広島県警は25日、広島県内で今年4月から5月の1カ月間に発生した292件の車上荒らしの被害傾向をまとめ、これを明らかにした。最も被害に遭いやすい場所はマンションや、住宅地に隣接した月極駐車場などだという。
これは広島県警・総務課情報係がまとめたもの。今年4月7日から5月7日の1カ月間に、広島県内で発生した292件の車上荒らし事件を対象に被害が発生した場所、クルマの施錠状況、犯行被害にあった品目などを調査している。
被害に遭った場所として最も多かったのが駐車場だが、自宅周辺の月極駐車場やマンション駐車場など「一見は不特定多数が利用しないように見えるが、立ち入りのみなら不特定多数がそれを可能とする場所」で発生しているという。こうした駐車場のうち、平地にあり、街灯が少なく常に暗い駐車場が狙われやすく、こうした駐車場での犯行時間帯は午後10時から午前2時の間に集中していた。
また、被害に遭ったクルマの37%は無施錠状態で自宅敷地内などに置いてあり、犯人はドアをこじ開ける必要もなく車内に侵入し、犯行を完了させていた。施錠されたクルマの場合でも窓ガラスを破壊(33.6%)したり、ピッキングツールなど特殊な工具を使って開錠(13.4%)されたというケースもあった。特に後者では侵入の形跡が目立たないため、発覚が遅れるといった問題点もある。
盗まれるものは車内に放置したバッグ類が最も多く、取り外しに時間と専門技術を要するカーオーディオやカーナビ類は意外に被害が少なかった。
警察では「道路などから車内に放置したバッグが見えるような場合、特に狙われやすい。自宅敷地内だからといって施錠しないまま放置してもいけない」と注意を呼びかけている。