2020年08月18日 11時55分00秒

感染力が10倍高い新型コロナウイルスの変異体が感染者から検出される

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異体である「D614G」が、マレーシアにあるレストランのオーナーから始まったクラスターによる感染者45人のうち、少なくとも3人から検出されたことをTimes of Indiaが報告しています。

What is D614G strain: Ten times more infectious than Coronavirus: All you need to know about D614G | India News - Times of India
https://timesofindia.indiatimes.com/india/ten-times-more-infectious-than-coronavirus-all-you-need-to-know-about-d614g/articleshow/77586073.cms

D614Gは2020年2月頃のイタリアで発見された後、世界各地でも存在が確認されていました。2019年に武漢で確認された新型コロナウイルスとの違いはウイルスの表面にある「スパイクタンパク質」にあり、614番目のアミノ酸の配列がアスパラギン酸からグリシンに変異しています。

突然変異で生まれた「感染力が強い新型コロナウイルス」が世界で大流行しているという研究結果 - GIGAZINE

フロリダのスクリップス大学が2020年6月に報告した研究では、変異したウイルスは変異のないウイルスよりもヒト細胞に感染しやすいことが報告されています。スクリップス大学の研究チームは、ウイルス表面のスパイクタンパク質が変異したことにより「ウイルスが細胞にくっつきやすくなり、より効率的に感染することが可能になっている」とコメントしました。

計算生物学者かつ集団遺伝学者でもあるベット・コーバー氏もまた、変異したウイルスと変異のないウイルスが同じ空間に存在している場合、変異したウイルスの方が伝染しやすいと主張。また、コーバー氏は2020年7月に発表した研究で「D614Gは新型コロナウイルスの感染性を増大させる非常に支配的なウイルスであり、武漢で確認されたウイルスよりも10倍高い感染力を持つ」と述べています。一方でエール大学の疫学准教授であるネイサン・D・グルーボー氏は、コーバー氏の研究に対して「ウイルスの感染性の増加を示唆する研究ではあるが、証明にはなっていない」と指摘しました。

なお、「世界各地で開発中のワクチンのほとんどはD614Gの変異以外の領域に基づいて開発されているため、ワクチンの研究に大きな影響を与えることはない」とTimes of Indiaは報告しています。

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2024年04月28日 05時24分17秒 in サイエンス Posted by darkhorse_log

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