２年連続で貿易黒字　１７年、２．９兆円

　財務省が２４日発表した２０１７年の貿易統計速報（通関ベース）は、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が２兆９９１０億円の黒字となった。世界経済の回復に伴い自動車などの輸出が増える一方、原油高の影響で輸入が膨らみ黒字幅は前年に比べ２５．１％縮小した。

　貿易収支の黒字は２年連続だが、原油高の継続に加え欧米中銀の金融引き締めによる新興国からの資金流出などの影響で、世界経済が減速する可能性もあり、１８年も黒字を確保できるかは不透明だ。

　輸出は１１．８％増の７８兆２８９７億円で、０８年（８１兆円１８１億円）に次ぎ、過去３番目に高い水準となった。韓国向けの半導体製造装置や米国向けの自動車などが伸びた。欧米への輸出が２年ぶりに増加に転じ、中国を含むアジア向けの輸出は１５．７％増の４２兆９２５２億円と過去最大を記録した。一方、輸入は１４．０％増の７５兆２９８６億円。原油価格の上昇と円安の影響で、資源国の中東や豪州からの輸入額が膨らんだ…