スズキが12日に公表した新車の完成検査不正に関する調査報告書は、同社の自浄能力の欠如をあらためて浮き彫りにした。ブレーキ検査の不正や無資格者による検査の隠蔽(いんぺい)工作が外部の指摘で新たに発覚。人員削減や生産効率を優先し、品質管理を軽視する企業風土の改革が求められている。
「顧客の信頼を裏切る結果となり、おわび申し上げます」。東京都内で12日開かれた記者会見の冒頭、スズキの鈴木俊宏社長は8秒間にわたり深く頭を下げた。
外部の弁護士事務所による調査は、自動車の安全性に直結するブレーキなどの全車検査で、不合格とすべき車を合格として処理するなど同社のずさんな品質管理体制を指摘。報告書は「端的にはスズキの完成検査業務の重要性に対する自覚の乏しさが主要な要因」と厳しく断じた。
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