J&Jが協力呼び掛けも2社は拒否 ワクチン血栓の調査・発信で

米当局は今週、J&J製コロナワクチンの使用中断を勧告した

Photo: Mark Kauzlarich/Bloomberg News

 米製薬・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が、新型コロナウイルスワクチンを手掛ける競合各社に対し、血栓症リスクの調査と安全性に関する発信で協力するよう非公式に打診していたことが明らかになった。だが米ファイザーとモデルナは呼び掛けに応じなかった。

 ワクチン接種後にまれに血栓が生じる症例が報告されて懸念が広がる中、J&Jは先週、症例を調査する取り組みへの参加をファイザー、モデルナ、英アストラゼネカに呼び掛けた。事情に詳しい関係者が明らかにした。また、ワクチンの効果とリスクに関する情報提供や、血栓の報告によって人々が抱く懸念に対処するため、非公式に協力することも電子メールや電話で提案していたという。

 米保健当局によると、米国で700万人以上がJ&J製ワクチンの接種を受け、このうち女性6人に血栓が見つかり、1人が死亡した。こうした副反応は、ファイザーやモデルナのワクチンを接種した人の間では報告されていないという。...

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 米製薬・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が、新型コロナウイルスワクチンを手掛ける競合各社に対し、血栓症リスクの調査と安全性に関する発信で協力するよう非公式に打診していたことが明らかになった。だが米ファイザーとモデルナは呼び掛けに応じなかった。

 ワクチン接種後にまれに血栓が生じる症例が報告されて懸念が広がる中、J&Jは先週、症例を調査する取り組みへの参加をファイザー、モデルナ、英アストラゼネカに呼び掛けた。事情に詳しい関係者が明らかにした。また、ワクチンの効果とリスクに関する情報提供や、血栓の報告によって人々が抱く懸念に対処するため、非公式に協力することも電子メールや電話で提案していたという。

 米保健当局によると、米国で700万人以上がJ&J製ワクチンの接種を受け、このうち女性6人に血栓が見つかり、1人が死亡した。こうした副反応は、ファイザーやモデルナのワクチンを接種した人の間では報告されていないという。

 関係者によると、ファイザーとモデルナの幹部は自社のワクチンが安全であると考え、J&Jの提案を断った。両社はまた、すでに規制当局や企業が血栓の原因を調査していることから、同じ取り組みを別途行う必要はないと考えたという。協力することでファイザーとモデルナのワクチンの安全性が疑問視されることへの懸念もあったと関係者は話した。

 一方、J&Jと同様の血栓を巡る懸念に見舞われていたアストラゼネカが唯一、参加に同意したという。

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