中国ペットブームの背景で悲惨な動物虐待事件 | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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皆さんの中にはペットとして犬や猫を飼われている方も多いと思います。中国でもペットを飼う家庭が急増し、ペットが飼っている世帯は全世帯の17%(約6000万世帯)に達しました。ペット市場は3兆円とも報じられており、中国はかつてないほどのペットブームを迎えています。

そんな中、悲しい事件も発生しています。中国メディアによると今月、中国福建省でペットとして飼われていたブルドッグが、ペットショップに併設されていたペット専用プールで、溺れ死ぬ事件が発生しました。このブルドッグがプールで溺れていた際、そばに飼い主がいたにも関わらず、飼い主はブルドッグが溺れている様子をスマートフォンのカメラで撮影し続けたのです。


中国の動画サイトにはこの時の監視カメラ映像が投稿され、飼い主のあまりに非情な行為に非難の声が高まっています。虐待死とも報じられている今回の事件ですが、残念ながら中国にはこうした動物虐待に対する罰則を定めた明確な法律はありません。このため今回の飼い主を法的に罰することは難しいのが現状です。

こうして状況を受け、中国では動物虐待に関する法律の整備がようやく進み始めています。そのきっかけとなったのが2017年に起きた事件です。2017年1月、中国のペットショップで子猫を購入した女性が、子猫が病気に罹っていたとして、ペットショップ側に返金を求め、トラブルになりました。その際、この女性は購入した猫の皮を剝ぎ取り、殺してしまったのです。あまりにも凄惨な動物虐待に中国では大きく報じられ、国として動物虐待防止のための法整備を行っていく方向に大きく舵をきることとなりました。

拡大するペットブームに法整備などが追い付いていない中国ですが、おもちゃのような感覚でペットを購入し虐待する飼い主には、懲役刑など厳しい罰則を設けてほしいと思います。