皆さんは知っていますか?ポストハーベスト。 | 住野康博〜アメリカとカナダで挑戦し続ける者〜

住野康博〜アメリカとカナダで挑戦し続ける者〜

すみちゃんとも呼ばれています。セカイとニッポンの間で挑戦中。長いアメリカ生活を終え、カナダへ。カナダで経営者しています。

今回、初めてお話ししますが、今現在、バンクーバーで健康を真面目にとらえて地産地消を軸にした上質のうどん屋の開業に向けて動いています。本当においしくて、安全なものを地元の力を借りて素晴らしい会社にしたいと思い、頑張っているところであります。




麺業界にいるとその可能性に心を踊らされますが、それと同時に非常に深刻な問題もいくつかある事に気付かされます。今回はこの過程で色々とあった食の問題についてお話しいたします。食問題というのは非常に興味が深く、そして色々な政治的要素が絡んできます。


うどんについての豆知識ですが、日本で1年間に消費される小麦の量は、約630万トン(2009年度)で、世界でも有数の小麦消費国です。そして、うどん粉には中力粉というものが使われています。この中力粉は薄力粉や強力粉とは違い、うどん専門に作られている小麦粉で、有名店のうどん屋さんから大衆うどんのチェーンまで、この中力粉がうどん製麺用に幅広く使われているのです。


ちなみにこの中力粉、うどん用だから、国産が主流と思いつつも、なんとほとんどが国産ではなくオーストラリア産なのです。オーストラリアのASW (小麦事情)という規格を通り、日本のうどん業界のために高品質な小麦を生成して、輸出しているのです。

ASWは単一銘柄ではなく、いくつかの銘柄がブレンドされ、これが日本向けの麺用小麦として出荷されています。主産地はオーストラリアの南西部で、最寄りの都市はパース(Perth)です。そして、このオーストラリア産の小麦(外麦)がなんと日本全体の中力粉の85%を占めています。そして15%が内麦(国産)になるのです。日本の伝統的な食べ物のうどんの材料がオーストラリアから来てるとは、世間一般に余り知られていないことだと思います。仕事上、業界内の色々なうどんやの粉を知ることもありますが、多くのうどん屋さんで、でこの外麦が圧倒的に多く使用されているのです。このオーストラリア産の外麦は非常に高品質でおいしいのですが、問題があります。


それがポストハーベストです。


皆様は、ポストハーベスト農薬という言葉を知っていますか?


ポストハーベスト農薬とは、収穫後の農作物に使用する殺菌剤、防かび剤等の事を言います。直訳すると、ポストとは「ハーベストは「収穫を意味します。


輸出用穀物は多くの場合に、オーストラリアやアメリカ、そしてカナダから日本に送られてきます。それを政府が一定の金額で買取り、これらの麦を製粉会社に購入させて、生成していくのです。そうです、政府がまとめて買い付けているので、一企業や製粉会社が適量を輸入元から好きなだけという方法はとられていないのです。

そして、このポストハーベストにより輸入穀物の農薬残留量はアメリカ南部ルート、オーストラリアルートのものが高くなる傾向があります。その理由は、これらの地域の小麦は熱帯地域を通過して輸送されて来るから事が主な原因になっております。船に積載されたドライコンテナの内部は、熱帯地域通過時には、日中は温度が50~60℃、湿度が90%以上になるというデータがあります。農産物の性質から見て、保存剤を使わない長距離輸送や長期間輸送は本質的に困難なのです。その輸送中にカビや虫が付かない様に殺虫剤やレルダン、マラソンやスミチオンなどの農薬が直接振りかけられていて、これがポストハーベスト農薬と言われているものです。ということは、年間約530万トン余りの外国産小麦にポストハーベスト農薬が使用されていることになります。



ちなみに農薬を散布している方は猛毒用のガスマスクをしています。

このポストハーベストの非常に良くない事は収穫した商品に直接農薬をかけるので、この農薬比率が通常の農家が使う農薬量の数十倍から百倍になり体内に吸収されると言われています。そして、その商品はそのまま加工されてしまうので、本当に危険なのです。

有機リン系(マラソン・スミチオンなど)の農薬は、農業・園芸用だけでなく害虫駆除にも広く使われます。

過去の調査データによれば、日本市場の小麦粉や小麦粉製品には残留農薬がかなりの頻度で検出されており、それもマラチオン(マラソン)、フェニトロチオン(スミチオン)といった有機リン系の殺虫剤に集中しています。

 有機リン系の殺虫剤には下記のような毒性があると指摘されています。

 1. 発がん性 

    体内にがん(悪性腫瘍)を発生させる恐れのある性質。

 2. 催奇性(さいきせい) 

    生物の発生段階において胎児に奇形を生じさせる性質。

 3. 変異原性(へんいげんせい)

    生物の遺伝情報(DNAあるいは染色体)に変化をひき起こす性質。

 4. 生殖毒性

    成人の生殖機能および受精能力や胎児などに悪影響を及ぼす性質。


人間の体内に入ると、めまい、頭痛、下痢、便秘、しびれ等慢性症状を起こし、変異原性(へんいげんせい)、催奇形性(さいきけいせい)が、広く認められます。なので、自分に影響するよりも次世代に多く影響する可能性が非常に高いのです。そして現在、日本に輸入されている小麦は全てに、ポストハーベスト農薬が散布されています。


ラーメンも同じです。国内産の小麦粉はコストが高い為にラーメンに使用されるほとんどの中華麺が外国産の小麦粉を使用しているのが現状で、農薬や殺虫剤が直接付いている一番粉を使用するケースがあります。一番粉は色が悪いため、かん水で色を黄色に着色してわかりにくくし、中華麺の加工用に大体回されます。

(一番粉は小麦の一番外側から作られる粉)


らーめんの麺もちゃんと調べてちゃんとしたものを見つける必要があります。


その次に危険なのは、学校給食用のパン用小麦粉、それについで、コンビニなどで売っているパン屋や加工品、それについで
の順で農薬が多く含まれています。


因みに、パン用で使われる小麦の日本国内ので自給率1なんと1%未満です。これらは主にアメリカ、そしてカナダから来ています。(だから、コンビニがこれらの農薬度が高い食品を供給するのを助長している形になっているのです)裏を返せば、パンに使われている小麦粉は、99%輸入小麦で、ポストハーベストが施されているいう事がいえます。


ここで大事な事。それは日本では収穫後の作物にポストハーベスト農薬を使用する事は禁止しているという事です。

その為、日本国内でとれた内麦15%に関してはこのポストハーベストの心配はほとんどないのです。今現在、私はこの日本の限られた高品質の内麦をバンクーバーに取り寄せられるように形で日本との業者と話し合いを進めています。私は経営者として、何をメッセージとしてお客さんに発信していくかは、非常に大事な問題で、ただ安くてうまければ良いという考えではなく、本当にお客様の事を考えて、できる事はしていかないといけないと思っております。そして何よりも大事な事は、自分の周りの大事な人、家族や友人、自分の将来の子供にも毎日、安全でないものは食べさせたいくないですから。将来、自分の子供ができても、ちゃんと何がどこでとれ、どのように流通してるかを理解して安全を確認して、どうどうとこれ食べい!と言いたいですからね。一番の所はそれだけです。食の安全というものは一人の力、または一企業の力だけでは変えていく事ができません。消費者、そして生産者がどのようなものを市場に求めていくかが非常に大きな鍵になります。だからこそ、まずは消費者一人一人が認識する事が私は何よりも大事だと思います。