ぎが習慣になっている人の脳は、口いっぱいに食べ物をほおばり、お腹がはち切れそうでも、さらに要求する。そうして食べれば食べるほど焦りが生まれ、早食い過ぎて口に詰め込んでいる物の味すら感じてないこともある。そして、食べ終えるころには、体も疲れ、気分も悪くなってしまう。
しかし、落ち着いて食べると今まで気にかけなかった味、見た目、匂いを感じることができる。
最初は辛いかもしれないが、続けることによって、自制心が強くなり、大食いが減り、ストレスや焦燥感も軽減される。
 

『まやかしの報酬』への期待から自分を解放しよう。


確認のため、わざと誘惑に負けてみるのもよい。
過去の自分ではコントロールできないと思っていた行動を以前よりも

うまくコントロールできるようになるだろう。

 欲望のない人生には自制心も必要ないが、そんな人生は生きるに値しない。
なぜなら、食べたり、買い物をしたり、人にあったり、セックスをしたりしても、

喜びを得ることを期待しない、つまり、生きる楽しみを必要に感じないということだから。
 我々は報酬への期待が高すぎれば誘惑に負けてしまうが、報酬を期待する気持ちがなければ、

やる気も起きないというジレンマを抱えている。
 自制心を手にしたいと思うならら人生に有意義な報酬と、我を忘れるようなまやかしの報酬との区別が必要。

欲望は行動を起こすために脳が仕掛ける戦略。それは自己コントロールに対する脅威にもなれば、意志力の源にもなる。
大切なは欲望によって自分がどこへ向かうのか、どのような欲望になら従ってよいのか見極めること。



【第六章】

 気晴らしの息抜きはきちんと『効果がある方法』をとることが大切。
食べることがストレス発散という多くの人が、逆に不安を感じたり落ち込んだりする。
人はストレスを感じると、脳は誘惑に負けやすくなる。つまり、気分を安定させようと、

報酬システムが稼働し、気が晴れるようなことをさせようとする。

結果、本当は効果がないのに、目先の報酬に飛び付いてしまう。
 本当に効果のあるストレス解消法は、『エクササイズやスポーツ』、『読書や音楽を楽しむ』、
『家族や友人と過ごす』『マッサージを受ける』など。

人は恐怖を感じる時も誘惑に負けやすくなりやすい。束の間の希望や安心感を得ようとするため。

EX) 人が死亡したニュースを見た視聴者は高級車など贅沢品の広告にそそられる。


 さらに、人は恐怖管理が起きると、誘惑に負けやすくなるだけでなく、物事を先のばしにしがちになる。
先のばしをしていたり、忘れがちなことがあるとしたら、自分が恐れていることを知り、
恐怖に向き合うことで、かえって合理的な選択を行えるようになる。

 ダイエット中の多くの人が少し多目に食べてしまっただけで、落ち込んで、ダイエットを諦めてしまう。
このことを『どうにでもなれ効果』と呼ぶ。
『もういいや、ダイエットなんてムダだから全部食べちゃえ』とはめを外しては落ち込んで、またはめを外して…という悪循環。
 危険なのは最初につまづいた時に自分を恥じたり、後ろめたく思ったり、自制心をなくしたり、希望をなくしたりすること。
そうして自分をせめて気晴らしの誘惑に負けて、またせめて…そのような行動は罪悪感を生むだけで、悪循環をたちきる力はない。


 つまづいた時に自分に何と言っているか?が重要。
『失敗したのは自分たち欠点のせいだ』と自己批判は常にモチベーションの低下や自己コントロールの低下を招く。
 さらに自己批判はうつ病の最大の予兆であり、うつ状態では『やる力』や『望む力』が失われてしまう。
これに対し自分を励まし、やさしくすることは、やる気の向上や自制心の向上につながる。
 失敗したことについて、自分に思いやりをもって振り返った場合のほうが、自分を批判した場合よりも、
『失敗したのは自分のせいだったのだ』と認めやすくなり、他人のアドバイスを聞き入れ、結果、失敗の経験からまなぶことも多くなる。
自分を許すことで、恥の意識や苦しみに苛まれることなく、事実をありのまま見つめられるので、失敗を繰り返さないようになる。

