【8月30日 CNS】中国・重慶市(Chongqing)の江北国際空港(Jiangbei International Airport)に28日、カンボジア・プノンペンを飛び立った中国のチャーター便2機が到着し、重慶市警察が手配していた中国人詐欺容疑者150人が帰国した。これにより、中国とカンボジアの国際捜査協力の枠組みの下、重慶市警察は延べ223人の容疑者を移送した。

 重慶市警察によると、中国国内の各種詐欺、違法ネット賭博などに対する取り締まりが厳しさを増す中、多くの犯罪者グループは活動場所を中国から東南アジアへ移している。高給で中国人を雇って海外に出国させ、海外から中国人に対し詐欺を働いたり、違法なネット賭博に引き込んだりするという。

 今年は中国とカンボジアの取り締まり協力年に当たる。中国警察はカンボジア警察と共に取り締まりを強化し、違法ネット賭博、ネット詐欺、反社会的組織などの凶悪犯罪に対して厳しく対処するとしている。こうしたことから、重慶市警察はカンボジア側の多部門との連携を深めることにより、取り締まり強化に努めてきた。

 6月上旬、重慶市警察の専門チームはカンボジアのシアヌークビル(Sihanoukville)に赴き、中国大使館とカンボジア警察の協力の下、ネット詐欺の特大犯罪グループを摘発し、アジト3か所を押さえ、容疑者73人を逮捕した。

 7月には、重慶市警察は国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)重慶連絡所と海外チームを編成し、再度カンボジアに渡った。中国とカンボジアの共同捜査チームは、シアヌークビルの港で詐欺犯罪のアジト4か所を押さえ、容疑者127人を逮捕し、犯罪に使われたコンピューター350台、携帯電話500台、現金約300万元(約4460万円)、大量の話術の指導書などを押収し、銀行の1200口座を凍結した。これにより、中国国内28省・市にわたる被害金額1億元(約15億円)を超える特大詐欺グループを撲滅したとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News