コストコ、アメックスとの独占契約終了はコストが理由と説明

 会員制量販店大手の米コストコ・ホールセールは13日、金融総合サービス大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)との独占契約の終了は経費上の理由だったことを明らかにした。

 アメックスは12日、同社のクレジットカードがコストコで唯一利用できるカードとする契約を来年で終了すると発表した。この独占契約は16年続いていた。

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ニューヨークのコストコ店舗

Photo: Bloomberg News

 会員制量販店大手の米コストコ・ホールセールは13日、金融総合サービス大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)との独占契約の終了は経費上の理由だったことを明らかにした。

 アメックスは12日、同社のクレジットカードがコストコで唯一利用できるカードとする契約を来年で終了すると発表した。この独占契約は16年続いていた。

 コストコの株主・投資家担当のボブ・ネルソン氏は「すべて(の決定)は経費と会員の費用節約の観点から行われており、今回の決定もそれがすべてだ。経済的合理性があるかどうかだ」と述べた。

 会員だけが商品を購入できるシステムのコストコは、年商1000億ドル(約11兆8000億円)に上る。事情に詳しい複数の関係者によると、同社はこれまでのアメックスとの関係に似たような関係づくりについて別の社と協議を進めているという。新たなパートナーの座を争っているカードを発行する銀行には、JPモルガン・チェースやシティグループが含まれているとしている。

 この点について、ネルソン氏はコメントを控えた。

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 独占契約の終了はアメックスに打撃となり、13日の株価終値は前日比2.98%安となった。同社のケネス・シュノールト最高経営責任者(CEO)は、この契約終了で今年と来年の売上高も1株利益も悪影響を被ると述べた。

 この異例なカード独占契約は、アメックスの大きなビジネスだった。また、両社は他の小売店でも使える提携カードも発行してきた。来年の契約終了時に、別のクレジットカードを使わなければならなくなるコストコ会員の数は数百万人に上るとみられる。

 両社の交渉に詳しい関係者の1人は、数カ月前にアメックス側が契約の更新を打診した際に、コストコが新たなパートナーを探し始めることになったという。コストコはその以前から現在より有利な条件をアメックスに求めていたが、同社は量販店側だけに「経済的になる」新たな契約は結べないと拒否したという。

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 今回の件は、コストコの力が強くなっていることを浮き彫りにした。同社は1983年に米国西海岸のワシントン州シアトルで創業したが、現在は全世界で671の店を持ち、ウォルマートに次ぐ米国第2位の小売りチェーンとなっている。