《失敗した時に自分に思いやりをもつエクササイズ》
①どんな気持ちがするか、言葉にする。
②誰だって失敗する。だって人間だもの、と考える。
③友人が失敗した時にどんな言葉をかけてあげたいか。

落ち込んだ時、たちどころに気分を晴れやかにする方法。それは、『自分は変わるんだ』と決心すること。
しかし、報酬への期待や息抜き作戦と同じ。楽観的になるだけ。変わろうと大層な目標を立てて、気分がよくなるが、
挫折しそうになると、失望と不満でいっぱいになる。
この時点で多くの人は努力をやめ、藁にもすがりたい思いになると、また一代決心をする、そしてまた…の悪循環。
そうならないために、変わると決めたら、見事に変わった自分の姿を想像し、努力し続けることが大切。

また、自分が最も誘惑に負けやすいのはどんな時か、自分にどんな言い訳をしているか、失敗の様子を想像しよう。
そのあとに想像上の失敗を成功に変えてみる。自分の決意を守るためにどうすればいいか、具体的に考えてみる。
その時、どんな感じがするか、頭の中ではっきりと思い描いてみる。
成功した姿を具体的に思い描くことで、目標達成の必要なことを続ける自信がうまれる。



【第七章】

 目の前に誘惑が現れると、脳が報酬を求めるモードに切り替わってしまい、
すぐに報酬を手に入れないと気がすまない、「遅延による価値割引」によって、

将来の大きな報酬より目先の報酬に目がくらみがち。


《目先の報酬を避ける方法》
①長期的な利益に反する行動をとりたくなった場合は、目先の快楽に負けてしまったら、
 あとで手に入るはずの最高の報酬をあきらめることになるのだ、と自分に言い聞かせる。

②自制心を発揮して我慢したおかげで手に入った成果を味わっている、未来の自分の姿を想像する。
③自分に「一時の快楽のために大事な目標をあきらめていいのか?」と問いただす。

④目先の報酬を目の前から遠ざける。

・目先の報酬に飛びつく=誘惑に駆られた自己、将来の報酬を求める=理性的な自己。
 
 人は2つの自己を内面に持っており、常に相対している。
誘惑に駆られた自己にのまれないよう、あえて誘惑にかられそうな物事を遮断する(背水の陣)。
EX)クレジットカードの使用を控えたい場合は金庫にしまって一定期間出さないようにする。
  インターネットを時間を設けて完全に遮断するなど。


《背水の陣活用法》
①決めたことを実行するために実行せざるを得ない状況を作っておく。
EX)ジムに通う場合、年会費を前払いしておく。

②望んでいることと逆のことをやりにくい状況を作る。
EX)買い物に行く時は予算を決めて、現金のみ持っていく。

③自分にモチベーションを与える
EX)決めた目標が達成できなかった場合は寄付を行う。


 未来の自分に期待し過大評価しても意味がない。
いざ自分が未来に立った時、結局、何も変わらない。
さらに目標を先送りにするだけ。

目標を見据えてまずは行動。



【第八章】


良い変化、悪い習慣は周囲に『感染』する。
EX) 禁煙、飲酒

 自分の周囲の感染源を発見しよう。そして悪い習慣は改善を、良い変化は感染しよう。

人は周囲の人間の行動を把握している。そして、他人の行動を無意識に真似をしたり(話し中、腕を組むと話し相手も腕を組む)、感情に反応したり(テレビの笑いのSE)、誰かが誘惑に負けるのを見ると、
つられて負けたくなってしまう(他人が欲しがっているものを欲してしまう)。

 人は他人の心を読んで、あれこれ想像をめぐらし、人付き合いでの失敗を避けるようとする。
しかし、こうした相手の心を読む行動は、自己コントロールにおいて『目標感染』という副作用を生じさせる。そして目標感染には自分を甘やかそうとする『誘惑感染』の場合もある。
他人の行動に感染し、自分の目標を投げ出さないために、
1日の始まりの数分間、自分の目標と、どんな誘惑にかられると目標を見失ってしまうか考える。

