空気清浄機でありながら蚊を捕獲してくれるシャープ「蚊取空清 FU-GK50」(以下、蚊取空清)を、この夏、使ってみました。検証したのは、住んでいる地域が異なる3人。はたして、蚊を捕まえられるのでしょうか。
蚊取空清の構造は、シャープの一般的な空気清浄機と同じ。背面から部屋の空気を吸い込み、フィルターでろ過してキレイな空気を放出します。このような基本的な部分は踏襲しつつ、蚊を誘い込む仕組みを搭載。ざっくりと説明すると、内蔵されたUVライトに引き寄せられた蚊が本体に近づき、吸い込まれるというものです。薬剤を使用せずに捕獲できるのも魅力。
側面に用意されている小窓から、空気と蚊を吸い込みます。小窓の形状も、蚊が入り込みやすいものにしているのだそう。また、本体も虫が好む黒色を採用
虫が集まりやすいと言われる紫外線(UVランプ)を放射。本来は視認できませんが、作動していることがわかるように青色に光らせています
本体内に吸い込まれた蚊は、背面パネルの内側にある粘着シートで捕獲
保護フィルムを外して使用します。かなりネバネバしているので、粘着シートにくっついてしまったら蚊は逃げられないでしょう
蚊取空清がどのように蚊を捕獲するのか、詳しい構造が知りたい方は下の発表会レポートをチェックしてください。実際に蚊が引き込まれる動画もあります!
<関連記事>世界初! “蚊も取れる”シャープの空気清浄機「蚊取空清」を見てきた!!
ここからは、実際に3人が使用した結果を見ていきましょう。それぞれ1週間ずつ、「蚊取空清」モードで24時間稼動してもらいました。
「蚊取空清」モードを押すと、UVランプが点灯します。風量は比較的弱めな印象
まず、最初は岐阜県の古民家。お盆明けから1週間、居間に設定させてもらいました。築100余年の木造住宅なため、すき間風や虫も入ってきやすい環境です。ただ、今年は蚊が少ないようで、草が生い茂る場所に行ってもほとんど刺されなかったそう。
8畳の和室に置いて、通常どおり生活してもらいました
蚊3匹、小バエ21匹を捕獲。粘着シートを本体にセットしたまま配送したため、ホコリが付いてしまいましたが、本来は粘着シートにホコリはほとんど付きません(以下、同)
続いては、神奈川県・湘南にある鉄筋コンクリートの洋風の一軒家です。エアコンは使わず、窓を開けて網戸で過ごしているそう。お盆の時期に使用しました。
2階にある10畳の寝室に置いて、蚊の捕れ具合をチェック!
蚊は捕れなかったものの、小バエは3匹捕獲できました
最後は、東京にある一軒家です。犬を飼っているため、普段も蚊取り線香をたくさん焚き、置き型の虫除け(液体)もいたる所に設置して蚊には神経を尖らせているそう。蚊取空清の効果がわからないので、いつもどおりの蚊対策を行いつつ蚊取空清を稼動しました。使用時期は、お盆前です。
玄関入ってすぐの所に設置して、使用。ニオイや花粉対策にもなるため、玄関で空気清浄機を使うのは有効です
残念ながら、一匹も粘着シートに付着していませんでした。用心で近くに虫除け剤を置いていたからかもしれません……
検証の結果をふまえ、蚊取空清は使う場所が問われるのではないかと思いました。もともと蚊が少なく、害虫駆除などが行われているような都心部では蚊を捕獲するほどの効果は得にくいかもしれません。しかし、水辺や草むらがまわりにあったり、侵入経路が多い木造住宅では有効そう。今回のケースでいうと、岐阜県の古民家での使用ですね。今年は蚊が少ないため、おどろくほどの捕獲とはいきませんでしたが、蚊以外の小バエがたくさん捕れたのは魅力。
また、今回は重点をおいて見ていませんでしたが、空気清浄機としての浄化力がとてもすぐれている印象です。計1か月使用した蚊取空清のプレフィルターをチェックすると、ホコリがびっしり! 空気の汚れをしっかり取ってくれているようですね。過大な蚊取り能力を望むのではなく、空気清浄機のオプションとして蚊捕り機能がある程度の気持ちで利用すると小バエなども捕獲できて満足できるのではないでしょうか。
1か月使用した空気清浄機のプレフィルターは真っ白に! このホコリの取れ具合はすごい