中国恒大、デフォルトなら多くのセクターに影響=フィッチ

中国恒大、デフォルトなら多くのセクターに影響=フィッチ
 9月14日、フィッチ・レーティングスは中国恒大集団がデフォルト(債務不履行)となった場合、多くのセクターで信用リスクが高まるとの見方を示した。香港で2018年撮影(2021年 ロイター/Bobby Yip)
[香港 14日 ロイター] - フィッチ・レーティングスは14日、中国の不動産開発大手、中国恒大集団がデフォルト(債務不履行)となった場合、多くのセクターで信用リスクが高まるとの見方を示した。
フィッチはノートで「デフォルトにより住宅建設業者の間で信用の二極化が進み、一部の小規模銀行への逆風となる恐れがあるが、銀行セクター全体への影響は対処可能だと考えている」と説明した。
フィッチは7日、中国恒大の格付けを「CCC+」から「CC」に引き下げ、デフォルトなどの可能性があることを示唆した。
フィッチによると、中国恒大の5720億元(888億ドル)の負債は銀行やその他の金融機関に対するものだが、銀行は中国恒大のサプライヤーに対しても間接的なエクスポージャーがあるかもしれないと指摘した。
フィッチは「中国恒大や他の脆弱な開発業者へのエクスポージャーが高い小規模銀行は、中国恒大に関わる信用状況次第では不良債権の大幅な増加に直面する可能性がある」との見方を示した。
ただ、中国人民銀行が最近行ったテストでは、不動産開発業者の不良債権比率が15ベーシスポイント上昇したとしても、国内4000行の平均自己資本比率は小幅な低下にとどまることが示されたと説明した。
さらに、デフォルトが発生した場合に住宅価格に大きな圧力がかかるリスクは低いとし、政府が物件引渡しを確実にして家計の利益を守るために動くとの見方を示した。

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