地下鉄サリンで重い障害 寝たきりの闘病続けた浅川さん死去 56歳

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地下鉄サリン事件で被害に遭った浅川幸子さん(右)=1996年1月1日(家族提供)
地下鉄サリン事件で被害に遭った浅川幸子さん(右)=1996年1月1日(家族提供)

 オウム真理教による地下鉄サリン事件の被害者で、寝たきりの闘病生活を続けてきた浅川幸子さんが10日、56歳で亡くなった。死因はサリン中毒による低酸素脳症。19日に記者会見で明らかにした兄一雄さん(60)は「これからは頑張らなくていい。さっちゃん、ゆっくり休もう」と語りかけたといい、声を詰まらせた。事件は20日、発生から25年を迎える。

中野坂上駅でサリン、重い後遺症

 1995年3月20日朝、幸子さんは普段とは異なる職場に向かうために丸ノ内線に乗り、事件に遭遇した。中野坂上駅でサリンを吸い込み、心肺停止状態で搬送された。

 勤務先から駆け付けた一雄さんは病院で、人工呼吸器につながれ土気色の顔をした幸子さんと対面した。耳元で「お兄ちゃんが来たから大丈夫」と声をかけたが返事はなかった。後遺症は重く、医師から「生きていることが奇跡」と言われた。リハビリにも取り組んだが、重い言語障害が残り、視力も失った。

事件前日、おいっ子にランドセルをプレゼント

 家族思いの優しい妹だった。早く手に職をつけたい…

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