2018年04月01日 21時00分00秒

自然を守るために地球とセックスする「エコセクシャル」な人たち

木々と性行為を行ったり、エロティックに植物に話しかけたり、岩と結婚式を挙げたり、泥の中で愛の営みを行うことで地球に愛を示したりすることで、地球や自然を守ろうとする活動家たちが存在します。聞いただけでは何がなんだかわかりませんが、活動家たちは数を増やし、どんどんムーブメントが大きくなっているとのこと。

Ecosexuals Believe Having Sex with the Earth Could Save It - VICE
https://www.vice.com/en_us/article/wdbgyq/ecosexuals-believe-having-sex-with-the-earth-could-save-it

Ecosexuals have sex with the earth - Maxim
https://www.maxim.com/maxim-man/ecosexuals-2018-3

エコセクシュアリティ」という言葉はパフォーマンス・アーティストでありアクティビストのエリザベス・スティーブンス氏と同じくパフォーマンス・アーティストであり性教育者のアニー・スプリンクル氏らが行った活動により、2000年代初頭から使われるようになったもの。SEXECOLOGY公式サイトには「エコセックス・マニフェスト」が掲げられており、そこから「エコセックス」「エコセクシュアリティ」とは何か?が何となく読み取れます。

Ecosex Manifesto | SEXECOLOGY.ORG
http://sexecology.org/research-writing/ecosex-manifesto/

マニフェストの内容は以下の通り。

「地球は私たちの恋人です。私たちは狂ったように、激しい恋に落ちていて、毎日この関係に感謝しています。相互で持続的な関係を地球と築いていくために、自然と協力するのです。私たちは愛情・尊敬・いたわりをもって地球を扱います」

「私たちは地球を愛の営みを行います。私たちは水や炎、空を性的に愛し、恥じることなく木と抱き合い、地球を足でマッサージし、エロチックに植物に話しかけます。私たちは裸で水にもぐり、太陽を崇拝し、星と見つめ合います。滝にによって愛される岩を愛撫(あいぶ)し、地球の丸みに敬服します。五感を通じて地球と愛の営みを行い、Eスポットの存在を祝います。私たちはとてもみだらなのです」

つまり、エコセクシュアリティを掲げる人によって、地球は「母」ではなく「恋人」なのです。

エコセクシュアルな活動はさまざまなものがありますが、潤滑油の代わりにココナッツオイルを使用すること、クリスタルのディルドを使うことといった「持続可能なセックスプロダクト」を使用することや、裸でのハイキングや全裸水泳を行うことなども含まれます。また、実際に木や野菜、果実、花などと愛の営みを行う人もいるとのこと。泥や岩、雪などと結婚式を挙げることのほか、泥の中でみだらな行為を行い、地球に愛を示し地球を救うという行為を行う人も。

大地の上で激しく腰を動かす行為も、エコセクシュアルな行為の1つのようです。

海と結婚式を挙げる様子は以下のムービーから見ることができます。

Married to the Sea: An Ecosexual Wedding - YouTube

以下のムービーでも「エコセクシュアリティとは何か?」が語られています。

アーティスト、パフォーマーであるマディソン・ヤングさんは、「人によってエコセクシュアルの定義は異なります」と前置きしつつも、自分にとっては「自然や地球とつながることであり、エロティシズムです」と語ります。「さまざまな方法によって性的な体験をすることが可能です」とのこと。

実際にエコセックスを体験することになった女性は、自然の中で目隠しをされ、「母なる地球」というステレオタイプを捨て、地球のジェンダーについても自由にとらえてくださいという説明を受けます。一方でLGBTQとの関わりも深いエコセクシュアリティーですが、地球と同性愛的な関係を持つ必要はありません。「自然の中にはたくさんのペニスがあります」とのこと。

そして木を手でなでて……

優しく愛撫します。

舌でなめることも。

アーティスト集団Pony Expressも「Ecosexual Bathhouse」というプロジェクトを行っています。

☆Ecosexual Bathhouse Trailer☆ on Vimeo

花をくわえた状態でSMっぽい行為を行う女性。

猿ぐつわの代わりに花が使われています。

指用コンドームを装着して花を愛撫して……

舌でなめます。

自然の中で植物を生やしたマスクをして愛し合う二人。

高揚を感じている模様。

エコセクシュアリティの根本には「地球環境の危機を真剣にとらえる」という考え方があります。「母なる地球」という表現が使われますが、「母親」という存在は、子どもがひどい行いをしても最終的には許すもの。しかし「恋人」であれば話は別で、恋人を手ひどく扱えば、恋人はその人のもとを去ってしまうはずです。「最後には許してくれる存在」として地球を扱うのではなく、「誠意と愛情を持って接しないと関係を持続できない」存在として地球を扱う必要があるわけです。

エコセクシュアリティについての論文を執筆しているネバダ大学のJennifer Reedさんによると、抗議活動を行い政治的な色合いが強い他の環境問題の社会的ムーブメントと異なり、エコセクシュアル・ムーブメントは個人的な行いや「喜び」にフォーカスを当てていることが特徴だといいます。ゆえに、他の活動家からは距離を置かれることもあるそうですが、Reedさんがインタビューを行ったエコセクシュアリティの活動家たちは、みんな真剣に自分なりの目標を語っており、気候変動に対する新しいアプローチとして大きな可能性を秘めているといえます。

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