家計の金融資産、12月末は1948兆円で過去最高、現預金が増勢=日銀

[東京 17日 ロイター] - 日銀が17日に発表した昨年10─12月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は12月末時点で1948兆円となり、前年に比べて2.9%増加した。現預金の増加が押し上げ要因となり、過去最高を更新した。
家計の金融資産のうち、「現金・預金」は前年比4.8%増の1056兆円で過去最高を更新。新型コロナウイルスの感染拡大で外出や消費を手控えられ、現金、預金ともに増加傾向となっている。「株式等」は0.7%増の198兆円、「投資信託」は5.1%増の78兆円。株高で株式や投信の残高が増えた。
企業の金融資産も6.2%増の1275兆円で過去最高を更新。「現金・預金」が16.6%増の311兆円で過去最高となり、金融資産の増加につながった。「対外直接投資」も7.3%増の156兆円で過去最高を更新した。
日銀の国債保有は545兆円で過去最高を更新。一方で、残高に占める比率は44.7%で9月末の45.1%から低下した。10―12月期、国債発行残高が21兆円程度増えたのに対し、日銀の保有増はこのうち20%にすぎず、残高に占める比率よりも低かった。
海外の保有額は163兆円で残高に占める比率は13.3%。残高、比率ともに過去最高を更新した。

和田崇彦 編集:内田慎一

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