選び方・特集

入門用ロードバイクは10万円前後でOK! 初めてにぴったりな9モデルを厳選


道路の脇を軽快に走り抜ける姿を見て、憧れている人も多いであろうロードバイク。しかし、ロードバイクは数十万円することもざらだ。ロードバイクはおろか、スポーツタイプの自転車に乗るのも初めてなら、手ごろな価格のエントリーモデルから始めてみよう。ここでは、現時点で安心、安全に乗れる性能を担保した10万円(税別)以下のエントリーバイクを厳選してみた。

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“安全に楽しく”を考えるなら最低でも10万円前後のモデル!

ロードバイクの価格帯は、3万円ほどで買えるいわゆる「ルック車」から100万円以上もする「ツール・ド・フランス」でトップライダーに使用されているバイクまで、かなり幅が広い。これら価格の差はフレーム素材やコンポーネント(変速ギアやブレーキなどのパーツ類)のグレードによって変わってくる。一概に言えないところもあるが、比較的手ごろなモデルはアルミや鉄製のフレームがメインで、ハイスペックなモデルになればなるほど、フレームに軽量なカーボン、チタンなどを採用しているのが一般的だ。加えて、ペダルを踏んだパワーをロスなく推進力に変え、高い振動吸収性を発揮したり、乗り心地を快適にするパーツが装備されているのも上位機に多い。

10万円前後の完成車についていることが多いコンポーネント「SHIMANO TIAGRA」。コンポーネントも価格が高くなるほど耐久性が高くなり、軽量で操作性がスムーズなものになる

このように快適な走行性や操作性を求めるなら、グレードの高いコンポーネントなどを搭載したモデルのほうが優位なのは間違いない。だが、最上位クラスのロードバイクは、ツール・ド・フランスなどのトップレースで使用されているモデルであり、自動車でいえばF1のマシンにたとえられるような位置づけなため、初心者がその性能を使いきれないこともある。まずは、手ごろなエントリーモデルから始めてみると費用的にもムダがない。とはいえ、エントリーモデルでもロードバイクは普通の自転車に比べると高価。10万円前後以下で買えるモデルもあるが、安心して長く乗り続けることを考えると、10万円前後というのがひとつの価格の目やすとなる。

最高級のカーボンとパーツを組み合わせた、ビアンキとフェラーリのコラボレーションモデルはメーカー希望小売価格2,200,000円(税別)! ただ乗るためだけでなく、所有欲を満たす1台を選ぶのも一興だ

なお、この特集で紹介するロードバイクのフレームは、ほとんどがアルミ製。今はカーボン素材が全盛の時代なので、アルミ素材は1世代前の素材だが、ここ数年、各社がアルミフレームの開発に力を入れており、アルミの加工技術も進化しているため、アルミフレームでも乗り心地がよいモデルは増えている。ただし、変速のギア段数はトップモデルに比べると少ない。たとえば、シマノ製のコンポーネントの場合、最高グレードの「デュラエース」ではリア11段だが、10万円クラスに採用されていることの多い「ソラ」は9段。リアディレイラー単体の価格もデュラエースのリア変速機が約18,000円なのに対し、ソラは約3,500円と大きく差がある。段数の違いだけではなく、レバーを操作した時の軽さ、スムーズさ、耐久性にもかなり違いはあるが、本格的なレースに出場する予定がないなら10万円前後のモデルでも十分だろう。

「ソラ」グレードのモデルのコンポーネントだけをあとから交換してグレードアップすることもできる。ただし「ソラ」や「ティアグラ」 から「105」以上へのグレードアップは互換性の問題で難しい。もしグレードアップの可能性があるのなら、「ソラ」ではなく、「ティアグラ」グレードのモデルを選ぶほうが適している

購入の際、チェックしておくといいポイント

ロードバイクを購入するうえで、もっとも大切なことはサイズ選びだ。どれほど高級な自転車を買っても、自分の身体のサイズに合っていないと自転車の性能を生かせないだけではなく、肩や首、お尻が痛くなり、思うように走行できないことも。初心者が自分の自転車のサイズを知ることは難しいので、1度は自転車ショップでアドバイスを受けるほうがいいだろう。その際に「速さを求めたい」「できるだけ長時間乗りたい」「乗り心地のよい快適性が高いものがいい」というように、自身のリクエストを伝えておくと、サイズだけでなく、使用目的に合った自転車を紹介してもらえる。基本的にロードバイクは「速く遠くまで走るもの」ではあるが、その中にも「スピード重視」「快適性重視」「軽さ重視」などの特性があり、これらはフレームの設計段階から決められているものなので、自転車を選ぶ際に自分の乗りたいスタイルは決めておいたほうがいいだろう。

