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2020米大統領選

2020年11月に行われた米大統領選。共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン氏が争い、バイデン氏が勝利した。

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「選挙結果を盗まれた」 トランプ氏支持者、一部が暴徒化 議会襲撃の現場

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米ワシントンの連邦議会議事堂に押し寄せるトランプ大統領の支持者=2021年1月6日、ロイター
米ワシントンの連邦議会議事堂に押し寄せるトランプ大統領の支持者=2021年1月6日、ロイター

 バイデン前副大統領が勝利した2020年11月の米大統領選結果を公式に集計する上下両院合同会議が開かれた連邦議会に6日、多数のトランプ大統領支持者が侵入した。敷地内で銃撃された女性1人を含む4人が死亡した。議会は約6時間の中断後に再開し、7日未明にバイデン氏の勝利を正式に確認する見通し。事態を受けてコロンビア特別区(首都ワシントン)は6日午後6時から夜間外出禁止令を発令した。

 首都警察の発表によると、死亡した女性は下院本会議場に侵入を試み、議会警察の私服警察官に発砲された。他に騒乱のさなかに女性1人と男性2人が建物周辺で死亡した。首都警察は「医療対応が必要な緊急事態に陥った」とのみ説明している。

 首都には州兵約3000人が投入されたほか、南部バージニアなど近隣州の警察も動員され、侵入者の排除や市内の警戒に当たっている。ワシントンのバウザー市長は大統領就任式翌日の今月21日まで、全域に緊急事態令を出した。外出禁止令の拡大などより強硬な騒乱抑止の措置が可能となる。

 ワシントンでは6日午前から数万人規模のトランプ氏の支持者集会が開かれた。トランプ氏は正午ごろ、「選挙に勝利したのは我々だ」などと演説し、議事堂に向かって行進するよう支持者に呼びかけた。

 午後2時過ぎ、数千人の支持者が議事堂を囲み、警察の警備線を破った数百人がガラスを割るなどして建物内になだれ込み、一部は議場に侵入。上院の議長席で拳を突き上げる支持者の姿も見られた。また建物内の議員事務所なども損壊の被害にあった。連邦捜査局(FBI)は侵入者の特定のため現場の写真や映像の提供を市民に呼びかけている。

 米連邦議会は新型コロナウイルスの影響で20年春以降、一般の立ち入りが禁止されている。議事堂が大規模な侵入被害に遭うのは、米英戦争時に英国軍により建物が放火された1814年以来。またワシントン・ポスト紙によると、議会近くの共和党全国委員会本部で6日、パイプ爆弾が発見された。民主党全国委本部でも不審物が発見されたという。

 騒乱を受け、バイデン氏は…

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