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この地球上に、いわゆる “植物” は20~30万種類も存在する。我々哺乳類が約6000種類と言われていることを考えると、数だけ見れば、この惑星は植物の星と言ってもいいのかもしれない。学者でもない限り、生涯出会う植物より、名前も知らずに終わってしまう植物の方が圧倒的に多いはずだ。

それはさておき、中国で “死の花” が咲いたと話題になっている。

・中国に咲いた“死の花”

そんな “死の花” が見つかったというのは、かつての都・長安があった陝西(せんせい)省だ。その映像を見ると……何これ!? スイセンっぽい花をつけているのだが、花も茎も、全てが白、いや、むしろ透明なのだ。

私たちがよく目にする植物といえば、茎や葉などが緑色なはず! だがこの “死の花” は緑の部分は一切なく、水晶のように輝いている。キレイだけど、どこか妖艶で、不気味な気もする。

・「銀竜草」またの名を「水晶蘭」

この “死の花” の正式名称は「銀竜草(ギンリョウソウ)」。またの名を「水晶蘭(スイショウラン)」という。わぁ、ビジュアルを表した美しい名前だなぁ!

緑色の部分がないのは、葉緑素を持っていないからだという。そのため光合成ではなく、腐葉土から栄養を得ているのだそうだ。腐葉土とは、朽ちた植物が土に還った養分たっぷりの土のこと。死んだ植物由来の栄養をとる、だから中国では “死の花” と呼ばれているのだという。

・日本にも分布

この “死の花” は、日本でも全国に分布しているそう。ジメジメした山地などに生息しているとのことで、山登りが好きな人の間では知られた花なのだ。児童書『西の魔女がしんだ』にも登場するぞ。

なお、ギンリョウソウは栽培が非常に難しいのだとか。中国報道でも「人の手で生かすことは難しいので、見つけても摘み取らないで」と注意が呼びかけられている。たしかに、この花に、陽のあたる場所は似合わない。ジメっとした森や林で妖しく咲く姿を眺めるのが一番なのかもしれない。

参照元:YouTube新浪新聞中国新聞網(中国語)、環境白書国営讃岐まんのう公園
執筆:沢井メグ