自分が乗りたいスタイルが思い浮かばない時は、上りも下りも平坦もそつなくこなせるオールラウンドモデルを選ぶのも手だ

10万円以下の“買ってよし!”なロードバイクをピックアップ

同じように見えるロードバイクだが、モデルによって設計や乗り味が異なり、適する用途は違ってくる。今回は、汎用性の高い乗り方ができる10万円以下(税別)のロードバイク9モデルをピックアップしてみた。まだ乗り方が決まっていない場合は、デザインで決めてしまってもOKだ。

ジャイアント「CONTEND 1(コンテンド1)」

世界最大の自転車ブランドとして知られるジャイアントは、低価格ながらも高品質である点が魅力。「CONTEND 1」は、力強い走りが望める「TCR」と快適さが特徴の「ディファイ」という人気の高い2モデルの特性をあわせ持ち、サイクリングや通勤に使えるのはもちろん、本格的なロングライドやちょっとしたレースにも使用できる。1台のバイクでいろいろなことがしたい人、とりあえずロードに乗りたいと思っている人向け。9.4kg(465mm)と比較的重量も軽いので、取り回しもしやすく初心者に最適だ。

メーカー希望小売価格は98,000円(税別)

●スペック
・タイヤサイズ:700×25C
・フレーム素材:アルミニウム
・変速ギア:2×9速(シマノ・ソラ)
・重量:9.4kg(サイズS)
・サイズ:430(XS)、465(S)、500(M)、535(ML)mm
・カラー:ブルー、マットチャコール

トレック「Domane AL 3(ドマーネ AL 3)」

「Domane AL 3」はロングライドを快適に走るためのフレームデザイン、フォークを採用したモデル。トレック独自のIsoSpeedカーボンを使用したフォークにより、路面の振動を吸収し、長時間のライドでもライダーに疲れを感じさせない。さらに、リア9段変速のシマノ・ソラは軽めのギア設定なため、上りもラクに走ることができる。なお、トレックには数々の保証プログラムが設けられている点も魅力だ。

メーカー希望小売価格は98,000円(税別)

●スペック
・タイヤサイズ:700×28C
・フレーム素材:アルミニウム
・変速ギア:2×9速(シマノ・ソラ)
・重量:9.74kg(560mm)
・サイズ:470、500、520、540、560、580mm
・カラー:トレックブラック、マットクイックシルバー

キャニオン「ENDURACE AL 6.0(エンデュレース AL 6.0)」

10段変速のティアグラ、軽い走りをもたらすマヴィック製ホイールを搭載した「ENDURACE AL 6.0」は、シフトケーブルなどがフレームに内蔵されるなど、同価格帯のモデルよりワンランク上の走り、機能が楽しめる。というのも、キャニオンはショップを通さず、メーカーの直販サイトから直接購入するシステムなので、同じ価格帯で比べた場合、他ブランドよりも明らかにハイスペックなものが低価格で手に入れられるのだ。ただし、本社工場で組み立てられたものが届くため、メンテナンスや調整は自分で行う必要がある。メカに自信がある人、周囲にメカにくわしい人がいる場合は、大いにメリットを享受できるだろう。

メーカー希望小売価格は99,000円(税・送料別)

●スペック
・タイヤサイズ:700×25C
・フレーム素材:アルミニウム
・変速ギア:2×10速(シマノ・ティアグラ)
・重量:8.6kg(サイズM)
・サイズ:XS、S、M、L、XL、2XL、3XL
・カラー:レースレッド、ステルスイエロー

キューブ「ATTAIN(アテイン)」

装着されているのは25Cのタイヤだが、28Cまで装着できるので、クッションが高い乗り心地に変更が可能。上体を起こしたリラックスした姿勢で乗ることができるフレーム設計のため、身体の柔軟性に自信がないライダーにもうってつけだ。また、リアタイヤ側のフレームを細くし、振動吸収性も向上させている。重量は10sを切るほど軽く、かなり軽快にライディングが楽しめるはず。

メーカー希望小売価格は98,600円(税別)

●スペック
・タイヤサイズ:700×25C
・フレーム素材:アルミニウム
・変速ギア:2×8(シマノ・クラリス)
・重量:9.5kg
・サイズ:470、500、530、560、580mm
・カラー:black×flashgreen

