【インタビュー】舞台「正しいロックバンドの作り方 夏」栗原類&吉田健悟 藤井流星&神山智洋とは「自然と会話が生まれて、自然と会話が消える」関係性

2020年8月6日 / 07:00

 日本テレビ深夜ドラマ「シンドラ」の第12弾として放送された、ドラマ「正しいロックバンドの作り方」が舞台化され、「正しいロックバンドの作り方 夏」として8月9日から上演される。本作は、主演の藤井流星と神山智洋(共にジャニーズWEST)、そして栗原類と吉田健悟が演じる、ダメダメだけど愛すべき4人の男たちが、ロックバンド“悲しみの向こう側”を結成し、成長していく物語。舞台では、ドラマのその後が描かれる。天才かもしれない不思議くん・オギノ役の栗原と、とにかく明るいムードメーカー・コバ役の吉田に舞台への意気込みを聞いた。

オギノ役の栗原類(左)とコバ役の吉田健悟(ヘアメイク:坂部めぐみ(メーキャップルーム))

-ドラマ撮影が始まった頃には、舞台化の話を聞いていたそうですね。ドラマ撮影は、舞台があることも念頭に入れながら演じていたのですか。

栗原 いや、それはなかったです。

吉田 舞台があることは知っていましたが、どういうストーリーになるかも分からなかったので、まずはドラマに集中していました。でも、いざ、ふたを開けてみたら、舞台はドラマの2カ月後という設定なので、意外にも最近の話だったんだなとは思いましたが(笑)。

栗原 実際に、ドラマの放送を終えてから舞台が開幕するまでの期間がそれぐらいなんですよね。

-ドラマの後に、舞台で同じ役を同じ世界観の中で演じるということに対してはどう感じますか。

栗原 僕は初めての経験なので、不思議な感覚ですし、新鮮です。

吉田 僕も初めてなのですが、ドラマで作ったものをそのまま舞台に持っていこうとは思っていません。ドラマはワンシチュエーションコメディーなので、いい意味で狭さを感じていたのですが、それがグローブ座という大きな劇場でやることでどうサイズ感が変わるのかという楽しみがあります。そのサイズ感によって、僕たちが演じるキャラクターたちの関係性ややりとりも変わってきますし、ドラマの雰囲気のまま舞台をやっても面白くないんじゃないかなと思っています。

栗原 先日、作・演出の西田(征史)さんが本読みの際に「ドラマと同じ感覚でやるとだらだらしてしまう」とおっしゃっていたのですが、それは僕たちも感じました。もちろん、ドラマと同じ感覚で演じることはできますが、舞台では回転速度を速める必要があるんだと実感しました。

-ドラマの延長上にある世界観の作品であれば演じやすいのかなと思っていましたが、単純にそういうことでもないんですね。

吉田 今回演じているのは、等身大の若者なので、それを舞台で演じると役のサイズが小さくなってしまうと思うんです。劇場に来てくださるお客さまには、特別な体験をしてもらいたいと思っているので、ただの等身大の若者を見せるだけでは面白くないなと思っています。

-では、役に対してもまた別のアプローチをするということですか。

吉田 そうですね。僕は一から作るつもりでいます。ドラマをやっていたからとか、既存の作品だという意識はないです。

栗原 僕も吉田さんと同じ考えです。ドラマを演じたからといってキャラクターが完成したわけではないんです。あくまでもドラマはドラマでの出来事なので。舞台は、舞台での出来事が起こって、それぞれが葛藤していくので、僕も改めて役に対して向き合おうと思っています。ただ、とても難しい作業だとは感じています。一度作り上げたキャラクターを、最初から丸々リフレッシュするのではなくて、自分の中で作り上げたオギノというキャラクターを守りつつ、新しいものを発見しなくてはいけないので、難易度は高いと思います。

吉田 僕は、ドラマとはちょっと違っても、カンパニーとして全体がよくなればそれでいいと思っていますが、同時にそれをするのはすごく勇気がいることだとも感じます。「やっぱりドラマの方がよかったね」ってお客さまに言われるのは怖い。でも、それは必要なことだと思うし、このチームだったらきっとうまく助け合っていけると思います。

栗原 今回は、ドラマには出ていない新しいキャストさんも入ってくるので、その方たちとの絡みがどうなるのかも楽しみです。舞台では、稽古期間を含めて長い期間を一緒に過ごすこともあって、関係性をしっかりと作り上げて、どんなボールを投げ合うのかを意識していきたいと思います。

 
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