 ルール違反をする現場を目撃(駐車禁止の場所に何台も車が駐車されている)、
または痕跡(駐車場に置き去りにされたスーパーのカート)を見ると、「みんなやっているから」と自分にも感染してしまう。
意志力を強くしたいなら、悪い見本でなく、お手本にしたい人のことを心に思い浮かべるようにする。


我々は誰の影響を最も受けやすいのか?
答えは『大多数の人』


 人は物事の良し悪しに関わらず、『大多数がやっていること』を『みんなと同じことがしたい』という
思いに駆られて行動してしまう場合がある。(ソーシャルプルーフ)
EX) ある学校の学生のカンニング
 良い行動のソーシャルプルーフ効果を得るためには、良い行動をとることが当たり前だと思うようにする。
簡単な方法として、目標に向かっているグループの仲間に入る。

 「恥」や「プライド」は我々の行動の選択に対して直接的な影響を及ぼす。
つまり、恥をかくような行動はしたくないと思う。
EX) 万引き犯の顔写真付き告知


 しかし、恥をかくと考えることは予防策にはなるが、恥をかいてしまった場合には
逆に欲望に火をつけてしまう結果になる。
EX) ギャンブルで負けてしまった人が借金を取り返すためにさらにはまる。


 一方、プライドは恥に比べて意志力を増やしてくれる。
つまり、自分は誘惑に負けないことで社会的な信用を得たい=自慢したいという思いが
誘惑に打ち勝つ意志を高めてくれる。
誘惑に打ち勝つには自分の中の「人に認められたい」という思いを利用しよう。


【第九章】

 人はある事柄を考えないようにすればするほど考えてしまう、

してはいけないと思えば思うほどしてしまう。
EX) ダイエット中のリバウンド


 皮肉なリバウンド効果の対策。それは『あきらめること』。
好ましくない考えや感情をコントロールしようとするのをやめれば、
そういった考えや感情に振り回されなくなる。
つまり、ある事柄を『考えないで』から『考えてもいい』となれば、逆に考えないようになる。
精神的な苦しみから逃れたければ、そうした苦しみを頭から追い払おうとするのではなく、
受け入れ、どうにか折り合いをつけていく必要がある。


《考えや欲求への対処方法》
①誘惑や欲求を感じていることに気づこう。
②すぐに気をまぎらわそうとしたり否定したりせず、
 欲求や気持ちを素直に受け入れよう。
③『思考や感情はコントロールできなくても、それに対してどう行動するかは選択できる』、と落ち着いて考えよう。
④大事な目標を思い出そう。

目標への見方を変える、つまり『やらない力』を『やる力』に変える。
EX)ダイエット中、食べ物の制限をする、のではなく、健康的な体を作るという意志に変換する。

・同じ目的を達するのであれば、別の方法はないか考えてみよう。
EX)コーヒーでリラックスしていたのを紅茶に変えてみる。

・悪い習慣で時間を無駄にしていたら、その時間を使ってどんなことができたか考えてみる。
EX)気晴らしにテレビを見ている時間を目標に向かう行動の時間にしてみる

・「やらない力」のチャレンジを定義しなおして「やる力」のチャレンジにしてみる
EX)「遅刻をしない」→「一番乗りで到着する」


【第十章】
 自己コントロールとは自分自身な様々な一面を理解できるようになることであり、
まったく違う人間に生まれ変わることではない。
自己コントロールできる人は自分の中でせめぎあう様々な自己の存在を受け入れ、うまく折り合いをつけている。

【自己意識の六ヶ条】
①自己コントロールを強化する方法は自分に注意を向けること。すなわち行動を選択すべき時はそれをしっかりと意識して、
ただだらだらと行動しないこと。
②言い訳をして物事を先延ばしにしたり、いいことをしたと自分を甘やかそうとしていることに
気づくこと。
③「報酬の予感」は必ずしも報酬をもたらすとは限らない、将来の自分はスーパーヒーローではなく、ましてや赤の他人ではないこと。
④身の回りのどんなものが自分の行動に影響を与えているか見極めること。
⑤誘惑に負けそうな時は踏みとどまって時分の中の欲求を静かに見つめること。
⑥自分が本当望んでいることを忘れず、どうすれば心から嬉しく思うかをわきまえていること。