レビュー

高いだけのことはある。ダイソンの“超高級くるくるドライヤー”「エアラップ スタイラー」

髪にカーラーアタッチメントを近づけるだけで、髪が勝手に巻き付いていき、あっという間にキレイなカールヘアの完成! そんな衝撃の動画をご覧になった方も多いのではないでしょうか。2018年10月に発売され、その新感覚の使用感と美しい仕上がりが注目を集めている「ダイソン エアラップ スタイラー」(以下、エアラップ)を、じっくり使用してみました。

髪の毛が勝手に巻き付くという新発想がスゴい!「ダイソン エアラップ スタイラー」

髪の毛が勝手に巻き付くという新発想がスゴい!「ダイソン エアラップ スタイラー」

高温の「ヘアアイロン」ではなく、髪にやさしい超高級「くるくるドライヤー」

まずお伝えしておきたいのが、エアラップは、100℃を軽く超える高温のコテでクセ付けをする「ヘアアイロン」ではなく、髪に温風を吹き当てることでスタイルを作る「くるくるドライヤー」に近い構造のアイテムだということ。本体に取り付けたアタッチメントの周りに起こる気流を利用して髪を自動で吸い寄せ、温風の熱でヘアスタイルを完成させる仕組み。風温は最高でも100℃程度と、ヘアアイロンに比べて髪へのダメージが少なくすみます。ただ、本体価格は約60,000円〜なので、「くるくるドライヤー」と呼ぶにはいささか高級すぎるかもしれません。

↓髪が勝手に巻き付くテクノロジーに関しては、こちらの記事でレポートしています↓
髪が勝手に巻き付く新発想! ダイソンのヘアスタイラー「エアラップ スタイラー」がさすがの逸品

エアラップは、一般的なヘアアイロンやくるくるドライヤーに比べてサイズが大きめなので、慣れるまでは扱いにくいと感じるかもしれません。また、消費電力は1,200Wで、くるくるドライヤーやヘアアイロンに比べるとかなり多いです。とはいえ、何時間も継続して使用するものではないので、電気代に関してはさほど気にする必要はありません。

本体のサイズは、カーラーアタッチメントを付けた状態で397(高さ)×41(幅)×47(奥行)mm、重さは694g

本体のサイズは、カーラーアタッチメントを付けた状態で397(高さ)×41(幅)×47(奥行)mm、重さは694g

コードの長さは、かなり長めの2.7m

コードの長さは、かなり長めの2.7m

電源の両脇に、風温と風量の調整スイッチが配置されています。風温と風量はそれぞれ3段階で調整が可能。電源スイッチを上にスライドさせると、冷風に切り替えられます

なお、エアラップには、9種類のアタッチメントがセットになった「ダイソン エアラップ コンプリート」(税込64,800円)と、「プレスタイリング ドライヤー」「30mm エアラップカーラー」「40mm エアラップカーラー」「スムージング ブラシ(ソフト)」の4種のみが同梱される「ダイソン エアラップ ボリューム+シェイプ」(税込59,400円)の2タイプが用意されています。今回使用したのは、「ダイソン エアラップ コンプリート」です。

アタッチメントは左から、「プレスタイリングドライヤー」「エアラップカーラー(30mm/40mm)」「スムージングブラシ(ソフト/ハード)」「ラウンドボリュームブラシ」。それぞれの用途については後ほど

勝手にしゅるん! 巻き髪を作るのは、時が経つのを忘れるくらい楽しい

ではさっそく、「エアラップカーラー」を使用して、巻き髪アレンジに挑戦します。「エアラップカーラー」は内巻き用と外巻き用の2本セットで、ミックス巻きのスタイルを作る場合は、途中でアタッチメントを付け替える必要があります。

「エアラップカーラー」は、ゆる巻きに適した40mmタイプ(左)と、しっかり巻ける30mmタイプ(右)の2種類。それぞれに矢印が印字されており、カールの方向がわかりやすくなっています

アタッチメントを付け替える際は、本体後ろのスライドスイッチでロックを外し、アタッチメントを抜き取ります。持ち手が付いているので、使用直後でアタッチメントが熱を持っていても、安全に付け替え可能

では、使ってみましょう。ちなみに、エアラップは湿った髪にも使用できる、というより、湿った髪で行ったほうがキープ力の高い仕上がりになるので、半乾き、もしくは軽く湿らせてから使用したほうがベターです。

下の動画をご覧ください。毛束のちょうど半分当たりをつまみ、毛先をアタッチメントに近づけると、しゅるしゅると髪の毛が巻き付いて行きます。その状態で5秒ほどキープすれば、カールヘアの完成! 風量が弱いと毛束がしっかり吸い寄せられず、ばらばらと落ちてしまうので、風量は最大がおすすめ。何度やっても気持ちいいので、時が経つのを忘れて没頭してしまいます。

アタッチメントを近づけるだけで髪が勝手に巻き付くので、後頭部のスタイリングもやりやすいです。また、アタッチメントは肌に触れても即やけどするような温度にはならないので、手が届きにくい部分にも安心して使用できるのもいいところ。

気流に沿って髪が巻き付くのでからみにくく、もちろん痛くもありません。電源をオフにすれば髪はするりと外れます

20分ほどでざっくり巻けました

20分ほどでざっくり巻けました

エアラップを使用して特に好感を持ったのが、仕上がりがふんわり軽いこと。一般的なヘアアイロンの場合、髪をクリップで挟んで熱を加えるため、髪がペタっとした仕上がりになりやすいのですが、エアラップは空気の熱でカールを付け、しかも終始髪の周りに気流が生じているためか、さらっとエアリーな質感をキープ。また、髪の毛を先のほうから巻き付けて行くので、毛先の仕上がりがきれいなのもいい!

