南極点の温暖化、過去30年は地球平均の3倍ペース

南極点の温暖化、過去30年は地球平均の3倍ペース
 地球で最も寒い場所とされる南極点で、気温が急速に上昇しているとの研究結果がネーチャー・クライメト・チェンジ誌に掲載された。写真は南極大陸の氷河。2018年2月撮影(2020年 ロイター/Alexandre Meneghini)
[ブエノスアイレス 29日 ロイター] - 地球で最も寒い場所とされる南極点で、気温が急速に上昇しているとの研究結果がネーチャー・クライメト・チェンジ誌に掲載された。
気温データによると、2018年までの30年間に、南極地域は地球全体の3倍の速さで温暖化しており、18年は南極点における気温が観測史上最も高かった。また南極大陸の20の気象観測点のデータを検証したところ、南極点の気温上昇は南極大陸全体の平均の7倍も速いペースだった。
ニュージーランドのビクトリア大学ウェリントン校の研究者カイル・クレム氏は、「南極点は世界の他の地域から切り離されているようだった。しかし気温が突然上昇しており、地球で最速レベルで温暖化が進んでいる」と指摘した。
南極大陸は1970年代から80年代にかけて寒冷化したが、その後は気温が急速に上昇し始めた。これが自然な変動なのか、あるいは人間の産業活動によって引き起こされた地球温暖化の大きな傾向の一部なのか。クレム氏らの研究によると、原因は両方だという。

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