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「死んだほうがいい」と他人から言われる人生を生きる27歳ギャンブル狂の闇

―[負け犬の遠吠え]―
ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteで有名になったTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後も続いてしまう人生のなかで、力なく吠え続ける当連載も21回。  今回は、くそみたいに距離のある他人から、「死んだほうがマシ」とか言われてしまう犬さんが、「死なないわ」と思ってからのお話です。
犬のTwitterプロフィール

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「もう死んだほうがいい」とか言ってくる人がいる

借金 度を超えた貧困は人から様々な物を捨てさせる。物から始まり、贅沢であったり、人間関係であったり、その全てが自業自得なのだから仕方ないが、どれだけ世間に「もう死んだ方がいいだろう」と言われ続けても、別にそんな勇気もないし、そもそも死にたくはないから生き続けている。穴に堕ちた人間がもちろん悪いのだが、通行人が「死ね」と言って唾を吐きかけたそのゴミの人生は、その人が忘れた後も見えないところで続いていく。  借金をし始めてまず変わるのが金銭感覚だ。これまで自分のポケットの中にしかないと思っていた財布の輪郭がぼやけていく。借りて使い、返す。また借りる。少し遅れる。別のところから借りる。タチの悪い債務者が「金を集める」という表現を使うのはこのためだ。借金の経験がある人間にとって10万円をすぐに作ることは造作でもない。ように感じる。貯金なんて必要ない。

「金を集める」のは経営者と債務者だけ

 そもそも、「金を集める」と言うのは経営者か債務者しかいない。会話をする時に耳を澄まして見てほしい。絶対に事業なんてやっていなさそうなぼんやりした人間が「金を集める」と言っていれば、それは十中八九債務者だ。逆に常習債務者であることを隠したい人は自分の言動を思い返してみるといい。思わず口をついているはずだ。「金を集める」と。  精錬で正しい社会では、金は何かしらの対価でしかなく、忘れることなく自分の元に積み重ねていくものだ。この記事によって魔女狩りが始まってしまったら申し訳ない。確信を突きすぎたかもしれない。だが書かせてもらう。僕はアミバでいい。  財布の輪郭が曖昧になり始めたら終わりが始まる。転落は早い。借金は慣れてしまうものだ。まともな金銭感覚はすでに死んでいる。金銭感覚の生前にどれだけ借金を悪しきものとして憎んでいたとしても、一度借金をしてしまえば「なんだ、そんなに悪いヤツじゃないじゃん」と親しみを持ってしまい、次はもう少し悪いヤツに会いに行くのだ。  田舎者が最初どれだけ東京にビビり倒していても、繁華街の闇に少しでも触れたら往々にしてそのまま最深部まで堕ちていくのに似ている。これは「段階」ではなく「階段」だ。一番重かった扉はすでに開き切ってしまった。 「本当にヤバイ時には気づくから」 と反論もしたくなるだろうが、一番重いのは、借金のクライマックスは第一話「開け、借金の扉!」だ。ここさえクリアしてしまえばあとは下るだけ。  貧困人生の折り返し地点あたりから、おそらく人はほとんどのものを失っている。一般社会には認識されず、たまに頭を出したと思えばあまりの生き汚なさに思い切り槌で叩かれてしまうだろう。その姿は叩きやすく、まるで目印のついた社会悪そのものの姿をしているから、普通の人でも叩くのに抵抗はない。  正しい世界のために、そんな汚い物は地中に戻してやればいい。正しい人間は最初から間違わないし、更生しようという人間を許す必要もない。そもそも好き勝手に生きてきたツケが回ってきただけの人間にチャンスなど与えてやるものか。チャンスは正しい努力と結果の上にぶら下がっているのであって、一度道を間違えたゴミのための蜘蛛の糸なんかじゃない。
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