コンタクトプレーに定評のある高体連の2チームを向こうに回し、肉弾戦で渡り合った中学生がいた。「球際はチームでも言われていること」と話してくれたのは、サンフレッチェ広島ジュニアユースのMF山崎大地。181cmのサイズを含めて生まれ持った強さは当然ながらあるわけだが、逃げずに食らい付く姿勢自体が際立っていた。

 15日から18日にかけて千葉県内で開催されたU-15日本代表候補合宿。山崎は練習の中ではそれほど目立つ存在ではなかったが、実戦では確かな存在感を示した。午前中の市立船橋高戦は中盤で個人として戦う部分では良さが出る場面もあったが、グループとしての連係を欠いて結果も大敗。午後の流通経済大柏高戦は一人がボールに行ったら後の選手が続いて連動するという基本を再確認したことで、山崎の強さがより際立つこととなった。

 本人も一定の手応えは得たようだが、「シュートを決めたかった。そこは自分のストロングポイントなので、出したかった」と不満顔ものぞかせる。惜しいシュートがありながらも無得点に終わったことを悔しがった。

 森山佳郎監督はそんな山崎について「この代表に残りたい! 食い下がってやる!そんな気持ちを出してくれた」と認める。ベスト布陣となる来月の韓国遠征メンバー生き残りに向け、理想のプレースタイルを「攻撃は(広島の)青山敏弘選手、守備は(元イングランド代表DF)ジョン・テリー」と語る武闘派ボランチが猛烈なアピールを見せた。

(取材・文 川端暁彦)