ジオス「FENICE フェニーチェ」

10万円前後の価格帯の場合、フレームにアルミ素材を採用していることが多いが、フェニーチェのフレームはクロモリ製(鉄製)。細身の鉄製フレームは独特のしなりがあり、振動吸収性の高い乗り心地のため、ロングライドなどに最適だ。ギアも軽めの設定なので、疲労を感じることなく目的地まで走り切れるだろう。なお、クラシカルなフレーム設計は自宅に飾っていても絵になるもの。所有欲まで満たしてくれる1台である。

メーカー希望小売価格は88,000円(税別)

●スペック
・タイヤサイズ:700×25C
・フレーム素材:クロモリ
・変速ギア:2×8(シマノ・クラリス)
・重量:10.2kg(サイズS)
・サイズ:450、480、500、520、540 mm
・カラー:ジオスブルー

メリダ「SCULTURA 100(スクルトゥーラ100)」

1988年に設立された台湾の自転車メーカー「メリダ」は、独特なフレームデザインと低価格で高スペックという特徴を持つ。その中の「SCULTURA 100」は、自社生産のアルミフレームで9.5sの軽さを実現。ケーブルも内蔵化され、ひとクラス上のバイクのようなスッキリとしたデザインに仕上げられている。また、フロントフォークにはカーボンを採用し、振動吸収性を向上。ヒルクライムイベントなどで、特に軽やかな走りを楽しみたい人に適するだろう。なお、小柄な人でも乗れるように44cmからサイズがあるのも魅力のひとつだ。

メーカー希望小売価格は93,900円(税別)

●スペック
・タイヤサイズ:700×25C
・フレーム素材:アルミニウム
・変速ギア:2×8(シマノ・クラリス)
・重量:9.5kg(500mm)
・サイズ:440、470、500、520、540mm
・カラー:パールホワイト、マットブラック

ガノー「AXIS C3」

カナダのオリンピック選手だったルイ・ガノー氏が立ち上げたブランドで、小径車やクロスバイクが中心の「LOUIS GARNEAU(ルイガノ)」と、ロード中心の「GARNEAU(ガノー)」を展開。アルミフレームの「AXIS C3」はロングライドや日常の通勤・通学にぴったりの機能をもったバイクだが、リアキャリアを取り付けるためのダボ穴も用意されているので荷物を積んで旅に出ることもできる。9段変速のギヤは上りでも軽く走れる大きめのものを採用しており、脚に自信のない初心者でも扱いやすい。

メーカー希望小売価格は99,000円(税別)

●スペック
・タイヤサイズ:700×25C
・フレーム素材:アルミニウム
・変速ギア:2×9(シマノ・ソラ)
・重量:非公開
・サイズ:470(S)、500(M)、530(L)mm
・カラー:シャドーグレー、メタリックデニム

GT「GRADE ALLOY COMP(グレード アロイ コンプ)」

剛性と乗り心地のよさをもたらす「トリプルトライアングルフレーム」が特徴のGT。「GRADE ALLOY COMP」は舗装路だけではなく、オフロードも走れる「グラベルロード」というモデルで、ウエットコンディションでもしっかり効くディスクブレーキ、32Cの太めのタイヤを搭載することで、あらゆるコンディションでも快適に走れるようにしている。キャリアやフェンダーを到着できるダボ穴もあるので、普段使いからロングツーリングまで幅広く活躍してくれるだろう。

メーカー希望小売価格は84,800円(税別)

●スペック
・タイヤサイズ:700×32C
・フレーム素材:アルミニウム
・変速ギア:2×8(シマノ・クラリス)
・重量:10.96kg
・サイズ:480、510、530、550mm
・カラー:ブラック

フェルト「FR60」

フレームの魔術師と言われるジム・フェルト氏が創設した、質実剛健のバイクを供給する「フェルト」。「FR60」も例外ではなく、コンピューター上でパイプの太さや厚みを設計し、走行中に発生するペダリング、地面からの突き上げなどの力を想定する技術により生み出された。力を受けとめる部分のフレームは太く、逆に振動を吸収したい部分は細くした曲線的なデザインを採用。これにより路面をしっかりとらえて進むことができ、かつ、路面からの振動は逃がすというバランスのとれたバイクを実現した。

メーカー希望小売価格は89,800円(税別)

●スペック
・タイヤサイズ:700×25C
・フレーム素材:アルミニウム
・変速ギア:2×8(シマノ・クラリス)
・重量:10.55kg(サイズ560mm)
・サイズ:430、470、510、540、560mm
・カラー:ネイビー

今 雄飛
Writer
今 雄飛
ミラソル デポルテ代表。自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン。
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中村真由美(編集部)
Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
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