【巨人】陽&亀井も一塁争い…原監督、日本一奪回へ超サプライズのキャンプ幕開け

スポーツ報知
キャンプインし、全体練習前にナインを集めて話をする原監督(カメラ・相川 和寛)

 プロ野球は1日、春季キャンプがスタート。日本一奪回への幕開けに、原巨人がサプライズを用意していた。陽岱鋼外野手(33)、亀井善行外野手(37)が、今季は一塁手として起用される可能性が浮上。外野の名手は一塁もこなせるような準備を進めてほしいと打診を受け、陽はさっそく特守を志願。本職の外野と並行して一塁も練習させる見込みで本格コンバートも辞さない覚悟を見せた。

 20年の原巨人は、超サプライズから幕を開けた。ランチ特打、木の花ドームでの打ち込みと課せられたメニューを全てこなした陽がサブグラウンドに現れた。ここまでは通常の光景。だが、左手に岡本から借りたファーストミットを持ち、元木ヘッドコーチに一塁の特守を志願した。首脳陣が一塁もこなせるよう、準備を指示していたのだ。「びっくりしましたけど、出場機会は増えてくると思う。チームにとってプラスになるなら」。鋭い打球で左右に振られながら、その表情は充実感に満ちていた。

 まさかの“転向”プランは、原監督と相談を重ねた元木ヘッドが、挑戦を打診したという。「昔、ショートやっていたから『一塁もできるようにしていってよ、チャンスあるよ』ってね」。日本ハム時代の09年シーズン途中に外野手に転向して以降、4度のゴールデン・グラブ賞を獲得したが、福岡第一高からそれまでは遊撃手としてプレー。内野の動きも体に染みこんでいるだけに、適性を見いだして幅を広げる考えだ。元木ヘッドはさらに「あと、カメ(亀井)もね」と付け加えた。昨季、3試合一塁守備についた亀井も同様に備えさせる方針を明言。超がつく外野の名手2人を、一塁で起用する可能性が浮上した。

 原監督は、今キャンプで捕手、一塁、二塁のレギュラーを固めたい意向を示している。一塁に関してはこれまでに若手の北村、山下や、再起を期すベテラン・中島、さらには新助っ人補強の可能性も示唆していた。それほど空いているわけだ。それだけに、継続的に陽を一塁で練習させる可能性を問われると「それも十分ある。本人の意志がないと、なかなかこちらがやらせたところでね。お互いの意志が合わさると、いいものとして残る。きょうは意欲的に自分から『ノックを打ってくれ』とヘッドに言ってきたというのでね。非常に頼もしい言葉だね」と意欲的な挑戦を喜んだ。

 全ては少しでも多く試合に出場できる可能性を模索し、チームに貢献するための決心だった。「試合に出るレギュラーとして一番近い道になるなら、それでもいい」と陽は本格的なコンバートも辞さない悲壮な覚悟を見せた。“野球人の正月”といえるキャンプ初日。固定観念にとらわれない原監督のアイデアから、新年が幕を開けた。(西村 茂展)

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