下の写真は、エアラップで巻いた髪とクリップタイプのヘアアイロンで巻いた髪を比べたもの。特に毛先の仕上がりの違いは一目瞭然です。もちろん、ヘアアイロンを使い慣れた人やプロが使えば、一般的なヘアアイロンでもキレイに仕上げることができますが、慣れるまではなかなか納得のいく仕上がりにならないことも多いもの。エアラップなら、慣れや技術がなくても、簡単に毛先まで美しいカールを作ることができます。

エアラップで巻いたほう(左)は、毛先までくるりときれいな曲線を描いていますが、ヘアアイロンを使用したほう(右)は、毛先がカクッとしてしまっています

エアラップの使用感はおおむね良好ですが、ちょっと気になったのは、スタイルをより固定させやすくするために、温風を冷風に切り替える時。冷風スイッチは「風温」「風量」と同様にスライド式で位置も近いため、使用しながらだとほかのスイッチと間違えてしまうことが多々ありました。プッシュボタンなどであればさらに使用しやすいのではないでしょうか。また、つねに温風が顔や首まわりに吹くため、しばらく使用していると汗ばんできます。涼しい場所で使用しましょう。

冷風への切り替えスイッチは、もっとわかりやすい位置に欲しい

冷風への切り替えスイッチは、もっとわかりやすい位置に欲しい

そのほかのアタッチメントも、使い勝手良好です

エアラップには、カールヘアを作る「エアラップカーラー」のほかに4種類のアタッチメントが用意されているので、それらも使用してみました。

まずは、ストレートヘアを作る「スムージング ブラシ」から。寝ぐせでぼさぼさの髪を、ツヤのあるストレートヘアにしてみました。

細くやわらかい髪用の「スムージング ブラシ(ソフト)」(左)と、太く硬めの髪用の「スムージング ブラシ(ハード)」(右)が用意されているので、髪質に合ったほうを使用します

髪を霧吹きなどで少し湿らせてから、ブラシでとかすように、髪の内側と外側にアタッチメントを当てていきます。何のコツも技も必要ありません

湿った髪の毛が乾く頃には、すっかりストレートに。我ながら、天使の輪が美しい! つやつや過ぎて、撮影の際、ピントを合わせるのが大変でした

続いて、根元を立ち上げ、ボリュームのあるスタイルを作る「ラウンドボリュームブラシ」。ぺたっとしがちな頭頂部を、ふんわり自然な感じにしてみたいと思います。

ボリュームを出したい部分を持ち上げ、根元に「ラウンドボリュームブラシ」を当てます。ブラシを回すようにしながら、ふんわり髪の毛を立ち上げるだけ

ぱっくり分け目が付いてぺたっとしていた頭頂部に、自然なボリュームが出ました

ぱっくり分け目が付いてぺたっとしていた頭頂部に、自然なボリュームが出ました

最後に、「プレスタイリングドライヤー」です。「プレスタイリングドライヤー」は、名前の通りスタイリング前にざっと髪の毛を乾かすためのアタッチメントですが、筆者は夜シャン派のため、入浴後のドライヤーとして使用してみました。

ダイソンの「羽根のない扇風機」が小さくなったみたいでかわいい「プレスタイリングドライヤー」。見かけによらず、なかなか強い風を出します

風量の具体的な数値は非公表とのことですが、ダイソンのヘアドライヤー「スーパーソニック」に引けを取らない、スピードのある強い風です

風呂上がりにタオルドライし、5分ほど放置した髪を乾かしてみたところ、なんと5分で乾きました。これがあれば、もはや「スーパーソニック」は要らないのでは?とダイソンに問い合わせてみたのですが、「プレスタイリングドライヤー」をドライヤー代わりに使用することは推奨していないそう。エアラップのドライヤー機能は、後で髪をスタイリングすることを目的に設計されているので、日々髪を完全に乾かす目的なら、「スーパーソニック」を使用してほしいとのことでした。

まとめ

1週間ほどエアラップをじっくり使ってみて感じたのは、「とにかく髪にやさしい、そして、使用するのがとにかく楽しい」ということ。もちろん、顕微鏡で髪の状態まで確認したわけではありませんが、高温のヘアアイロンを使用した時に発生しがちな“熱された髪のニオイ”がしないことや、仕上がりの軽さで、髪へのダメージの少なさを実感できます。また、使用温度が低い点は、手が届きにくい後頭部のスタイリングもやけどを気にせず行えるほか、使用中にちょっと手を離す際も置き場所にそこまで気を使わずに済むなど、使用感のよさにもつながっていました。

エアラップの風温は最高100℃程度なので、使用中にちょっとラグの上に置いておけるのも便利です(熱に弱い素材の場合は注意)

じっくり使ってみて気になったのは、使用中の音が大きい(ドライヤーと同じくらい)点と、温風が顔や首まわりに当たり続けるので、長時間使用しているとちょっと暑いという2点。その点だけ許容できるのであれば、一般的なヘアアイロンに比べて、すこぶる快適に使用できるのではないでしょうか。ヘアアイロンに苦手意識がある方はもちろん、ヘアアイロンの扱いはプロ並みだけれども、長年愛用してきただけに、髪の傷みが気になるという方にも使ってみていただきたい逸品です。価格は一般的なヘアアイロンの比ではありませんが、それだけの価値はあると感じました。

アタッチメントのお手入れは、固く絞ったやわらかい布や、アルコール入りのウェットティシュで拭くのがよいそう。水洗いはできないので、汚れがひどくならないようにこまめなケアが必要です

大泉瑠梨(編集部)
Writer
大泉瑠梨(編集部)
美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る