2017年6月19日
TEXT:編集部
大手キャリアと比べると月額料金を大幅に削減できる格安スマホ。2016年に行われた総務省調査では、格安スマホ利用率が10%を超え、「格安スマホ」「格安SIM」という言葉の認知度も80%を超えてきている。今現在も、続々と利用者が増加していると思われるMVNOだが、どのような人々がをいち早く利用しているだろうか。調査団体・媒体別の傾向と、アンケート回答者からのヒアリングをもとに、その傾向を分析する。
▷セグメントによって「格安スマホ」利用率は変わるのかまず各調査団体がおこなった「格安スマホ利用率」の調査結果を見て行こう。2016年に行われた総務省調査では、MVNOを利用している人の割合は12.7%となっている。次に2017年3月に行われた、マーケティングリサーチ機関「MMD研究所」による調査結果。こちらでも12.1%とほぼ同じ結果だ。

この2つの調査機関では「携帯電話の必要性を感じない」と回答する人も見られ、高齢者や日常的に通信機器を利用しない生活を送っている人も含めた、全国民が対象になっていることが伺える。おそらくこれが日本における現在の「格安スマホ利用率」である。

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次に「MM総研」がインターネットユーザーを対象に行った調査を見てみると、利用者数が14.9%とわずかに高い結果が出ている。アンケート回答者をインターネットユーザーに絞ることによって、格安スマホはもとより、そもそも通信機器を日常的に使用しないという人がアンケート対象から除外され、結果が底上げされていることが見て取れる。

さらに、インターファームがスマホ比較サイト「すまっぴー」上で行った調査。アンケート回答者がスマホ比較サイトを訪れていることから、通信費の削減や、スマートフォン自体に興味を持つ人が対象になっていると思われる。このセグメントでの利用率は25.0%。日本平均の12%台から比べると、倍近い数字が出ている。

そして「MdN Design Interactive」で独自のアンケート調査を行ったところ、さらに高い37.9%という結果が出た。当サイトはWebデザイナーやエンジニアといった層を中心に利用されており、マスコミ関係者など各種情報に敏感なユーザーも多い。

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単にインターネットユーザーというだけでなく、アンケート回答者の職業や興味対象を絞ると、格安スマホ利用率は大きく変わってくるようだ。常時安定した通信環境が必要な株投資家や、節約に敏感なファイナンシャルプランナー、警察官や自衛官などを対象にアンケートを取ったらどのような結果がでるのか、興味の湧くところである。
▷スマホ比較サイト「すまっぴー」の調査結果スマホ比較サイト「すまっぴー」を運営する、株式会社インターファームが行なったアンケート調査「節約意識と格安スマホ利用」で、面白い調査結果がでているので紹介しよう。このアンケートでは男性・女性、年齢層といった属性データだけではなく、年収や職種など幅広い観点から格安スマホに対する意識を調査している。

まず、職種別調査では、営業職の格安スマホ利用率が非常に少なくなっているのが見て取れる。通話をよく使う営業職の場合は、かけ放題のついた大手キャリアの料金プランがニーズに合っているのだろう。また、会社からスマホを支給されているケースもあると思われる。趣味傾向だけでなく、通信業者のサービスプランが利用者のニーズに合致しているか否かというのも重要なポイントだ。

一方、企画職・技術職では、格安スマホ利用率が高い傾向にある。格安スマホは、多くのMVNOの中から契約先とプランを選択し、スマートフォンの設定を自分で行う必要があるため、情報に明るく技術力のある層が、いち早く格安スマホに乗り換えている――という結果には頷ける。次に、年収別調査を行ったところ、年収が高くなればなるほど格安スマホの利用率が増加するという、驚きの結果が出た。「格安」という言葉のイメージから、年収が高い人は格安スマホを避けるのではないかと思われるが、年収が1000万円を超える高所得者になると、細かいステータスなど気にせず、合理的な判断をするということだろうか。年収200万円以下では利用率が低くなっているが、これは学生が両親に携帯料金を支払ってもらっているケースが多く含まれているためと推測される。他にも「ダイエットを意識している人は格安スマホ利用率が高い」「ギャンブル好きは格安スマホを使わない」など、一風変わった視点から格安スマホユーザーを分析しており、MVNOの普及傾向が伺える調査結果となっている。
▷いち早く「格安スマホ」を取り入れたアーリーアダプターは、サービスに満足しているのか?さて、最も格安スマホ利用率が高いと出たMdN Design Interactive読者のうち、格安スマホを使っていると答えた回答者に、その使用感について聞いてみた。現行の格安スマホは、見た目に敏感なデザイナーや、情報感度の高いマスコミ関係者の要望に応えることができているのだろうか。全体の半数が、デザインにも性能にも満足と回答。「デザイン」「性能」を分けて質問してみると、それぞれ3人に2人が満足しているようだ。MVNOもハイエンドモデルを複数取り揃えるようになってきており、こだわりのある人は個人でSIMフリースマホを購入するという方法もある。月額料金を抑えながらも満足のできるスマートフォンを手に入れられる状況の中、ネックになっているのは、導入の手間やサービスに対する理解度だけなのかもしれない。

次に、通信速度について聞いてみると、こちらも全体の約3分の2が「大変満足」または「ほぼ満足」と回答した。回線混雑時には、著しく速度が低下すると言われているMVNOだが、さほど遅いと感じている人はいないようだ。もっとも、実際に行われた通信速度検証においては、通勤・昼食時間帯に大幅な速度低下が検出されているMVNOも多いので、速度が落ちないというわけではないのだろう。普通にスマートフォンを使用している限りでは、その低下がストレスになるほどではないと、ユーザーが判断しているのである。また、MMD研究所の調査結果によると、格安SIMサービスをメインで利用している人のうち、43.5%は音声通話機能のついていない「データ専用プラン」を選択している。「050PLUS」「LINE電話」のようなIP電話があれば、従来の電話機能は必要ないと考える人が増えてきているようだ。NMPの流行や格安スマホの登場で、ここ数年の通信事業者は常に大きな変化を求められてきたことだろう。しかし、ユーザー側の意識が変化を続けている以上、まだまだ一波乱ありそうである。「総務省」調査
URL:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc132110.html

「MMD研究所」調査
URL:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1638.html

「MM総研」調査
URL:https://www.m2ri.jp/news/detail.html?id=232

「インターファーム」調査
URL:https://smappy-if.com/articles/kakuyasu-sumaho/294

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