怒り増幅のレバノン 穀物備蓄は残り1カ月分 コロナ禍で医療逼迫

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硝酸アンモニウムが保管されていた倉庫は爆発で跡形もなく吹き飛び、隣接する食料貯蔵施設は片面が崩壊して中の穀物が流れ出していた=ベイルートで5日、AP
硝酸アンモニウムが保管されていた倉庫は爆発で跡形もなく吹き飛び、隣接する食料貯蔵施設は片面が崩壊して中の穀物が流れ出していた=ベイルートで5日、AP

 レバノンの首都ベイルートの港湾地区で4日に起きた大規模爆発で、同国の市民生活が危機に陥っている。穀物の備蓄は1カ月分しか残っておらず、新型コロナウイルスの感染も拡大。レバノン情勢は混迷の度を深めている。

 中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、7日までの死者は少なくとも154人に上り、負傷者も5000人に達した。司法当局は爆発を引き起こした硝酸アンモニウムを長年ずさんに管理してきた業務上の過失があったとして、港湾当局者ら16人を拘束した模様だ。

 一方、地元メディアによると、アウン大統領は7日、爆発原因について「まだ断定していない」としたうえで、過失や事故との見方のほかに「ミサイルや爆弾などによる外部からの介入の可能性」も調査していると述べた。その根拠には言及していない。

 レバノンは食料の8割を輸入に頼っており、爆発現場となったベイルート港はその玄関口だ。現場近くにあった穀物などの食料を貯蔵する施設も破壊され、ナーマ経済・貿易相は「穀物の備蓄は1カ月に満たない」と語った。

 こうした中、旧宗主国フランスのマクロン大統領は6日に外国首脳として初めて現地入りし、レバノンへの支援を確約。復興に向けた国際支援会合も近く開催されると明らかにした。その一方…

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