Xbox Series Xの「Smart Delivery」では、セーブデータも移行できる

マイクロソフトの「Smart Delivery」は、一度購入したゲームをXbox Series XとXbox Oneの両方でプレイできる機能で、Xbox Oneで購入したゲームはSeries X版へと自動的にアップグレードされる。マイクロソフトはこのシステムに関する新たな詳細情報を明らかにした。

Xbox Wireのニュース記事の解説によれば、Smart DeliveryはすべてのXbox Games Studiosのゲームで使用可能となり、サードパーティの開発者もゲームをこのシステムに対応させることができる。Smart Deliveryではユーザーが現在使用中のゲーム機やインストールする必要があるデータを自動的に認識し、旧機種のセーブデータも自動的に移動させる。具体的な例としては、『Gears 5』をXbox Oneで遊んでいたユーザーが、Xbox Series Xを購入して『Gears 5』をインストールした場合、Smart DeliveryはXbox Series X用にアップグレードと最適化が行われたバージョンを自動的にインストールしてくれるのだ。そしてXbox Oneで遊んでいた『Gears 5』で最後にセーブした地点からユーザーはキャンペーンを再開することが可能だ。

Xbox Wireの記事では、Smart Deliveryに対応しているタイトルが具体的に挙げられた。『Halo Infinite』、『サイバーパンク2077』、『アサシン クリード ヴァルハラ』、『Destiny 2』、『DIRT 5』、『SCARLET NEXUS』、『CHORUS』、『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』、『龍が如く7 光と闇の行方』、『The Ascent』、『Call of the Sea』、『Gears 5』、『Second Extinction』、『Metal: Hellslinger』。また、『Madden NFL 21』といったタイトルもSmart Delivery対応が以前確認された。このSmart Deliveryに対応したタイトルは、IGNが随時更新しているこのリスト（英語）で確認することができる。

なお、あらゆるタイトルがSmart Deliveryに対応するわけではなく、Xbox Series Xの発売時にはSmart Deliveryにまだ対応していないタイトルもある。例えば、『サイバーパンク2077』は9月に発売予定だが、アップグレードが行われたバージョンをSeries Xの発売時期に準備することはできないとCD Projekt Redは伝えていた。しかし、アップグレード版の準備ができた際には、ユーザーのSeries XにインストールされたXbox One版の『サイバーパンク2077』はアップグレード版へ自動的に更新される。Smart Deliveryは、ユーザーの手間が最小限になるようにすべてがデザインされているのだ。

マイクロソフトは、ゲームがアップグレードされた際に元のXbox One版のゲームを失うことはないと強調している。Smart Deliveryはアップグレード版と元のXbox One版を1つのゲームとして扱うので、ユーザーは2つのバージョンをキープしておくことができるのだ。例えば、もしユーザーがSeries XとXbox Oneの両方を別々の部屋に置いているのなら、単にダウンロードするゲームを選択するだけで完了する。『Halo Infinite』を選択すれば、Smart Deliveryは適切なバージョンを自ら選んでダウンロードしてくれるのだ。Xbox One版とアップグレード版のどちらをダウンロードするかをユーザーが自分で選択する必要はない。

Smart Deliveryは今までのゲーム機にあった後方互換性とは大きく異なるものだ。このシステムはユーザーが持っていた旧機種向けのゲームを新しい機種でより快適に動くようにするためのものであり、ただゲームが普通に動くのを保証するだけではない。なお、Xbox Series Xでは後方互換性もサポートしているため、今までに発売された無数のタイトルがSeries Xの発売時から遊べるようになるだろう。

もっとXbox Series Xの情報を知りたい方には、こういった記事がある。「Ori」の開発者がSeries XとPS5の違いについて考えを述べ、さらに「Xbox Lockhart」と呼ばれる2つ目の次世代Xboxが存在するという証拠が発見された。