離婚後もふたりで子育て?!共同養育のススメ

別居や離婚をすると、ひとりで育てていかなくてはならないと意気込む人も多いと思います。
でも、ちょっと待って。子どもにとってはどうでしょう。親が離婚すると親はひとり減るのでしょうか。夫婦は破綻しても、子どもの親であることは変わりません。
別居・離婚後も両親で子育てする「共同養育」についてみていきましょう。




海外ではあたりまえの「共同養育」

日本は単独親権ですが、海外ではほとんどの国が共同親権。つまり、離婚しても両親が親権を持ち子育てに関わります。
共同養育があたりまえなので、離婚しても親同士としての関係が続くことを念頭に入れ、離婚協議においても養育についての取り決めをきちんと行ったり、離婚後の親としての心得を学ぶ機会が設けられたりしています。

子どもの誕生日は元夫婦や再婚相手も

共同養育をしていると、子どもはそれぞれの親の家を行き来するなど、両親からの愛情を変わらず受けながら成長することができます。
例えば、子どもの誕生日には、両親やその親戚、さらには再婚相手とその親戚も一同に会し、多くの大人からの祝福を受けながらお祝いされるといったことも。こういったシーンを海外の映画のワンシーンで見たことのある人もいるのではないでしょうか。

共同養育のメリット

こじれた元夫と関わりたくない!誰もが思うことかもしれません。ただ、その感情を乗り越えて、離婚後も子育ての分担をすることで、メリットもたくさんあります。

親にとってのメリット

まずは親にとって共同養育をするとどんなよいことがあるのかを見ていきましょう。

1.経済面
面会交流と養育費は別物ではありますが、実際のところ面会交流を行っている方が養育費の支払い率が高いのも事実です。
また、元夫側の親戚とも離婚後も変わらず交流を持たせることによって、お誕生日やクリスマス、お年玉や入学時のお祝い金なども継続してもらえる可能性も高まります。
二度と関わりたくないと思う気持ちもあるかもしれませんが、ここは経済的なメリットも視野に入れて、感情的にではなく冷静に対応することも賢明です。

2.自分の時間を確保
仕事に育児、家事と日々やることが山積み。たまには友達と飲みにも行きたいし息抜きに旅行だってしたい。そんなときは面会交流を上手に利用することで、元夫に無料のシッターの役割を担ってもらうこともできます。
通常のシッターなら延長料金も有料ですが、面会交流なら無料なのはもちろんのこと宿泊だって叶います。また、仕事に注力したい人にとっては、残業や出張もできるようになれば自己実現ができると同時に収入アップも望めて一石二鳥。
信頼できない元夫に子どもを長時間預けることに心配をするお母さんの声も多いですが、子どもにとってよい父親であるのかを今一度冷静に判断し、預ける先と割り切れると自分自身も楽になれますね。もちろん、そのためには安心して預けられるような父親側の心がけも重要です。

3.いざというときのリスクヘッジに
今は健康で子どもをひとりで育てることができると思っていても、いつどこで病気や事故が自分の身にふりかかってくるかはわかりません。
そんなとき、子どものことを一番大事に思い面倒見てくれるのは誰でしょう。いざというときのためのマンパワーの確保として父親を念頭に入れておくことは子どもが路頭に迷わないためにも大切です。

子どもにとってのメリット

続いて、別居・離婚家庭の子どもにとって、両親が育児に関わり続けることのメリットをみていきましょう。

1.なによりも愛情確認
親が離婚をすると、「自分のせいで離婚してしまったのかな」「お父さんに捨てられてしまったのかな」「お父さんはもうぼく・わたしのことを好きじゃなくなったのかな」と不安に思う子どもも少なくありません。親の離婚によって住む場所は学校なども変わってしまう子どももいるでしょう。
環境が変わっても、せめて離れて暮らす父親と変わらず会えていることで、このような不安は払拭されますし、ダメージも最低限に抑えることができます。
一緒に住まなくなったけど、いつでも会えるし愛してくれていると思えるように継続して父親と過ごせる環境をつくることは子どもにとって非常に重要です。

2.アイデンティティの確立
仮に父親にずっと会えていない子どもがいた場合、大きくなるにつれ、「自分のお父さんってどんな人なんだろう」と思う時が必ず来ます。しかしながら、父親と会いたいと思っていても、母親に気を使って会いたいと言えないという状況になってしまうかもしれません。自分自身のルーツを知るためにも、両親と継続的に会い続けることは大切です。

3.知識や体験が増える
父親と母親では役割もできることも違います。男親だからこそできる体力を使った外遊びをはじめ、学習面などでも母親が不得意とすることが父親が得意なのであれば、父親と一緒に過ごすことで子どもの知識や経験は増えていきます。
いつも母親とふたりで同じ生活を繰り返すよりも刺激もありますし、なにより子どもが楽しい時間を過ごすことが子どもの健やかな成長を促す大事な機会になります。
父親とともに過ごし学びを得ることは愛情確認にもつながりますし、習い事で補えることではありませんね。

共同養育で親も子どももハッピーに

離婚しても断絶状態になるのではなく、夫婦同士の葛藤と親子関係を切り分け、離婚しても親同士の関係を再構築することで、親も子どもも離婚のダメージを少なく新生活をスタートさせることができます。
子どもがいる以上は、結婚したこと離婚したことに対して親として自己責任を持つことも大事。
子どもがタブーなく素直にありのままの笑顔で過ごせるためにも、みなさん、共同養育に一歩踏み出してみませんか。

ABOUTこの記事をかいた人

しばはし聡子

中学生の息子と暮らす子連れ離婚経験者。面会交流に後ろ向きな思いを乗り越えた経験を生かし、離婚後の子育てや相手方との関わりで悩む親、そして子どもの一助となりたい思いから「一般社団法人りむすび」を設立。 現在、個別相談や面会交流支援に加え、講演や執筆を通して共同養育普及活動を実施中。

2 件のコメント

  • 話し合えるような相手ならいいよ。
    そうじゃなくて別れたとき、話し合いが無理だったのにどうやってらできるの?
    一般論だけを言うのではなく、シングルの味方ならもっとモラハラには人格障害、発達障害が隠れてる人がいて無理かどうか裁判所は先にきちんと判断すべき。というのをきちんと推し進めるべきではないの?

  • 精神的虐待やモラハラなどで子供が離れたがっている、会いたがらない家庭のことも書いてください。相手の言動のせいで心療内科やカウンセリングに通う羽目になったのに子供に相手と会え、関われと言わなければならないのでしょうか?
    子供の為になりません。
    子供が相手と会いたいとか言えば私は無関係で行かせますよ。私は相手と関わる気も会う気もありません。子供の自由にさせます。

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