アート、エンターテインメント、アニメ、マンガの優れた作品を顕彰する「第21回文化庁メディア芸術祭」(同実行委員会主催)の受賞作品が16日に発表され、アニメーション部門では、劇場版アニメ「この世界の片隅に」(片渕須直監督)と「夜明け告げるルーのうた」(湯浅政明監督)の2作品が大賞に選ばれた。
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文化庁メディア芸術祭はアート、エンターテインメント、アニメ、マンガの4部門において優れた作品を顕彰すると共に、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバル。今年度は世界98の国と地域から応募された4192作品の中から、大賞、優秀賞、新人賞が発表された。
「夜明け告げるルーのうた」は、テレビアニメ「四畳半神話大系」「ピンポン THE ANIMATION」などで知られる湯浅監督が手がける初めての完全オリジナルの劇場版アニメ。寂れた漁港の町・日無町に住む中学生のカイが、人魚のルーと出会い、交流を深めることで次第に心を開いていく……というストーリー。女優の谷花音さんがルー、俳優の下田翔大さんがカイを演じた。
「この世界の片隅に」は、「漫画アクション」(双葉社)で連載され、2009年に「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代さんのマンガが原作。戦時中、広島・呉に嫁いだ18歳のすずの生活が、戦争の激化によって崩れていく様子が描かれた。女優ののんさんがすずの声優を務めたことも話題になった。
アニメーション部門では、優秀賞に短編アニメーション「ハルモニア feat. Makoto」、神風動画制作のオリジナルアニメ「COCOLORS」、今年の第90回アカデミー賞の短編アニメ賞にもノミネートされた「Negative Space」が選ばれた。新人賞には、テレビアニメ「舟を編む」、短編アニメーション「The First Thunder」「Yin」が選出された。
アート部門では、砂漠と海のそれぞれの映像にデジタル処理を行うことで、オリジナルの風景を超越する「メタ・ランドスケープ」を引き出すインスタレーションプロジェクト「Interstices/Opus I‐Opus II」(チュニジアのヘイサム・ザカリアさん)、エンターテインメント部門でマンガ研究家の竹内オサムさんに功労賞が贈られた。
内覧会・贈呈式は6月12日、受賞作品などを展示する受賞作品展は6月13~24日に国立新美術館で行われる。
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