五輪=史上初で唯一の可能性も、パリ大会で除外の空手の未来

五輪=史上初で唯一の可能性も、パリ大会で除外の空手の未来
 東京五輪で開催都市枠として提案する追加種目により新競技として実施された空手だが、今後の五輪での未来には暗雲が立ちこめている。写真は女子形で銀メダルを獲得した清水希容。東京で5日撮影(2021年 ロイター/Carl Recine)
[東京 8日 ロイター] - 東京五輪で開催都市枠として提案する追加種目により新競技として実施された空手だが、今後の五輪での未来には暗雲が立ちこめている。
東京五輪では3大会ぶりに復活した野球・ソフトボール、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンとともに行われた空手だが、次回の2024年パリ五輪では野球・ソフトボールとともに落選した。
エンターテインメント性がなく、若い観客の関心を引きつける力もないと判断された。空手は過去にも各主催者から同様の理由で採用されてこなかった。パリ五輪主催者の判断は、フランスでの空手人気を考えれば世界空手連盟にとっては衝撃的な結果だった。
ただ、若さという要素が重要視されるのであれば、空手が軽視されるのも仕方がない側面がある。仮想の敵に対する技の優劣で争う「形」で東京五輪に出場した21選手の平均年齢は30歳。女子形で金メダルを獲得したサンドラ・サンチェス(スペイン)は39歳で、スペイン最高齢の五輪王者となった。
対照的に、同じく新種目となったスケートボードでは4人の金メダリストのうち3人、スポーツクライミングでは2人のうち1人が10代。空手の最も近いライバルとも言えるテコンドーでは8人のうち2人が10代だった。
また、空手のもう1つの種目である「組手」は、競技者が多くの時間でつま先立ちで跳ね続けて膠着状態になりやすく、そこから一瞬の攻防で勝負が決まるなど結果もわかりにくい。そういった側面が今後の五輪で再び採用されることに不利な要素となっている。

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