箱根連覇目指す東海大・館沢主将が4か月ぶり実戦「焦らず自信を持って箱根へ」

スポーツ報知
練習を兼ねて出場した東海大・館沢(右)

◆世田谷246ハーフマラソン (10日、東京・世田谷区駒沢オリンピック公園陸上競技場発着=21・0975キロ)

 箱根駅伝2連覇を目指す東海大の館沢亨次主将(4年)が約4か月ぶりの実戦に挑み、1時間20分6秒で完走した。1500メートルと5000メートルに出場した今夏のユニバーシアード(7月3~12日)以来のレース。「久々に20キロ以上の距離を走ってきつかったが、いい練習になった」と汗をぬぐった。

 館沢の目に焦りはなかった。「両角(速、もろずみ・はやし)監督から『ここはきっちり走っておこう。(1キロあたり)4分ペースでいいから』と指示を受けた。残り5キロ付近からの上り坂は想像よりきつかった」。6日に38度近い熱を出し、体調も万全とは言えない状況。しかし、言葉とは裏腹に、充実した表情を見せたことには理由があった。

 右太もも裏痛と左恥骨結合炎で8月以降は走れない日々が続いた。米国での夏合宿には参加できず、10月に入ってようやく練習再開。だが、大学3年間“皆勤賞”だった学生3大駅伝も、今季はまだ1本も走っていない。「ありがたいことに、今までは(3大駅伝)全てに出ていたが、今年は外から駅伝を見ることができた。客観的に自分の役割やチームの立ち位置を確認できたと思います」と悲壮感はない。

 出雲駅伝は4位に終わったが、館沢に加え、鬼塚翔太や阪口竜平、関颯人ら4年生のエース格を欠いて臨んだ全日本大学駅伝は16年ぶり2度目の優勝を果たした。「出雲も勝てると思っていたが、そう甘くはなかった。ただ、全日本に向けては自信があったし、油断なく力通りの走りをすれば優勝できると思っていたのでうれしかった」。主将として出場できない分は各区間を巡って応援。「特に西川(雄一朗)の存在は大きかった。本当に助かりました」と副主将に感謝した。

 スピードだけでなく選手層の厚さも見せつけた伊勢路。「まだまだ戦力になる選手はたくさんいる」と箱根駅伝へ向けて自信を深めている。17日の上尾ハーフマラソンにも出場して徐々に箱根仕様へと仕上げていくつもりの館沢。「個人としては、出るからには区間賞を獲らないといけない。チームとしても、もちろん連覇を目指している。焦らず自信を持って、東海大も自分も、箱根駅伝に挑めると思います」。誇張もおごりもなくそう言い切った主将の背中は、頼もしかった。

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