警察庁が発表した、2016年の自殺者数の総数は「21,321人」でした。
自殺者は8年連続で減少しています。
今年は、前年に比べ576人少なく、2.6%減少しました。
ただし、都道府県別に見ると、自殺者が増えている県もあります。
2016年は、30の都道府県で自殺者が減り、17つの県で自殺者が増えました。
この記事では、都道府県単位で、自殺者数の動向を見ていきます。
最初に、「自殺者数が多かった都道府県」を見てみましょう。
ここでは、上位10位までを掲載しています。
1位から3位までは、「東京都」「神奈川」「大阪」の順でした。
2016年に比べると、「埼玉」で72人自殺者が減り、「神奈川」で63人増えたので順位が入れ替わっています。
東京都の自殺者数は「2,145人」です。
自殺者数の減少数は、全都道府県で一番大きく、2016年から75人少なくなりました。
それでも、東京の自殺者数は、全国の自殺者数の1割以上を占めています。
「自殺者数が少なかった都道府県」は、「鳥取」「島根」「徳島」の順でした。
この順位は、2016年と変わっていません。
鳥取県の自殺者数が「100人」に増えたので、自殺者が100人以下の都道府県は無くなりました。
都道府県ごとの人口の差は大きいため、自殺者数だけで比較すると、傾向を見誤ってしまいます。
そのため「人口10万人当たりの自殺者数」を「自殺死亡率」と定義し、都道府県間の比較に用います。
つまり、「自殺死亡率」が高いと、人口に対して自殺者が多いことを表します。
2016年の日本全国の自殺死亡率は「16.8」でした。これは、昭和53年(1978年)に自殺統計が始まって以来、最小となっています。
「自殺死亡率」を都道府県別にみると、30都道府県で下がり、17県で上がりました。
自殺率が上がった特に、「鳥取」と「三重」は、自殺死亡率が大きく上昇しており、対策が望まれます。
「自殺死亡率」が高い県は、「秋田」「青森」「山梨」でした。
「秋田」は、昨年に続き、自殺死亡率が一番高い県となっています。
秋田の自殺死亡率は「24.3」で、4,115人に1人が自殺していることになります。
逆に「自殺死亡率」が低かった都道府県は、「大阪」「奈良」「神奈川」でした。
一番低い「大阪」の自殺死亡率は「13.6」でした、7,352人に1人の割合です。
自殺者数が一番多い「東京」も、自殺死亡率は「15.7」で、全国平均の16.8を下回っています。
都会は、自殺者数は多いのですが、人口も多いため、自殺死亡率は低いのです。
自殺の原因は、1つだけではなく、いくつかの原因が重なりあうことが多く、その背景は複雑です。
厚労省でも、自殺問題専用のホームページを用意しており、相談窓口や自殺対策の案内などを行なっています。
周囲の人に相談しにくいような状況に追い込まれたときは、まず、これらのホームページを利用して、相談窓口にコンタクトしてみましょう。
SNSで相談できる団体もたくさんあります。
誰かに相談するという行動が、自殺から遠ざかるための第一歩です。
【お知らせ】この記事は2018年3月18日に内容を更新しました。