キュウソネコカミ、4・1から2年ぶり全国ツアー開始 ヨコタシンノスケ「1曲1曲をもっと大事に」

スポーツ報知
約2年ぶりの全国ツアーを開催、所属するビクターのマスコットシンボル「ニッパー」に御利益を願う?ロックバンド、キュウソネコカミの(左から)ヤマサキセイヤ、ヨコタシンノスケ 

 兵庫・西宮市を拠点に活動する5人組バンド「キュウソネコカミ」が、4月1日の大阪公演(Zepp Osaka Bayside)から2年ぶりの全国ツアー(全10公演)を開催する。結成10周年イヤーだったねずみ年の昨年、予定していた計画はコロナ禍で全て中止に。ボーカル&ギターのヤマサキセイヤ(33)、キーボード&ボーカルのヨコタシンノスケ(33)がインタビューに応じ、「3密」をテーマにした新曲「3minutes」や今ツアーに込めた思いなどを語った。

 キュウソは飢えていた。収容人数を制限し、感染予防対策を徹底した2年ぶりのツアー。

 ヨコタは「(ライブの)本数が少なくなって1本1本(のライブ)が大事になったのはもちろん、1曲1曲をもっと大事にやらにゃな、という感じがより増しました。パフォーマンスに限らず、1曲に懸けるエネルギー、全力感が増した感じでやりたいです」と気合十分。

 ヤマサキは「オーソドックスな感じで、新旧の曲をやりたい。初めて着席で見られる人もいると思う。冷静に見たらキュウソってすごいことしてるな、よく見たらちゃんと楽器弾いてんじゃんと。勢いでごまかしていたバンドなんで、見られるライブには慣れないですね(笑い)」と照れた。

 ♪密集!密接!密閉!!! ライブハウスへようこそ ここでしか得れないもの ライブハウス生きる場所 代えはきかないぜ

 昨春の外出自粛期間中、ライブシーンの「3密(密集・密接・密閉)」と、ライブ愛を3分間に込めた新曲「3minutes」を制作。最新アルバム「モルモットラボ」に収録された。

 ヤマサキは「誰も書かないうちに最速で出したかった。(昨年の)3月頃から『密集・密接・密閉』という言葉が流行(はや)りだした。ニュースを見ながら作ったのを覚えています」と回想。「いつになるか分からないけど、元に戻った時、メチャクチャ騒げるような曲を残しておきたいと思った。いつの日か、小さなライブハウスでパンパンの状態で音を鳴らす日が来る(と信じたい)。曲は出したけど、まだ完成していない。その日が訪れた時が本当の完成です」

 昨年はサウス・バイ・サウスウエスト(米テキサス州)での初の米国パフォーマンス、バンド史上最長の47都道府県ツアー(全62公演)などを予定していたが、コロナ禍で全てが中止された。

 ヨコタは「絶望といいますか。最初はホンマにどうしよう…という感じだった。家から出ないんでメンバーとも何か月か会わへん。結成してから初めてぐらいだった」と振り返る。2か月後に再会すると、特別な感情がわき上がった。ヤマサキは「会った時は普通にうれしくて、ニヤニヤしていた(笑い)。スタジオに入って、1回目に大きい音を出して『俺ら格好いいな』『メッチャいいやん』って。自分らの曲で感動してましたね」と音楽ができる喜びをかみ締めた。

 09年12月、関西学院大学の軽音楽部内で就職活動に敗れた者たちを中心に、西宮で結成。10年から関西のライブハウスでライブ活動を始めた。15周年、20周年に向けて、この先バンドが進む道は?

 ヨコタは「『続けること』が目標で、キュウソの最大のテーマ。続けていくこと以外ない。『まだやってんじゃん』『いるな、こいつら』って。長くできるバンドでありたいですね」。

 ヤマサキも「最初は(結成)2、3年ぐらいで終わると思ったもん、ほんまに。就職せなあかんのやろなと思っていて、逃げから始まった。それがトントン、トントンと進んで。『いるな、こいつら』って何かいいですよね」と語った。

 2月には存在感を示す場面もあった。ギターのオカザワカズマ(32)が、テレビ朝日系「アタック25」に出演し、圧倒的な強さで優勝をさらった。

 ヨコタは「何を存在感出してんねん(笑い)。トレンド入っとるがな。メチャクチャ面白かったです。すごく反響がありました」。ヤマサキも「決してバカ売れしているわけではない。トップにはいない。でも、何かいる。(この先も)いろいろなところに顔を出していたいですね」。

 強い結束とぶれない信念がキュウソの強み。地道にコツコツと、マイペースに進んでいく。(加茂 伸太郎)

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