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酒に弱い人が多いのは三重県、愛知県、石川県。酒豪が多い県1位は?

― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第6回 ―

世界的に見てお酒に弱い人が多い日本人

 今回は、酔いに関してご紹介します。お酒好きはあまり真面目に考えないことが多いですが、まわりに迷惑を掛けないためにも、自分のカラダに気を遣うためにも、キホンは押さえておきたいところです。  お酒=アルコールを飲むと、肝臓がフル回転して、アセトアルデヒドという物質に分解します。アセトアルデヒドには毒性があり、頭痛や気持ち悪さを引き起こします。その後、酵素の働きで無害な物質に変換され、酔いが覚めていきます。これが基本的なメカニズムです。  日本人のなかには、このアセトアルデヒドを分解する酵素を持っていなかったり、働きがとても弱い人が多いのが特徴です。これは遺伝子で決まっています。この酵素がきちんと動いてアルコールを正常に分解できる、NN型という遺伝子型はモンゴロイドでは56%しかいません。そして、NN型の16分の1しか活性しない人(ND型)が40%、まったく活性しない人(DD型)が4%います。日本人がお酒に弱いのは、遺伝的な特徴なのです。細かく見ると、中国人や韓国人よりもNN型は少ないと言われています。ちなみに、黒人や白人はNN型が100%です。

酒の強さは遺伝。見た目や性別は関係ないのです

 同じ量のお酒を飲んだときに、肝臓が分解しきれないアルコールやアセトアルデヒドは血中を流れます。NN型の人と比べると、ND型の人は4~5倍、DD型の人は20~30倍のアセトアルデヒド濃度になるそうです。

酒をたくさん飲んでも肝臓は鍛えられない! 酔うって一体どういうこと?

 ここで覚えておきたいのが、お酒の強い弱いのレベルについてです。お酒を飲める人だと、「お酒を飲めない」って言った人に対して、「ビールの1杯くらい付き合いなさいよ」と思ってしまうことがありますが、これはNG。DD型の人だと、ビールのグラス半分でも気持ち悪くなり、体調を崩してしまうことがあるのです。DD型の人は、お酒を飲んでも気持ちいいというステージがほとんどなく、ダイレクトに頭が痛くなり顔が赤くなり気持ち悪くなります。飲めるかどうかわからない人に、無理矢理お酒を飲ませるのは非常に危険なので、肝に銘じておきましょう。  ちなみに、バー業界でも下戸の人はたくさんいます。一流と呼ばれる人のなかにも、味見以外ではアルコールを口にしない人も。原価BARでも何人もお酒をほとんど飲めない人が働いています。

「オレのおごりだから」と無理強いはNG。バーテンダーだからと言って、お酒が飲めるとは限らない

 なお、肝臓の処理能力の問題なので、量を飲んだからと言って、酒が強くなるなど肝臓が鍛えられて酒量が増えることはありません。ただし、ND型の人は下戸だと思っていたのに、普通に飲めることに気がつき、結果的に飲酒量が増えるということがあります。これが、「気合いで飲めるようになった」というエピソードの元になっているのでしょう。DD型が真似すれば病院行きですし、もとよりお酒が強いNN型が調子に乗れば本格的に肝臓を壊して病院行きとなります。「酒を飲んで肝臓を鍛えてさらにたくさん飲め」というのはNGなので注意しましょう。  酔いは、肝臓がアルコールを分解しきれず、血中に残った状態でおきます。脳を麻痺させ、気持ちが良くなってくるのです。そのまま飲み続けると、陽気になる「爽快期」から、理性が失われる「ほろ酔い期」、声が大きくなる「酩酊初期」、千鳥足になったり、話がリピートする「酩酊期」、まともに立てなくなる「泥酔期」になり、死亡寸前の「昏睡期」へと至ります。
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