「空気をデザインする」をコンセプトに、高い機能性とデザイン性をあわせ持つ空気清浄機や加湿器、除湿機などを展開している日本の空調家電メーカー「cado(カドー)」。斬新かつ洗練されたデザインはインパクトがあり、その美しいたたずまいにひと目惚れして購入を決めた人も多いのではないだろうか。そんなカドーが新たに、理美容家電メーカー「cado cuaura(カドークオーラ)」を設立。その第1弾製品として発売したのが、高機能ヘアドライヤー「BD-E1」である。
「BD-E1」の特徴は一目瞭然。一般的なドライヤーで言うところの“鼻”がなく、アルファベットの「P」のような形状をしているのだ。このノーズレスの「Pフォルム」により、軽量・コンパクトで機能的なドライヤーに仕上がっているとのことだ。重量は約400g(コードを除く)で、2019年2月12日現在、価格.comの「ドライヤー・ヘアアイロン 人気売れ筋ランキング」で1位となっている人気製品、パナソニック「ナノケア EH-NA9A」と比べると、175gも軽いということになる。
本体サイズは110(幅)×250(高さ)×60(奥行)mm。価格は30,329円(2019年2月12日時点の価格.com最安価格)
“鼻”のある一般的なヘアドライヤーの構造は、後方にあるモーターでファンを回転させて風を作り、ノーズ内のヒーターで風を温めて前方から吹き出す、というもの。モーターが高温になるのを防ぐため、モーターとヒーターの間に距離を取った結果がこの形状なのだが、前述の通り「BD-E1」には鼻がない。そのため円形の本体の中にモーターとヒーターを隣り合わせで設置しているが、モーターとヒーターの間に隔壁を設けることで、十分な遮熱性能を確保しているという。
一般的なドライヤーでは本体後方にある空気の吸込口は、本体の両サイドに配置
電源コード長は1.8m。断線しにくいよう、少し太めに設計されている
ブロー用にスタイリングノズルが付属する。マグネット式で簡単に着脱できるうえ、装着後にクルッと回してノズルの向きを変えることも可能。温風で乾かした後、冷風に切り替えて固めれば思い通りにスタイリングできる
一般的なドライヤー同様、吸込口の奥のフィルターにホコリが溜まるので、使用済みの歯ブラシなどで払い落とすか、掃除機で吸い取る必要がある
ノーズレスの利点はズバリ、髪までの距離をグッと縮められることにある。これによって髪が乾かしやすく、まるで自分の手の一部を操るように、意図した通りの自在なスタイリングが可能になるのだ。また、約400gと非常に軽量なうえ、鼻がない分、重心バランスがよく安定してグリップできるのも「BD-E1」の特徴。人差し指を本体下のくぼみに引っかけるだけでしっかりホールドできるので、検証のため5分、10分と使用していてもまったく腕が疲れなかった。
風量は弱/中/強の3段階で調節でき、風温は温風/冷風を切り替えられる。操作はいたってシンプルだ
本体下のくぼみに人差し指がフィット。グリップを離して人差し指1本でも支えられるほど重量バランスがよいので、400gという数字以上に軽く感じられる
実際に髪を乾かしてみると、これが想像以上に使いやすい。ノーズがないので小回りがきくし、乾かしたい場所にピタッと風を当てることができる。腕を動かす高さも最小限で済み、頭頂部や後頭部の髪も手際よく乾かせた
ノーズレスの利点は収納スタイルにも。ノーズがなく送風口を下にして置けるので、洗面台やドレッサーのわずかなスペースにもスッキリと収まるのだ。デザインがオシャレなので、洗面台に置いておくだけでサマになる
ドライヤーの1丁目1番地は、何と言っても髪が乾く速さ、すなわち「速乾性」だ。より高温の風を当てれば速乾性は高められるが、その代わり髪と地肌へのダメージが大きくなりがち。低価格帯のドライヤーならいざ知らず、「BD-E1」はプレミアムをうたうハイエンドモデル。「すぐ乾くから仕方ない」というわけにはいかない。
速乾性と熱ダメージの少なさを高いレベルで両立させるべく、「BD-E1」がこだわったのは<1>風質、<2>風量、<3>風温の3点だという。各ポイントについて、具体的なスペックをくわしくチェックしていこう。
<1>風質
送風口の最前面に、ハニカム構造のセラミックカートリッジを装備。遠赤外線効果が高いオーラストーンにテラヘルツ鉱石の粉末をブレンドしたもので、効率的に遠赤外線を髪と地肌に届けてくれるという。
ハニカム構造のセラミックカートリッジに加えて、ヒーター線にもセラミックコーティングを施した「デュアル遠赤外線」を採用。マイナスイオンユニットも搭載している
<2>風量
一般的なドライヤーは最大風量が1.6〜2.0m3/分程度のものがほとんどだが、「BD-E1」は定格消費電力1,000W の省エネ設計ながら、業界トップクラスの最大風量2.2 m3/分を実現している。筆者宅では普段最大風量1.4 m3/分のドライヤーを使用しているため、明らかにパワフルに感じられた。
パワフルな風が髪の根元までしっかり届くため、うねりやクセを抑えやすく、毛先や髪全体がまとまりやすいという
<3>風温
長時間ブローしていて頭皮が「熱っ!」となった経験は誰しもあるのではないだろうか。その点、「BD-E1」は最高風温が約85℃と低めに抑えられているため、髪のうるおいを保護するキューティクルや地肌を傷めにくい。それでいて、上述した大風量と遠赤外線効果によって速乾性はキープしているのだから、これはまさしく理想的な設計である。
熱くないのにすぐ乾く。これが「BD-E1」の真骨頂であり、たしかに送風口を髪や地肌に近づけて使っても、それほど熱くない。髪に必要な水分をしっかりとキープしたまま、自由自在にブローやスタイリングが行えるというわけだ
「低温風でもすばやく乾く」は本当か、実際に試してみることにした。いつも通りに洗髪し、いつも通りに乾かしてみた結果は、2分42秒。ショートカットとはいえ、普段「風温110℃、風量1.4 m3/分」のドライヤーを使用すると乾燥に少なくとも5分以上はかかっているので、2分半以上は時短できたことになる。仕事で疲れた夜やバタバタと慌ただしい朝にはとりわけ、その恩恵を実感できるに違いない。
洗髪後、髪が乾くまでにかかった時間は2分42秒。普段の約半分にまで時短することができた
普段使用しているドライヤーと仕上がりを比較してみたが、低温風と遠赤外線、さらにはマイナスイオンの効果か、「BD-E1」のほうが全体的にまとまっているように見える。手で触れると髪のパサつきも少なく、うるおいが感じられた
大風量で速乾性が高いうえに、送風口を近づけても熱くないため、子ども髪もササッと安心して乾かせた
30,329円(2019年2月14日時点の価格.com最安価格)という「BD-E1」の価格は決して安くない。即決できる価格でないのは間違いないだろう。しかし製品選びおいて重要なのは、それだけの値打ちがあるかどうか、つまりは満足度を含めた費用対効果である。見たことのない斬新なフォルムに「デザイン先行で、機能はいまひとつなのでは?」と懐疑的な意見を持たれそうな「BD-E1」だが、使ってみるとこのフォルムがしごく合理的なことがわかり、洗練されたデザインも相まって、手に持つと不思議なほどにしっくりくる。そして何より、速乾性の高さと、熱ダメージの少なさについてはまさにプレミアムな出来ばえとなっていた。輝きのある美しい髪を手に入れるための第1歩として、想像以上の満足度が得られる「BD-E1」を試してみてはいかがだろうか。